La Festa

古の文化と新しい場所、
人との出会い。

LEXUS in Design

La Festaとは

La Festaとは

La Festa(ラ・フェスタ)は、年3回開催されるクラシックカーの祭典である。1992 年に、La Festa Mille Miglia(秋)を初開催。その後、Primavera(春)、Dolce Vita(夏)も誕生した。
Mille Migliaとはイタリア語で 1,000 マイル(約 1,600km)を意味するが、この長距離を一気呵成に走りきる競技として 1927年から 1957 年まで開催されたのがオリジナルのMille Miglia。クラッシックカー・ラリーの最高峰であり、イタリア北部の街ブレシアを起点とし、ローマで折り返して再び1,000マイル地点(Mille Miglia)のブレシアで勝利を得る。現在日本で実施されているのはその復刻版で、本家Mille Migliaのお墨付きを得た1997 年からは毎年秋に開催されている。
一方、Primaveraとはイタリア語で“春”の意味。La Festa Primaveraも、文字どおり毎年春に行なわれ、Mille Migliaとともに日本を代表するクラシックカー・ラリー・イベントとして広く認知されている。

ラリーには「一ヵ所に集まる」という意味がある。世界中の競技者が一同に会し、競い合い、再び各地に戻ることから、ラリーという言葉が使われ始めた。技術がまだ発展途上にあった時代に作られたクルマはどれも個性豊かでデザインも印象的なものが多い。それぞれが所有するクラシックカーへの愛、互いのクルマをリスペクトし合う想い、またイベントを通じてクルマと触れ合い笑顔になる観客の皆様の姿に共感し、LEXUS は 2012 年よりLa Festaに協賛をしている。

クラシックカーの定義とは

クラシックカーの定義とは
クラシックカーの定義とは

La Festaの主役といえば、クラシックカーにほかならない。では、クラシックカーとはなにか? 改めて考えてみよう。

La Festaには、主に 1919 年から 1967 年までに製造された車両がエントリーできる。つまり第二次世界大戦を挟んだ時期で、この間に自動車技術は大きく発展した。とりわけ戦前は、大衆車に大量生産されるモデルはあっても、高級車やスポーツカーはそのほとんどが手作りに近い工程で生産されていた。戦後は徐々にその傾向が弱まっていったものの、それでも 1960 年代はまだ手作りされるスポーツカーがギリギリで存在した時代。つまり、多少なりともハンドメイドの要素が残っていた当時に生産された高級車・スポーツカーはおおむねクラシックカーといって間違いないだろう。

手作りが可能だったということは、裏を返せば少量生産の自動車メーカーが生き残る余地のあった時代、ともいえる。それだけに 1960 年代はヨーロッパやアメリカを中心に数え切れないほどの自動車メーカーが百花繚乱していた。La Festaのエントリーリストを見ても、アルヴィス、ライレー、スタンゲリーニ、バンディーニ、チシタリアなどといった個性派ブランドがずらりと並ぶ。これこそクラシックカーの妙味であろう。

こうした車両は製造されてからすでに半世紀を経過しており、元気に走らせようとすれば入念なメンテナンスが必要になる。しかし、当時はまだ自動車技術がプリミティブだっただけに修理や補修はむしろ難しくなく、必要となれば部品を改めて作り直すことさえできる。このような作業を一般にレストアと呼ぶが、手作りされた往年のスポーツカーを現代に甦らせるこうした技術も、クラシックカーを楽しむうえで欠くことのできない要素なのである。

ラリー競技の役割とは

ラリー競技の役割とは
ラリー競技の役割とは

まだ自動車の信頼性があまり高くなかった当時、高速で 1,600km の連続走行をこなすのは至難の技で、このためMille Migliaで完走すればそのクルマが優れた信頼性・耐久性を備えている証明でもあった。さらに、好成績を残したクルマにはMille Migliaで得た栄冠まで重なるのだから、そうしたモデルをこぞって手に入れようとしたスポーツカー・ファンの心理もわかろうというものだ。

第二次世界大戦後は自動車の高性能化が一気に進み、Mille Migliaの平均速度も急上昇。最終的には 150km/h を越すアベレージスピードをマークするようになる。その意味でMille Migliaはハイスピード・ラリーの象徴でもあったのだ。

そして目の前を猛スピードで駆け抜けるマシンに、街々に暮らす人々は熱心に声援を送った。それはスピードに向けられた祝福であり、ドライバーの勇気への賞賛であり、スポーツカーという美しい乗り物に対する驚嘆の声だった。そうやって、クルマを軸として乗る者と見る者を結ぶ役割をラリーは果たしていたのである。

