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販売後の愛車に寄り添う新たな挑戦

2023.12.18 MON
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販売後の愛車に寄り添う新たな挑戦

2023.12.18 MON

当初11人という少人数で開始された次世代中古車チーム。このチームがLC500を対象とした前例のないアップグレードサービスを開始した。そのサービスの体験試乗会場でLEXUSの新たな挑戦について聞いた。

既販車をアップグレードさせるという試み

「『我々は自動車屋です』って言うよね。でも、自動車屋じゃない。新車屋なんだよ。自動車屋という以上はクルマの20年のライフを見ないとダメ。」

前回は、2020年11月に当時社長だった豊田章男会長が投げかけたこの言葉がきっかけでLEXUSが新たにスタートさせたサービスの内容について紹介した。
今回は、この企画を検討し、実現するまでの担当者の挑戦について迫った。

アップグレードサービスの販売を手掛けるKINTOの総合企画部で次世代中古車プロジェクトのメンバーでもある石島主任は自社の役割をこう説明する。
石島主任
KINTOはサブスク事業をメインでずっとやってきましたが、トヨタの顧客接点だということをKINTOの小寺社長は申しております。

この事業に関してはトヨタ自動車の中で当時社長だった豊田章男会長から、車両の保有期間の長期化、車両価格の高騰というようなことがあるので、新車を作って終わりではなくて、クルマをご購入していただいたお客様に、違う価値をメーカーとして提供していきたいという想いのもと、事業を創出しています。
これは、創業以来、高級車の概念を超え、常に革新に挑戦し続けてきたLEXUSが始める前例のない試みだという。
アップグレードの内容は、2023年6月に60台限定で発売されたLC500特別仕様車“EDGE”で採用されていた「リヤアルミ中空サスペンションメンバー」、「フロントリヤ専用サスペンション」、「バンパーカナード」の3点を、お客様が使用しているLCに後付けして愛車を進化させる。
リヤアルミ中空サスペンションメンバー。
フロントバンパーカナード。フィンが生み出す空気の渦が車両安定性を高める。
11
このアップグレードについてLCのチーフエンジニア(CE)を務める武藤康史CEはこう想いを話す。
武藤CE
クルマの装備や性能、いろいろなものがあると思いますが、そのクルマの特徴に合わせて少しずつクルマが生まれ変わり成長していくという価値をお客様に提供したいと思っています。

新型モデルは毎年改良を重ねて良くなっていきますが、車に買い替えるのではなくて、そのエッセンスを既にお乗りいただいているクルマにアップロードできれば嬉しいですよね。
このアップグレードサービスは、整備工場でクルマをアップグレードするのではなく、愛知県豊田市にある生産工場の堤工場で新たに整備工場との認可を取りお客様のクルマを戻して分解・組立を行い、元町工場で検査とテスト走行などの品質管理を行いお客様に届ける。

この生産工場から、お客様の手に渡ったクルマをまた工場に戻すというのは前例のない試みになるという。

この試みについて、元町工場の次世代中古車プロジェクトチームの矢野 佑一郎主幹はこう語った。
矢野主幹
今回のアップグレードサービスは工場だけではできない取り組みです。

次世代中古車チームのメンバーで、議論を重ねることでプロジェクトに参加している工場のメンバーとも共感できるようになったという変化がありました。

プロジェクトチームで共感が生まれるとメンバーが、それぞれの部署へ交渉を始めて、私は工場の生産本部に働きかけをしたり、KINTOのプロジェクトメンバーはKINTO社内で旗振りをする。

そういった全社横断のワンチーム体制により今回のアップグレードサービスが実現しました。

購入後も幸せを感じていただきたい

モビリティカンパニーとしては、アップグレードして走りに磨きかけることで、購入後にもさらに楽しんでいただきたいという想いがある。

今回のアップデートでは、そんなお客様のクルマを工場に戻して分解・組立を行う。この前例のないプロジェクトを推進していくにあたっては、挑戦の連続だったという。
矢野主幹
新車生産ではある規格内の部品を組み立て、新品のタイヤ、燃料搭載で測定して調整すれば、どのクルマも同じ品質にすることができます。

私たちにはそういうノウハウがあるのですが、一度お客様の手に渡ったクルマは使われ方が異なるため千差万別です。そのお客様の愛車をアップグレードして、お客様が一番喜んでいただけるセッティングとは何か、正解が分からないところからスタートでした。

そこで社内で何万キロも走っている車両を探して測定し、それを新車生産時のデータと比べ、何が変わって、何が変わっていないのかを確認し、検査項目を決めていきました。

アライメントのような品質だけでなく、部品の調達、予算の管理、アフターサービスに至るまで、全てが前例のないことばかりで苦労しました。

でも、苦労したかいがあって、とても良い商品になったと思うので、お客様には喜んでいただけると思います。
元町工場で製造を担当する西田 幸夫SXは新車工場でやる意味についてこう話した。
西田SX
私も組立工場の出身で多くの新車生産に携わってきました。今回、新しい取り組みとしてLCをやろうとなったときに、「メーカーにしかできない強みとか、私たちが培ってきたノウハウを現在お乗りいただいているお客様に活かせないか」という話に共感して「やってやろうじゃないか」という想いで、取り組みました。

そんな中、試乗会で多くのお客様にお越しいただき、実際にご意見を伺う機会をいただきました。そこで、我々がつくったLCをこれほどまでに愛してくださっていることを知り、とても嬉しく感じるとともに、その気持ちにお応えするために、ぜひ私たちの現場にその声を戻したいと思いました。

そして、責任を持ってお客様のLCをアップグレードさせていただきたいと改めて感じました。

より鋭く、より優雅な走りを体感

今回、新たな取り組みとして、このアップグレードパッケージを富士スピードウェイで体感してもらうLCオーナー向けの「LEXUS LC Performance Upgrade Package体験試乗会」も行われた。
LEXUS Upgrade Selectionsの責任者で今回のLC Performance Upgradeの商品企画、体験試乗会を企画したコト事業推進部の吉原 智樹主幹は、体験会でお客様の理解が深まったと話す。
吉原主幹
ドライビングレッスンとアップグレード事業のコラボで、アップグレードの商品をまずお客様に体感をしていただいて、LEXUSの目指す世界観に共感をいただいた上で、ご購入いただくという新しい取り組みだと思っています。

今回は高額なアップグレードのパッケージ商品ですが、意見交換させていただいた中で何名かの方は「ぜひ購入したい」という風におっしゃっていただいたので、やはり乗っていただいて、その価値をご体験いただけたのが非常に嬉しかったです。
※KINTO FACTORY LC商品一覧

LEXUSの商品のたゆまぬ進化はこれからも続く。

<関連リンク>
アップグレードで最新の走りに進化

新型プリウスで始まったトヨタのクルマづくりの変革とは?

空と陸に技術交流がクルマづくりを変える【後編】

LC500特別仕様車“EDGE”
※LC500特別仕様車“EDGE”は完売しました。

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