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TOUR REPORT -

メモリアル・トーナメント

2023.06.07 WED
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メモリアル・トーナメント

2023.06.07 WED
TOUR REPORT - メモリアル・トーナメント
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2日目に猛チャージを見せて16位タイ 全米オープンへ、やるべきことは明確

 全米プロの後、松山英樹は「メモリアル・トーナメント」に向けて、「疲れてはいます」と語るほどの調整に励んだ。身体の調子が、格段に良くなってきていることの証だ。
「先週も1回は(首が)痛くなりましたけど、その回数がどんどん減ってきているので、それは凄く前向きですし、今週もまだ何もないので楽しみだなという感じです。やっぱり優勝したいと思っていますし、そのためにはもっと良い状態にならないと勝てないと思いますが、早くその状態になるように頑張りたいなと思います」
 迎えた初日は1イーグル、2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーと出入りが激しく、イーブンパーの33位タイ(5打差)という滑り出しになったが、松山自身の感触は悪くなかったようだ。たっぷりと練習に勤しんだ成果が、少なからず出たということだろう。
「久々に良いショットも出てきましたし、パッティングもミスはありましたが、総じてそんなにひどいパッティングをすることなく出来たのは良かったなと思います」
 圧巻はやはり、15番だ。239ヤードの2打目がピン左30cmを捉え、“お先に”のタップインイーグル。最終18番も、パーではあったものの、177ヤードの2打目がピンを直撃する場面があった。

 良い流れは、2日目に引き継がれた。鮮やかなバーディーショーだった。10番からスタートし、11番では101ヤードの2打目が、スピンバックでピンそば25cm。14番でも、114ヤードの2打目をピン奥から戻して、4mのパットも沈めた。さらに、17番では170ヤードの距離から左ピンハイ2m弱につけ、18番では下りの5mのチャンスをものにして連続バーディー。後半は、楽々とバーディーを奪った5番の後、パッティングが冴えわたった終盤となった。「いい位置で終われるなとは思っていたんですけど、“おまけ”が来ました」と言うように、7番で7.5m、8番で10mのバーディーパットをねじ込んだ。ボギーフリーで、通算7アンダー。最終的には2位だったが、ホールアウト時点では堂々の単独首位だった。やはり、9年前に初優勝を遂げた大会。松山との相性の良さや縁を感じさせる。

「久々に良い位置で週末を迎えられるので、まず1つでも伸ばしていけるように頑張りたいと思います」と臨んだ3日目も、出だしは上々だった。1番で左ファーストカットから201ヤードの2打目をピン左85cmにつけると、2番ではピン奥から9.5mのパットを沈めて連続バーディー。パーだったものの、3、5、7番でも5m以内のチャンスを演出した。ただ、不運と言うべきか、この日、松山の首には再び痛みが発生していたようだ。ホールアウト後のインタビューでも、首をぐるぐると回す姿があった。ただでさえ難易度の高いミュアフィールドビレッジに、「打つたびに変わっていた」と松山が振り返った風が吹くなか、万全ではない体調も重なるのはつらい。8番からは、さまざまな数字が入り乱れるスコアカードとなり、5バーディー、5ボギー、1トリプルボギーで、通算4アンダーの9位タイ。ただ、この日のスコアを3オーバーとしても、トップとの差は2打に留まっていた。他のプレーヤーも苦戦していたのは明らかだった。
「トリプルを打った時にはもうチャンスがなくなるくらい落ちるかなと思いましたが、上も崩しましたし、2打差なのでチャンスはあると思います。今日のようなスタートを切って、そのまま昨日みたいな良いプレーが出来ればと思っています」

 しかし、松山の最終日は思いどおりに運ばなかった。前半こそ首位と4打差で折り返し、優勝争いに踏みとどまったが、前日同様、特に後半でコースに翻弄された。12番でボギーを叩くと、13番で1打目をOBとし、14番では2打目がクリークにこぼれて連続のダブルボギー。最終的には、通算イーブンパーの16位タイで4日間を終えることとなった。
 ただ、その一方でしっかりと4バーディーを奪っている所も指摘しておくべきだろう。4番では1打目を1.5mに絡め、8番ではグリーン右のファーストカットから20ヤードの2打目をチップイン。後半は、2つのパー5のどちらも、2打でグリーンそばのフェアウェイへ到達し、楽々とバーディーを奪っている。良いプレーは随所で出来ているが、それを続けられる安定度や土台となる体力が、まだ不充分ということではないだろうか。
「全米プロゴルフ選手権から少しずつ良くなりかけていて、今日も2打差でスタート出来ましたし、そういうものが次にどんどん繋がっていくんじゃないかなと。今やっていることを継続して、身体の状態もしっかりつくっていければいいかなと思います」

 次戦は、1週間を置いて自身11度目の全米オープンに挑む。やるべきことは明確。あとは、どれだけ自分を追い込んでいけるかだろう。

通算スコア:E
順位:16T

松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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