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Mar 31,2014. UPDATE

「SPUR 25th ANNIVERSARY 川上未映子 『LOVE MODE トークショー』」開催

2.22 Sat 15:30 START

GUEST:
川上未映子さん(小説家)、福井由美子編集長(SPUR)、安田佑子さん(フリーアナウンサー)

創刊25周年を迎えた日本発信のモード誌「SPUR」とコラボレーション。1階GARAGEスペースにSPURプロデュースのスタイリングを施されたLEXUS「LFA」や、特別なタルティーヌ、スムージーといったコラボメニューが登場し、期間限定の「LOVE SPUR CAFE」へと姿を変えたINTERSECT BY LEXUS。初日には、オープニングイベントとして、小説家の川上未映子さんによるスペシャルトークイベントを開催しました。SPURからは福井由美子編集長も登壇し、司会進行はフリーアナウンサーの安田佑子さんが務めました。

今回のトークショー開催の発端となったのは、昨年、SPURに掲載した川上さん作のショートストーリー。イベントの冒頭では「所々に自分の体験があります」と語る、女性と洋服との運命的な出会いを描いたこの作品を著者自らが朗読。作中の、ショップで、店員の「お似合いですよ」の声が聞こえないほど「これだ!」と感じた一着と出会うシーンについて「誰かに言ってもらうのもいいけど、自分で出会って自分のモノにするという意志が大切。そういった出会いが、人間も、洋服にもあります」と解説してくれました。

そして、話題は洋服にまつわるエピソードに。「高価なものが必ずしも良いわけじゃないけど、洋服の説得力ってある。あるとき、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで買ったセットアップが、強い追い風になったことがあります」と川上さん。すると「行動が変わるって言いますよね。歩き方もしなやかになる」と福井編集長。「そうそう。1着あるだけでも何かが変わるんですよね。一点豪華主義みたいな気もするんですが、私の場合、上手に引き上げてもらえる事が多くて、身体と同じくらい洋服が大事な時があるんです」(川上)と体験談を交えて語ってくれました。

「洋服にはトレンドがあるけど“自分ビンテージ”もあって。だれもが絶対に捨てられない、思い入れやシチュエーション、気持ちを含めた自分だけの一着を大事にしています。そういう洋服と出会って行きたいですね」と話す川上さんに対し、「音楽も本も一緒ですよね。今聞いても思い入れがある曲はあるし、昔の自分とつながっている」と福井編集長。川上さんは「音楽もそうだけど、自分に似合わない洋服っていうのを決めていると思うんですが、次のステップに踏み出すのをみんなどうしているんだろうって気になります。自分の好きな物だけの守備範囲で固まっているのも、可能性をつぶしているのかなって思うんです。ヘアメイクさんとかスタイリストさんは、女性の保守的な気持ちを半分かなえて、半分新しい自分に挑戦させてくれる。不安になりながら、それでも手を伸ばすのが大事ですね」と話してくれました。

さらに「オシャレな人って、持ち物が全部スタンバイできているんですが、私のクローゼットって2軍と3軍に分かれちゃうんですよね。そもそも、2年前にときめいて買ったコートが飽きちゃうのはなんだろう。恋愛と同じなのかな」(川上)と恋愛観にも話題は広がっていきました。

トークセッション終了後は、訪れたゲストの方々からの質問に川上さんが答える一幕も。白いブラウスに黒いスカートというお気に入りのコーディネートや、ヒールの高さについて、また、小説を書き始めたきっかけなどを語ってくれた川上さん。「遥かな気持ちになる」という川上さん独特の言い回しについて訪ねる、ファンからの質問もありました。最後に「みんなが考えていることをもっと話し合えると、トークセッションを超えて感応し合うものがあるはずです。また機会があれば、みなさんとお話ししたいです」と川上さんが締めくくり、イベントは盛況のうちに幕を閉じました。