STORY OF THE ESDESIGN & TAKUMI CRAFTSMANSHIP

官能を刺激するセダン

心を揺さぶる、エモーショナルなセダンを作る。この強い想いが、ES300hの出発点でした。
レクサスはフラッグシップクーペLCの登場から、先見的かつ独創的でエキサイティングなブランドへシフトしました。“挑戦するデザイン”という言葉を掲げ、既成概念を超越する勇気を持ったデザインの実現をめざしています。ES300hのデザインもレクサスの進化を示す必要がありました。今回めざしたのは、セダンとしての居住性を失うことなく、目を奪うような美しいデザインでした。
乗る人はもちろん、街で目にする人にも、高揚感をもたらしたい。しかし、クーペのような低重心で流麗なラインを求めることは、通常では室内空間のゆとりを妥協することでもありました。この二律背反する課題を根本から解決したのが、新開発のGA-Kプラットフォームです。最大の特徴は、ワイド&ローの伸びやかなスタイルを作り出せること。その新プラットフォームを活かして、ホイールベースを長くとり、フロントピラーから流れるようなルーフラインを描くことで、シャープなキャビンでありながら、ゆとりのある室内空間も確保しました。サイドのドア面には、大胆な動きを与え、躍動感を表現。そうすることで、流麗さと抑揚を共存させるデザインに仕上げました。そして、その深みのある魅惑的なデザインを、クレイモデラーの熟練の技で形にしていったのです。

唯一無二を量産化

彫りの深い立体形状やシャープなラインを描いた魅惑的なデザインをクレイモデルで表現しても、量販車として生産できなければ意味がありません。ES300hのデザインには、生産する上で大きな課題がありました。躍動感を表現した抑揚のあるボディは、鈑金で成型する際に、再現すべきレベルがあまりにも高かったのです。「不可能だ」と、デザインそのものを見直すことは簡単でしたが、誰も妥協しませんでした。
このクレイモデルをそのまま量産する。そのために、フロントピラーの位置、ルーフラインの高さ、サイドの抑揚をミリ単位で調整し、図面に落とし込み、成型シミュレーションを重ねていきました。この作業は本当に微妙な違いでしかありません。しかし、そのわずかな違いが不可能を可能に変えたのです。まさに、ブランドが掲げる、“挑戦するデザイン”を実現した瞬間でした。細部に至るまで、妥協を許さない。それがクルマというプロダクトになったとき、大きく違いを生むことを誰もが知っていました。デザイン、設計、生産技術が一体となって作り上げたES300h。このエモーショナルなセダンは、レクサスの新たな可能性を示すことになるでしょう。

磨き上げた走りの切れ味を表現

“F SPORT”の切れ味のある走りをインテリアからも感じさせるために、オーナメントパネルに日本刀のような刃文を表現できないか。この挑戦的な発想から生まれた「本アルミ (刃取調仕上げ / シルバー)」。
“刃取り”とは、日本刀の化粧研ぎ工程における仕上げ作業のこと。その研磨工程と表情豊かで深みのある刃文の意匠が、“F SPORT”の研ぎ澄まされ、かつ奥深い走りのイメージと重なり合い、ひいては匠の技やスピリットを印象づけることができると予感しました。
開発初期では、まず日本刀について理解することから始めました。日本刀の製造現場などにも足を運び、製造工程を念入りに調査。その上で手作業の工程をアルミ加工の工程に置き換えていきました。実際の製品の工程作業では、薄い砥石を細かく回しながら丹念に研磨を繰り返すことで独特の表情を生み出します。長い試作期間を経て、ようやく刀の刃文から感じ取れたような微妙な揺らぎや、角度によって立体的に見える美しさが現れたのです。匠の技とスピリットを宿し、磨き上げた走りの切れ味を表現したオーナメントが、乗る人の心を幾度となく動かすでしょう。