EVENTS

Dec 22,2017. UPDATE

英国公認サイボーグアーティスト「ニール・ハービソン」が日本初パフォーマンス! テクノロジーによる、知覚を生かしたアートワークを体験できる共創イベントを開催。

12.13 Wed 19:00 START

2017年12月13日、14日の2日間、デジタルマガジン「HEAPS」とLEXUSがコラボレーションし「CREATORS EXPERIENCE - INTERSECT BY LEXUS & MEET HEAPS」を開催。スペシャルゲストとして招いたのは、色や音に関する感覚を拡張させ、“英国公認サイボーグ”とも呼ばれるニール・ハービソンさん。「人と社会の未来をイノベーティブにデザインする」をテーマに、その他、多様なクリエイターが参加した共創型イベントを実施しました。1日目はINTERSECT BY LEXUSでの音楽セッションをメインにした「Experience Studio」、2日目は公開取材形式のトークセッション「Public Interview Studio」を行いました。

初日の「Experience Studio」では、HEAPSの姉妹メディア「Be iNSPiRED!」編集長の平山潤さんの進行と、Lexus Internationalの沖野和雄の挨拶でスタート。平山編集長から、今回のゲストであるニールさんを招いた理由を尋ねられた沖野は「色を音として認識するニールさんがどんな世界を見ているのか知りたくて、何か一緒にできないかと考えました。テクノロジーは、人の感覚を拡張させ、さらに人の感性を刺激する。LEXUSはそういうテクノロジーの使い方をしたい」と語りました。

サイボーグアーティストとして活動されているニールさんは、頭蓋骨に自ら埋め込んだアンテナを用いて、色の周波数を捉え、骨伝導を通じて色を音として聞く事で、色から音、音から色の双方を直感的に認識することができるとのこと。「色盲の私は小さい頃から動物の感覚に興味を持っていました。人間が知覚できない色にも興味があって、紫外線などを見たいと思っていました。2003年から、センサーを使って、色の周波数を音として認識できるようになりました」と語りました。ニールさんが「ウェアラブルな機器はありますが、私は自分自身がテクノロジー。色を感知するセンサーと私は一体なのです」と続けると、頭頂部から伸びるアンテナの前にさまざまな色をかざして「これは赤からオレンジに変わる時の音」など、普段聴いている、色を変換して生成した音を披露しました。

ニールさんのプレゼンテーション後に始まった音楽セッションには、ダンスミュージックを主軸としたDJクルー、CLATの5人のメンバーや、人間離れした音を刻むヒューマンビートボクサー、KAIRIさんが参加。ニールさんのパフォーマンスからスタートしたセッションは、エンジン音やウィンカー音といったLEXUSのフラッグシップクーペ「LC500」からサンプリングされた音源を使って繰り広げ会場を盛り上げました。

LC500のボディカラーからお気に入りの5色を選び、その色の周波数でリズムを刻んだニールさん。実際にLEXUSに乗ることでも創作のインスピレーションを得たと語り、「今日はボディカラーを感知して音にしたわけですが、一般的なクルマのカラーはワントーン。一方で、LEXUSのカラーには色々なレイヤーを感じ、ハーモニーとして聴こえる」と続けました。さらに、音を変換して画像として表現することもできるそうで、LC500のエンジン音と一般的なクルマのエンジン音を画像にしたものを比較し、「同じエンジン音でも違って、レクサスのエンジン音は、層が厚くて、画像にすると虹のよう」とも語りました。

2日目の「Public Interview Studio」には、ニールさんに加え、ゲストに東京大学大学院情報学環教授の池上高志さんと、アーティストの和田永さんが登壇。コミュニティデザイナーの青木竜太さんを進行役にトークセッションが繰り広げられました。

池上さんが「今日本科学未来館に展示されている大阪大学の石黒浩教授と作っている『オルタ』というアンドロイドなど、人工的に生命を作る取り組みをしています。」と話すと、和田さんは「音楽と美術の間の領域で活動しています。カセットテープより前の録音機を使ったインスタレーションや、ブラウン管テレビを楽器として演奏するプロジェクトなど、本来的な意味では役目を終えたものを楽器として使っている」と自己紹介。青木さんがニールさんに「センサーを取り付けて世界の見え方が変わったり、感覚器官が変わってきたような感覚は?」と聞くと、「最初は混乱しました。色んな色を読み取って脳が追いつかない期間がありました。だんだん、情報ではなく感覚として受け入れられるようになった」と話しました。