さらにいえば、ラリーはドライバーひとりで戦うものではなく、コドライバーといってドライバーを補佐する役割の選手もマシンに同乗し、ときにはドライビングを交代することもあった。こうしたルールは現代のLa Festaにもそのまま受け継がれている。

半世紀後のスポーツカーのカタチ

さて、そんなLa Festaで、人と自動車の歴史を彩ってきた名車たちに敬意を表し、LEXUSはLCで先導車を務めた。その歴史という側面ではLa Festaを彩るクラシックカーに及ばない LCだが、ことクラフトマンシップについていえば両者にはいくつもの共通点があるだろう。

クラシックカーの定義とは
クラシックカーの定義とは
クラシックカーの定義とは

LCは最新の自動車でありながらも、熟練工の匠にしかできない技の結晶がクルマの随所に光る。例えば、塗装の乱れや映り込んだモノの歪みを一切許さすことなく、徹底的に磨き込まれたボディには、最高の1台へとフィニシングしようとする匠のクルマを愛する真摯な眼差しを感じ取ることができる。それはスポーツカーが手作りされていた往時もかくやと思わせる光景と重なるのではないだろうか。

クラシックカー・ラリーの本質は車の価値を認め合う点

クラシックカーによるラリー・イベントの第一目的は、歴史的な価値の高い自動車をエントラントが持ち寄って、互いに素晴らしさを賞賛して親交を深めるとともに、その走行シーンを観客に披露してクラシックカーの魅力に触れてもらう点にある。多くの場合、タイムラリーといって指定された区間を走行し、その通過時間が主催者から指定された時間にもっとも近い者が栄冠を勝ち取るという競技性も盛り込まれてはいるが、勝敗はあくまでも二の次。

クラシックカーの定義とは
クラシックカーの定義とは
クラシックカーの定義とは

イベントの本質はクラシックカーの価値を認め合う点にあるといえる。技術がまだ発展途上にあった時代に作られたクラシックカーはどれも実に個性豊か。また、同じ理由からデザインも魅惑的で印象的なものが多い。技術的に洗練された最新モデルが次々と登場する一方で、そうしたクラシックカーで参加するラリー・イベントが注目されるのも無理からぬ話だろう。

希少なクラシックカーと“Car Guy”が参加

La Festaの参加車両は多彩だ。例えば2019年のPrimaveraでは、もっとも古い参加車両は 1925 年製のブガッティ T13 ブレシアで、このクルマを筆頭に戦前のモデルが 15 台も集結。戦後モデルも 1950 年代に生産されたものを中心に53台がエントリーしている。もっとも新しい車両は 1972 年製の日産フェアレディ 240Z で、このほかにもトヨタ 2000GT が 2 台、トヨタ・スポーツ 800 が 1 台と合計で 4 台の日本車が出場した。

ドライバーの顔ぶれも華やかだ。堺正章さんは 1967 年製マセラティ・ミストラル、クレイジーケンバンドの横山 剣さんは 1956 年製オースティンヒーレー 100 BN2 を駆って参戦。そのほかにも自動車デザイナーのケン・オクヤマさん、元 F1 ドライバーの鈴木亜久里さんなどが出場してイベントに華を添えた。

クラシックカーの定義とは

こうした自動車を愛する“Car Guy”たちがステアリングを握る希少なクラシックカーが、LCを先頭に列をなし名古屋を出発し、三重、和歌山、大阪、奈良、兵庫、京都を巡るコースの全長はおよそ 1,250km を、風光明媚な景勝地や心安らぐホテルに立ち寄りながらゴールを目指した。途中に設けられたチェックポイントには、たくさんのギャラリーが詰めかけ、歴史と文化薫る美しいクルマたちをファインダーに収める姿が見られた。

本イベントの目的は、クラシックカーを互いに賞賛し合い親交を深めると共に、走行シーンを観客に披露し、その魅力に触れてもらう点にある。多くの場合、タイムラリーといって指定された区間を走行し、その通過時間が主催者から指定された時間にもっとも近い者が栄冠を勝ち取るという競技性も盛り込まれてはいるが、勝敗はあくまでも二の次。

クラシックカー・ラリーは、多くの人々がともに自動車のスタイリングやエンジニアリングの歴史を振り返ると同時に、開発者の人たちの挑戦や当時のライフスタイルに思いを巡らせるもので、それは、わたしたち人類の歩みをも再認識させ、未来のクルマ作りへとつながっていくのである。

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