3.18 Tue 19:00 START
暮らしに欠かせない、身の回りのモノ。2階レストラン部分にある書架など、INTERSECT BY LEXUSのスタイリングを手がけるインテリアスタイリストの作原文子さんと、暮しの手帖編集長の松浦弥太郎さんが、モノにまつわるさまざまなストーリーを紹介するワークショップ。司会はWEBマガジンOPENERSのエグゼクティブ・ディレクター、大住憲生さんが担当しました。
まずは、モノと出会うコツ、モノを選ぶコツから。松浦さんは「うーん。コツって、あるようで無いかもしれないです。大切なのは、いろいろなモノに好奇心をどれだけ持てるか。一歩踏みこんで知れることが楽しくて、子供のころから『なぜ、何、なんだろう』の繰り返しです。その中で相性のよいモノと出会えるとうれしくなります」。作原さんは「自分で選ぶのは、作り手や人とリンクしているモノですね。選ぶことは自分の表現でもあるし、他者への思いやりでもあります」と語りました。
松浦さんは「人との出会いに似ていて、はじめは苦手だなって思ってもそこで終わりにしなければいいところを見つけられるかもしれません。ひとつのコップでも、そこに人格を感じると使い方や置き方も変わっていきます」と話し、さらに「いつも、答えばかりを求めないように気をつけていること。椅子が欲しいと思った時でも、何を選ぶかではなく、そもそもなぜ椅子が欲しいのかに立ち返ると、どう暮らしたいかにつながっていきます」と松浦さんは続けました。作原さんは「インテリアは最初から全部が完成するわけじゃなくて、自分の気持ちにぐっと来るモノとの出会いを大事にして、ひとつひとつ集めていく感覚。完成に近づく過程を楽しめるのも、インテリアのいいところ」とモノ選びのコツを教えてくれました。
続いて、それぞれが最近買ったモノを紹介。作原さんは「INTERSECT BY LEXUSのスタイリングにも使用しているんですが、置くだけで様になるというか、作り手の人柄が伝わってくるというか。とにかく表情が愛らしい」と言う、鹿児島県在住のウッドターナー、盛永省治さん作のウッドベース。Bicのボールペンを紹介した大住さんに「そのシルバーのタイプは15年くらい前に、パリ中歩いて探しましたよ。筆圧を薄くするといい味が出ますよね」と言った松浦さんは、クリストフルのソルト&ペッパーソルトミル。「パークハイアットで見かけて、ずっと探していたんです。調べてもらったら、ホテル仕様の業務用だと分かりました。業務用なので6セット単位でしか購入できない。一緒に買ってくれる友達を探したら4人しか見つからなくて、今、家に2セットあります(笑)」といったエピソードを話してくれました。
作原さんのスタイリング紹介では、松浦さんが「作原さんのスタイリングが好きなんです。ぱっと見のかわいいとか、かっこいいじゃなくて、そこにはどういう暮らしがあるのかという見方をするのがとても楽しい。作原さんの思惑とは違うかもしれないけど、自分だけの発見や学びがあります」と語りました。
後半は、松浦さんの自宅の写真を初公開。自室を中心に、ヘンリー・デイヴィッド・ソローが一生涯使っていた机ものをメジャーで測って再現したという特注の小さなデスクや、ラグや寝椅子。「欠けのあるモノを集めて直しています」と語るルーシー・リーの花瓶や器、寝室の壁に飾った写真など、ストーリーに溢れるさまざまなモノを紹介。作原さんは「計算していないように自然に置かれた感じがいいですね。この部屋があるから、この寝椅子があるから、家に帰りたいというのはステキだと思います」と話しました。
途中、松浦さんが自身の本棚から持参した47冊の本を、INTERSECT BY LEXUSの本棚に作原さんがスタイリング。最後に、訪れたゲストの方々のお気に入りの中から、それぞれが興味を持ったアイテムについて対話を重ねてイベントは終了。時間内には語り尽くせないほど、モノへの愛がたっぷり詰まった濃密な内容となりました。
このイベントの詳細レポートは、OPENERSにてご覧頂けます。