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TOUR REPORT -

AT&Tバイロン・ネルソン選手権

2023.05.17 WED
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AT&Tバイロン・ネルソン選手権

2023.05.17 WED
TOUR REPORT - AT&Tバイロン・ネルソン選手権
TOUR REPORT - AT&Tバイロン・ネルソン選手権

約1カ月ぶりの復帰戦で23位タイ メジャー第2戦へ、手応えを掴んだか

「AT&Tバイロン・ネルソン選手権」で、松山英樹は約1カ月ぶりの実戦復帰を迎えた。この間、松山は日本で首の痛みの快復を図っていた。はっきり口にはしていなかったが。マスターズでも悩まされていたようだ。
「2週間本当に何もせず、その後に練習をしようと思ったら風邪をひいてしまったので、思うような時間を過ごせなかったですけど、しっかり治療した後に練習も少しずつ再開しました。まだ痛みが出ていないので、良かったなと思いますね」
 しかし、大会初日にはまた状態が悪くなり、加えて手首にも問題が発生。松山はホールアウト後、「スタートするときは、どうしようかなと思っていました」と明かしている。
 ただ、そんな状況であっても、「回ってみたら意外に普通に出来ました」と言うのだからわからないものだ。いや普通どころか、かなり良いほうのラウンドだった。10番スタートの前半から、松山はしっかりスコアを稼いでいった。14番で65ヤードの2打目を70cmにつけると、15番では1打目を2.5mに絡めて連続バーディー。さらに17番で4.5mのパットを沈め、18番では93ヤードの3打目が2.5mにつき、再びの連続バーディーも決めた。後半のバーディーは5番のみで、「もったいない感じはありました」というものの、フェアウェイキープ率78.57%、パーオン率94.44%という内容で、ピンチらしいピンチもなくボギーフリー。17位タイの5アンダーは、1人飛び出した首位とは6打差だが、2位とは3打差でしかない。

 2日目は、ドライバーを変えたことが裏目に出て、フェアウェイキープが6ホールに留まったが、それでも初日を超える6バーディーを重ねた。1番で左バンカーから149ヤードの2打目がピン右2mを捉え、早速スコアを伸ばすと、6番では36ヤードの2打目、7番では1打目がともに1mのチャンスにつき、しっかりものにした。後半も、177ヤードの2打目をピン左1.5mにつけた13番など、前半同様に3バーディー。ボギーは、フェアウェイバンカーからの脱出に2打を要した5番と、3パットを喫した15番の2つに留めた。通算9アンダーで、順位は6位タイ。トップとの差も5打と、復帰戦ながら好位置で週末を迎えることになった。心配の種である首痛は、「無理に頑張るのではなく、もういいやと受け入れてやっています」ということだから、大きく悪化はしていないのだろう。

 結果的に、4日間の中で悔いが残るとすれば3日目だ。前半の9ホールは、まだ良かった。ドライバーを以前のモデルに変えたことが奏功したのか、フェアウェイを外したのは1ホールのみ。スコアも1番こそボギーとしたが、2番で4m、3番で6.5mのパットを決めて連続バーディーとし、さらに5番で235ヤードの2打目を2オンさせて、計3つのバーディーを奪った。しかし、後半は一転、フェアウェイを捉えたのは18番だけで、チャンスも目に見えて減少。12番では、1打目を左に曲げ、2打目がフェアウェイに戻すだけとなり、2つ目のボギーも叩いた。首位と6打差の通算10アンダーで、順位は26位タイに降下。松山も、「後半はまったく上手く打てなかったので、そういうところが結果に出ているんじゃないかなと思います。なんでなんですかね?」と、バックナインの内容に首を傾げた。

 最終日も、1番で1打目を左バンカーに入れ、パーオンも逃すなど、3日目の悪い流れのままかのように映った。しかし、それは杞憂だった。とくに前半は、その1番と4番以外の7ホールすべてで5m以内のチャンスを迎え、5番、7番、9番で3つのバーディーを稼いだ。後半9ホールでは、3m弱のパットを最後の一転がりで沈めた11番と、グリーン手前のファーストカットから23ヤードの2打目を、段を超えた先にあるピンに対し、絶妙なアプローチで2mに寄せた14番で、2つのバーディー。ティーショットを右に曲げた16番のピンチも、40ヤードの3打目バンカーショットをピン左1mに強烈なスピンで止めてしのいだ。大混戦のため、通算15アンダーまで伸ばしても順位は23位タイに留まったが、初日同様の5バーディー、ノーボギーは、松山にある程度の手応えを感じさせたことだろう。ホールアウト後のインタビューでは、笑顔が目立っていた。ティーショットの課題も指摘していたが、何より久々の試合を戦い抜けたことは意義深い。
「思ったより体が持ったというのがすごく大きいですし、来週に向けて4日間出来たということが大きいかなと思います。直す所が多すぎてちょっと大変ですけど、この状態でこの順位にいられるということは大きいですし、来週もう少し状態を上げて上位で戦えるようにしたいなと思います」

 その次週はメジャー第2戦、全米プロゴルフ選手権がニューヨーク州のオークヒルカントリークラブで行われる。ここは、松山が初出場した2013年大会の開催地でもある。

通算スコア:-15
順位:23T

松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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