JOURNEY

聖地を駆り五感を揺さぶる富士スピードウェイの旅(後編)

2024.01.31 WED
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聖地を駆り五感を揺さぶる富士スピードウェイの旅(後編)

2024.01.31 WED
聖地を駆り五感を揺さぶる富士スピードウェイの旅(後編)
聖地を駆り五感を揺さぶる富士スピードウェイの旅(後編)

クルマを愛する大人の遊び場、社交場。富士スピードウェイを中心に広がる富士モータースポーツフォレストを舞台に初開催されたTOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS富士・FSW。この旅の魅力を全2回でお届けする。

モータースポーツの“いま”を見る

Lexus Circuit Experienceを終えたゲストたちは、富士スピードウェイのゲートを出てすぐの、富士モータースポーツフォレストウェルカムセンターへと向かった。
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一行を迎えてくれたのは、2019年タイ10時間耐久レースに参戦した86や、2007年ニュルブルクリンク24時間耐久レースで豊田章男会長が「モリゾウ」というドライバーネームで初参戦したアルテッツァだ。

これらのクルマは「モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり」、「世界で戦えるクルマ屋集団をつくる」ために2020年5月に設立した豊田章男会長がオーナーを務めるROOKIE Racingの礎となったエポックメイキングなレース車両だ。
その先には、北米で発売されているピックアップトラックのタンドラハイブリッド(HEV)用モーターとプラグインハイブリッドモデルのNX450h用バッテリーを使用し、2023年1月の東京オートサロンで初公開されたときよりも出力アップが図られた電気自動車(BEV)のAE86 BEV Conceptや、MIRAIの高圧水素タンクを2本搭載した水素エンジン車のAE86 H2 Conceptなど、カーボンニュートラル社会実現に向けて開発された車両が展示されている。

そして、レースを支えるメカニックたちの写真が何枚も飾られたスロープを上がっていくと、ROOKIE Racingのガレージにつながっている。
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そこで目にするのは、今まさに、レースを控えた車両のメンテナンスをしているエンジニアやメカニックたちの生の姿。ここには、レースはドライバーだけで戦うものではないことが明示されている。

屋上デッキに上がると、正面にはちょうど日の入りの頃の富士山が夕日にくっきりと浮かび上がり、すぐ左手にはつい先ほど走ってきたレーシングコースのスープラコーナーを見下ろせる。レース開催日には、ここは絶好の観戦ポイントになるそうだ。
モータースポーツの最先端に触れたゲストが「なんだかちょっと、感動しますね」と、強い風に吹かれながらつぶやいた。

レースを感じ非日常を楽しむ富士スピードウェイホテル

心地のいい疲れを感じる体で、富士スピードウェイに隣接した今夜のホテル、富士スピードウェイホテルに向かう。

エントランスをくぐると、2シーターオープンのモンスターマシン、垂直に吊るされたトヨタ7が出迎える。エキゾチックなその白い車体を左手に見ながら、3階ロビーまで続く長いエスカレーターに乗って上がっていくのだが、その眺めは、富士モータースポーツミュージアムの中に展示された貴重かつ麗しいレーシングカーたち。それらを見るでもなく眺めるという贅沢すぎる演出で、非日常感にわくわくしてしまう。
エスカレーターを降りてふと振り返ると、ベールの向こうで、マツダ787Bが今もなお夜のル・マンを走り続けているかのようにライトを灯して佇んでいる。どうやら、ただ安らぎだけを用意したホテルではないことは、チェックインを前に理解した。

チェックインを終えて部屋に入ると、テーブルの上には今回のツアー参加者のためだけの特別なプレゼントが用意されていた。
包みの中は、LEXUSのスピンドルグリルを象った木製の御猪口だ。
この御猪口を手がけたのは、LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016 静岡代表の百瀬 聡文氏。静岡挽物という1864年から続く静岡の伝統工芸の技法で、木工旋盤・木工轆轤(ろくろ)を用いてひとつひとつ削り出して製作されている。

滑らかな曲線と二つとして同じものはない美しい木目が目を惹き、手に取れば心地のよい肌触りと木のぬくもりが感じられる。

ディナーはメインダイニング「TROFEO イタリアン」。「TROFEO」は、イタリア語で 「トロフィー」という意味を持ち、過酷なレースを走りぬいたドライバー達が勝利の美酒に酔い、歓喜を共有する場所をイメージして名づけられたという。

ホテルの総料理長、石井順さんの指揮のもと展開されるコースは、多彩な地のもの、季節のものを中心に据え、香り華やぐフルーツをアクセントにした魅力的な皿が続く。リゾートホテルらしいリラクシングな雰囲気の中で、本格的なイタリアンが楽しめる。
子供たちを養うため、忙しく働くことになったお母様と一緒に遊びたくて、石井少年は料理をすることを覚えた。
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「原動力は人を喜ばせたいという想い」という石井さん。トロフィーの名を冠したレストランで振る舞われる彼の料理は、日々を駆け抜け疲れた身体に喜びと癒しを与えてくれる。
ディナーの席はいやが上にも昼間のLexus Circuit Experienceの話題で盛り上がる。ホームストレートで時速何kmまで出せたか、といった話から、それぞれが愛車の中で感じたことをお互いに共有し合う幸せな時間だ。
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「富士スピードウェイのレーシングコースが走れるということに惹かれて参加を決めたんですが、実際来てみたら、レーシングコースよりもモビリタでの特設コースがおもしろかったですね」