この後、1時間弱に渡って続けられたトークセッションの感想をゲストに尋ねると、和田さんは「将来的にはサイボーグと細胞の見分けがつかなくなるはず。機械と人間の見分けがつかなくなったときに、まさに自分とはなにかという問いかけにつながる」、池上さんは「人間は生まれたときから3次元にいるので、脳が3次元の世界にチューニングされています。それを、4次元や5次元の世界が見えるようにコントロールしてくれるのがセンサーで、神経細胞のネットワークによってぜんぜん違うものが見えてくるはず」と語りました。

トークセッションは、青木さんによる「ニールさんという存在がアートそのものであり、テクノロジーそのもの。そこから新たな問いや思考が生まれて、行動が変わって、多様な時代を作っていく。10年後か100年後、この場でこういう議論が行われたと振り返ることができるイベントとなりました」との言葉で幕を閉じました。

その後、INTERSECT BY LEXUSに移動してアフターパーティーを開催。訪れた人々がINTERSECTの言葉の通りに交わり、濃密な意見が交わされたINTERSECT BY LEXUSは、2日間に渡ったイベントの熱気そのままに、遅くまで多くの人々で賑わいました。


LCについて
https://lexus.jp/models/lc/

LC SOUND DESIGNについて
https://lexus.jp/models/lc/features/sound_design/

ニール・ハービソンオフィシャルサイト
http://www.harbisson.com/

ニール・ハービソンTED Talk
https://www.ted.com/talks/neil_harbisson_i_listen_to_color/up-next?language=ja

HEAPS Magazine
http://heapsmag.com/

MEET HEAPS CONCEPT VIDEO
https://youtu.be/vydmFGbHyiU

ニール・ハービソン/Neil Harbisson
イギリス生まれで、現在はニューヨークで活動するサイボーグアーティストです。色盲として生まれた彼は21才の時にアンテナを頭蓋骨に埋め込み、色の周波数をキャッチし、骨伝導を通じて色を音として聞く事で、色から音、音から色の双方を直感的に認識できるようになり、「感覚の拡張」を身につけました。英国政府によって世界で最初にサイボーグとして認められ、2017年9月にギネスブックに「頭蓋骨にアンテナを埋め込んだ人」として認定されています。2010年にはサイボーグ財団を設立し、サイボーグによる社会活動やアート活動を推進する活動を行なっています。


HEAPS
HEAPSは、「世界を変えるきっかけになるメディア」となることをミッションとしており、世界中で生まれ続けているユニークな取り組みとムーブメントを引き起こしている人物に光を当て、その体験のストーリーを読者に届けるメディアカンパニーです。平均年齢25歳の編集部で構成されており、NYを拠点とするカウンターカルチャーマガジン「HEAPS(2013年創刊)」と、東京発のソーシャル・クリエイティブマガジン「Be inspired!(2015年創刊)」は、起業家・クリエイター・ソーシャルアントレプレナーなど、多くのインフルエンサーから支持されております。また、読者が「見て、確かめて、発信する場」として、HEAPS / Be inspired!で取り上げた取材対象者を招致し、実際に会って確かめてもらうイベントシリーズMEET HEAPSを運営しています。


MEET HEAPS
MEET HEAPSは、2017年9月より、メディアのあり方が問われる中、新しいメディアのあり方として、読者自身が実際に取材対象者に会い、その人物のストーリーを確かめられる機会として生まれました。Experience(再現型体験イベント)、Public Interview Studio(公開取材形式トークイベント)の二部構成を読者との共創によって創り出し、参加者が新しい概念や多様な意見に触れる事でメッセージを発信する機会を提供しています。第一回目は、予約4,000人待ち、フリーランスシェフ、ジョナレイダー(23)を招致し、「Social Dining」と「Public Interview」を開催。約90名コントリビューターから応募、200名のイベント参加者の応募がありました。HEAPSは、これからも世界で起きている多様な出来事や物語を発見し、お届けする事で、世界に触れるきっかけを創り続け、世界を変える存在であり続けたいと考えています。