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TOUR REPORT -

全米プロゴルフ選手権

2023.05.24 WED
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全米プロゴルフ選手権

2023.05.24 WED
TOUR REPORT - 全米プロゴルフ選手権
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我慢の4日間を29位タイでフィニッシュ ポジティブだった最終日終盤のプレー

 2023年のメジャー第2戦、「全米プロゴルフ選手権」。会場のオークヒルカントリークラブは、2013年大会の開催地でもある。この時、プロ1年目だった松山英樹が初出場して19位タイ。ただ、7163ヤードだった総距離は今、同じくパー70で7394ヤードまで伸びた。
「結構変わっていて、前回のイメージがあまり残っていないという感じです。最終日に良いスコアを出して、凄く良い思い出があったんですけど、そういうのはまったくなくしたほうが良いなというような印象を受けました」
 実際、初日がスタートしてみると、松山は厳しいセッティングに我慢を強いられる展開となった。「少しずつ上がってきていることを実感しています」と現在のゴルフの状態を評していたものの、フェアウェイキープ率は35.71%に留まり、パーオン率は55.56%と6割を切った。パッティングも、スタッツは0.115とプラスの数値だったが、上手くいかなかった印象だ。2番で10mの距離から3パットし、ボギーを先行させたことが、その後に響いたのだろうか。5、11、12、16番の5m以内のチャンスは、いずれもカップからわずかに逸れた。ボギーはアプローチを寄せきれなかった3、17番でも重ねて、計3つ。バーディーは、14番だけに終わった。短いパー4で、1打目をグリーン手前ラフまで運び、20ヤードの2打目が2m弱。2オーバーの38位タイで、トップとは6打差がついた。

 10番からスタートの2日目も、タフなコースに手を焼いた。フェアウェイキープ率こそ50%に上がったが、パーオン率は低下して50%。グリーン周りから寄せ切れなかった16、3、6番でボギーを叩いた。しかし、「もう少しスコアを伸ばせるかなという雰囲気が少しは出たので良かったと思います」と松山が振り返るように、序盤には少し兆しも見えた。13番で、68ヤードの3打目を2mにつけバーディーを先行させると、14番では右ファーストカットから60ヤードの2打目が1.5mを捉えて連続バーディー。1打目が3m弱に絡んだ15番も取って3連続バーディーとしていたなら、その後の状況は大きく変わっていたかもしれない。しかし、結果は通算3オーバーで35位タイ。首位とは8打差がついた。

 もちろん、松山は諦めていなかった。朝から強い雨が降りつづけた3日目。2日目終了時に語っていた、「我慢していればチャンスが巡ってくるかもしれないので、良い位置で終われるように頑張りたいと思います」という言葉を体現してみせた。1番で175ヤードの2打目をショートサイドの右3.5mにつけ、バーディー発進。2番で1打目を右に曲げ、ボギーとなったものの、その後は粘りつづけた。5番では、グリーン左のラフから左サイドに立つピンに対し、20ヤードの見事なロブでパーセーブ。8番でも、36ヤードのバンカーショットでグリーン奥のピンにしっかり突っ込み、1m強につけてスコアを守った。14番では、1打目に前日までのドライバーではなくアイアンを選んだことが裏目に出て、ついにボギーとしたが、ずるずる崩れることもなかった。18番では、グリーン手前のラフから7ヤードの3打目をチップインバーディー。厳しいコンディションの中、イーブンパーでまとめたことにより、15人を抜いて20位タイ(通算3オーバーで首位と9打差)まで浮上した。

 優勝こそ難しくなったものの、上位進出を目指して臨んだ最終日。前日とは打って変わって快晴となった空のもと、松山らしいチャージが期待されたが、1番ホールがすべてを決してしまった。6.5mから3パットのボギー。悪い流れとなって、3番まで3連続ボギーを叩き、折り返して11番でもスコアを崩した。このコースで大きく盛り返すのはやはり難しい。最終結果は、通算5オーバーで29位タイだった。
ただ、12番からはポジティブな内容でもあった。パーに終わったものの、90ヤードの2打目がスピンバックでピンに当たるショットとなると、続く13番では64ヤードの2打目がベタピンとなり、さらに14番でも4.5mのパットを沈めて連続バーディーを奪った。「ショットに気づきもあって、最後の2ホールも凄く良いセカンドショットが打てましたし、そういう所で徐々に良くなっていることを実感出来ます」という言葉のとおり、17、18番の内容も良かった。17番は226ヤードからピン左3.5mを捉え、18番では前下がりのライから176ヤードの2打目が、ピン右手前2mについた。
「今日も、体は問題なく回れたので良かったなと思います。まず体力を戻して、練習もたぶんできるようになると思うので、パッティングを中心に練習をしたいなと思います」

 先週に続いて今週も、最終日は笑顔のあるインタビューとなった。首痛による負の連鎖からようやく解放されつつあることが、自然とそうさせているのだろうか。身体が無事なら、何でも出来る。あとは上がっていくだけだ。

通算スコア:+5
順位:29T

松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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