「とはいえやっぱりレーシングコースは感慨深かったですよ」

「さっきここのバーでグランツーリスモをプレイしてきたんですけど、ええ、もちろん富士スピードウェイを選んでね。さっそく今日のトレーニングが活きましたよ。たぶん僕のベストラップを出せたと思います」

 初対面のメンバーとは思えないほど、打ち解け合ってテーブルを囲み、笑い声が尽きない夜だった。

メーカーの垣根を越えモータースポーツ文化を伝える

翌朝、すっかりリフレッシュしたゲストたちは、富士モータースポーツミュージアムの見学へ。昨夜はエスカレーターから眺めただけだったが、今朝はモータースポーツヒストリーアドバイザーによる詳しい解説付きでしっかりと展示を見ていく。
1~15までのゾーンを通じ、130年前のモータースポーツの始まりから、モータースポーツという競争の中で磨かれた技術の発展が、珠玉のレーシングカーたちと共に語られる。
レーシングカーの展示でうれしいのは、車体の周囲360°から間近に見ることができること。足回りはもちろん、後ろからしゃがみ込んで排気系を覗くこともできる。
豊田喜一郎のレース参戦への想いを受けこの世に送り出した、幻のレーシングカー「トヨペット・レーサー」の復元車両も展示される
豊田喜一郎のレース参戦への想いを受け、1951年愛知トヨタの協力を得て、この世に送り出した、幻のレーシングカー「トヨペット・レーサー」の復元車両も展示される
ル・マン展示コーナーでは、昨夜目が合った787Bの左後方からTS020が前方を狙っていた。そして車両に近づけば、戦うために研ぎ澄まされたレーシングサウンドが響き、臨場感あふれるレースの世界に没入することができる。
この富士モータースポーツミュージアム創設メンバーであるトヨタ自動車 社会貢献推進部稲冨克彦主幹は、「モータースポーツは、人間の本能を、呼び起こすものでもあると思います」という。
「競争の原理において、人間の繁栄があると考えると、モータースポーツは、フェアに競い、戦える大切な場です。戦うためには人の成長が必要で、人が成長するためにはレースという切磋琢磨できる場が必要なんだと思います」

そして、「クルマは自分の拡張機能ですから、運転する楽しさを残し、伝えていきたいと思っています」と、力強く語った。
 モータースポーツの130年の歴史を楽しみながら体験し尽くし、3階のテラスショップ&カフェに出る。テラスからは、レーシングコースを見渡す壮大なパノラマが広がり、レーシングサウンドが響いてくる。モータースポーツの歴史は、たしかにここにつながり息づいていると、誰にともなくうなずいていた。

天候にも恵まれた山中湖へのドライブ

富士スピードウェイホテルを発ち、山中湖小山線を走って明神峠を抜け山中湖を目指す。ゲストたちが駆るLEXUSは、昨日のサーキット走行の経験ゆえか、軽やかにワインディングを縫っていく。
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山中湖パノラマ台からの、富士の裾野に山中湖の湖面が光る景色に息をのみ、そのまま駆け降りて湖畔を走れば、あっという間に長池親水公園だ。
雄大な富士山に抱かれ、水鳥が遊ぶ湖面を眺めながら、遠く沖縄から参加されたというご夫婦が、「じつは飛行機も電車も遅れて大変だったんですけど、最高の旅でした」とおっしゃった。クルマ好きのご主人がサーキット走行に惹かれて申し込んだそうで、奥様は「連れてこられただけ」と笑っている。

「LC500で参加したんですけどね、大変運動性能の高いクルマで、大変無茶ができて楽しかったです」とご主人がいたずらっぽく笑う。「無理しないでと抑えるのが大変」と苦笑いした奥様が、「でもエンジン音がすごくよかったね、あのクルマ。あの音はちょっと聞けないよね」と、ご主人の顔を覗き込んだ。

クルマに興味ないという奥様が、5LV8エンジンの咆哮にうっとりしたと聞いて驚いていると、ご主人が「今朝も早くからホテルの窓からサーキットをずっと見ていたんですよ」と、ホテルでの奥様の様子を教えてくれた。

早朝の低い日差しの中、ワインディングロードを駆け上がって来るかのようなセクター3を一望できるサーキットビューの部屋で、レース車両を見つめる妻を眺めるクルマ好きの夫。たしかに、最高としかいいようがない。
クルマの楽しさを味わいつくした旅も、ここでお開き。さあここからは、富士五湖を巡るもよし、富士スバルラインを登るもよし、箱根を駆けるもよし、それぞれの愛車に乗り込み、Start Your Engines !

<関連リンク>
聖地を駆り五感を揺さぶる富士スピードウェイの旅(前編)
スコット・プルーエット氏を講師に迎えた特別なドライビングレッスン
富士24時間レースで走るLEXUSのクルマ
トヨタイムズ|連載 幻のレースカーを復元せよ!

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