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モノづくりの楽しさを伝承する板金技能体験

2024.03.25 MON
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モノづくりの楽しさを伝承する板金技能体験

2024.03.25 MON
モノづくりの楽しさを伝承する板金技能体験
モノづくりの楽しさを伝承する板金技能体験

トヨタ自動車で試作車をつくる板金の職人集団「匠工房」が、LEXUSオーナー向けに板金体験イベントを開催した。お客様一人ひとりとの接点を大切にする匠工房が匠の技術を間近で見て体験してもらう活動を取材した。

モノづくりの楽しさをお客様と共有したい

トヨタ自動車創業当時から脈々と受け継がれてきた板金技能。この技能を駆使してお客様を笑顔にする活動が前回紹介した匠工房の活動とそこでつくられるLEXUSフューエルキャップカバーだ。

この匠工房がモノづくりの魅力や楽しさをお客様に知っていただきたいと開催した体験イベントが2024年3月2日~3日にレクサスインターナショナルギャラリー青山で開催された。
お客様との接点を大切にするこの活動について、開発試作部の田中 悠人主幹は、こう話す。
田中主幹
匠工房という言葉には、お客様に近い場所という意味を込めています。匠は部屋にこもってモノづくりをするイメージがあるかもしれませんが、我々はお客様の近くで作業をして、お客様目線で商品を発案することを大事にしています。
このような板金体験を通したお客様との接点で、モノづくりの魅力や楽しさを伝えると共に様々な声を取り入れ、お客様が笑顔になるモノづくりに挑戦している。

お客様が自ら叩く世界にひとつだけのアイテム

イベントでは、匠が手掛けた作品や実際の板金技術を間近で見た後に、参加者はハンマーを持ち各々が理想の打刻を目指しハンマーを振った。
時計、コースター、ネームプレート、靴べらから選択。お名前や日付、作品名などの名入れも行うことができる。
時計、コースター、ネームプレート、靴べらから選択。お名前や日付、作品名などの名入れも行うことができる。
ハンマーを握り、金槌で打刻を入れていくという作業は、一見、簡単なように見えるが、目指したところに打刻をするのは難しく、匠のようには上手くいかない。
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匠の技能を伝承していく上で、叩く強さや位置を可視化する取り組みも始めている。叩く強さは人によって違うため、軽く叩くといっても各々の感覚によって差ができてしまう。

今回のイベントでは、この打刻を可視化する装置も持ち込まれ、匠とお客様の打刻の違いが可視化された。

この装置は、叩いた音色を色と円にして打刻の質を表現する。匠が打刻すると丁度よい強さと的確な場所で叩くことができるので、ディスプレイには正円が現れ緑色に光る。
叩く場所と強さを可視化できる機械。匠は一定の位置と強さで叩いていることがわかる。
叩く場所と強さを可視化できる機械。匠は一定の位置と強さで叩いていることがわかる。
体験したお客様は「想像以上に難しいが音も気持ちよくて、的確に打つことができた快感があります」と嬉しそうに話してくれた。

匠の技で表現したこだわりの作品

板金体験が行われたレクサスインターナショナルギャラリー青山では、『匠工房「変わるもの」「変わらないもの」展』(開催期間:2024年3月6日(水)~17日(日))と題して、匠の技と心で表現した作品やLEXUSコレクションで販売中のフューエルキャップカバーが期間限定で展示された。
ブロンズに熱を加えず、折り紙のように自在に形を変える挑戦をしたブロンズ折鶴。
つくるものによって使い分けるハンマー。
まるで今にも動き出しそうな生き物の毛並みや、質感を金属で表現した板金イノシシ。
スピンドルグリルが彫られたLEXUSフューエルキャップカバー。
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鉄板をぎりぎりまで伸ばしたり、叩いたりしながらつくられる複雑な形状の作品から、匠の妥協なきこだわりを感じることができる。
板金技能でつくられた靴置きがLEXUS LMの後部座席に。
手叩きの板金技能ならではの温かみのある靴ベラや花瓶などが、LEXUS LMの車内を彩る。
給油口を開けるときに気持ちが高まるLEXUSのフューエルキャップカバー
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この匠の板金技能は100年に一度の大変革期に突入した自動車産業でも大切にしていかなければいけない。モノづくりを支える匠という存在を継承し、人中心のモノづくりで、商品力を向上させていく。
本イベントの企画者である開発試作部の塩地 祥広は匠の技能や作品に触れたお客様の様子を見て、こう話す。
塩地
作品を見て、手に取り、触れてもらうことで五感を刺激し、モノづくりの魅力を感じていただきたいと思っています。

時代と共に挑戦し続けて進化を目指す匠工房は、お客様と一体となった活動をこれからも続けていきたいです。

匠工房はお客様の声に耳を傾け寄り添うことで、トヨタ自動車とLEXUSのファンを広げる活動をこれからも続けていく。
<関連リンク>
モノづくりを支える匠工房の技

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