森の中を探求しながら、感動を
アートインスタレーション「Kehai(気配)の森」が、INTERSECT BY LEXUS – TOKYOで開催されている。
手掛けたのは、コンセプトカーをはじめとする先行開発を担うLEXUSのデザイナー陣で、グループマネージャーの加藤舞、空間デザインを学んだ中田里桜、スウェーデンでテキスタイルを専攻したドイツ出身のビビアナ・ホーヘンスタイン、韓国出身でアメリカに籍を置くセリーン・リーからなる4人だ。
手掛けたのは、コンセプトカーをはじめとする先行開発を担うLEXUSのデザイナー陣で、グループマネージャーの加藤舞、空間デザインを学んだ中田里桜、スウェーデンでテキスタイルを専攻したドイツ出身のビビアナ・ホーヘンスタイン、韓国出身でアメリカに籍を置くセリーン・リーからなる4人だ。
なぜ彼女たちは、目に見えず、日本的で茫洋(ぼうよう)とした「気配」をテーマに選んだのだろうか。
加藤は「五感でLEXUSの魅力を感じていただくエキシビションにしたかった」といい、こう続けた。
「LEXUSの魅力のひとつには、ある意味言葉にしづらいような、あいまいなものが価値としてあります。それを表す具体的な言葉を探して、“気配”にたどり着きました。実際のところチームメンバーのビビアナやセリーンにとってこの言葉を理解するのは簡単ではなかったようですが、LEXUSのヒストリーの中に確かに存在するエッセンスを感じ取ることで、共有することができました」
加藤は「五感でLEXUSの魅力を感じていただくエキシビションにしたかった」といい、こう続けた。
「LEXUSの魅力のひとつには、ある意味言葉にしづらいような、あいまいなものが価値としてあります。それを表す具体的な言葉を探して、“気配”にたどり着きました。実際のところチームメンバーのビビアナやセリーンにとってこの言葉を理解するのは簡単ではなかったようですが、LEXUSのヒストリーの中に確かに存在するエッセンスを感じ取ることで、共有することができました」
「Kehai(気配)の森」は、「Allure(魅惑)」、「Mesmerizing(魅了)」、「Imaginative(思索)」、「Ephemeral(刹那)」からなる4つのアートピースで構成される。
それぞれのオブジェクトが生み出す光と影は、時とともにうつろい、はかなく消える切なさを内包しながらも、穏やかであたたかな森として私たちを包む。
それぞれのオブジェクトが生み出す光と影は、時とともにうつろい、はかなく消える切なさを内包しながらも、穏やかであたたかな森として私たちを包む。
訪れる人によって変わる表情
全体のエントランスとして「Kehai(気配)の森」へといざなう「Allure(魅惑)」は、空から降る落ち葉をモチーフとしている。
オブジェクトのパーツは曲面を描かせることで、訪れる人によるゆるやかに空気の流れの変化により、自然と回転しながら、光をまとい、きらめく。見上げれば、暗い空から深々と雪が降ってくるようにも感じられる。
「車のエクステリアをデザインする際に、いかに光を反射させ、エモーショナルな形を作り出すかということはとても重要です。陽光が当たったときの反射、ハイライトの入り方、そういったものを感じていただけたら」と、セリーンは語った。
網目のようなテクスチャを複雑に組み合わせたパーツは、樹脂による3Dプリントでの工芸的な価値を目指す社外のチームとの協業によるもの。レクサスのクラフツマンシップをデジタルにより次世代につなげていく取り組みだ。
「Mesmerizing(魅了)」は、透き通った3つの円形のオブジェクトに透過させることで光を美しく歪ませ、水と水面の流動性が表現されている。
網目のようなテクスチャを複雑に組み合わせたパーツは、樹脂による3Dプリントでの工芸的な価値を目指す社外のチームとの協業によるもの。レクサスのクラフツマンシップをデジタルにより次世代につなげていく取り組みだ。
「Mesmerizing(魅了)」は、透き通った3つの円形のオブジェクトに透過させることで光を美しく歪ませ、水と水面の流動性が表現されている。
さざ波を立てる湖面をそのまま切り出してきたかのような3つのオブジェクトのひとつはゆっくりと回転し、背後のテキスタイルに投影される水面の輝きに動きを与えている。
「茶褐色に見えるテキスタイルには銅が、白いものにはステンレスが織り込まれています。それぞれ素材も違えば、透過率も違うので、正面からだけでなく、光が映るテキスタイルの裏側からも見ていただくと、また違った景色と感覚を得られると思います」
このように話すビビアナに促されて奥に回り、テキスタイル越しのゆらめく光を浴びると、宮沢賢治が童話『やまなし』で描いた、川の淵の底から太陽を仰ぎ見るような世界が広がっていた。
このように話すビビアナに促されて奥に回り、テキスタイル越しのゆらめく光を浴びると、宮沢賢治が童話『やまなし』で描いた、川の淵の底から太陽を仰ぎ見るような世界が広がっていた。
離れて見ると樹木の幹のようでもあり、名工が挽いた経木のようでもあるこのテキスタイルは、見る角度によって、おもしろいように表情を変える。
クルマの金属というと、エクステリアの硬質なものを思い浮かべるが、やわらかな金属に包まれる感覚というのも心地よいのでは、と考えたという。
また、金属を織り込んだテキスタイルには導電性があるので、将来的にはタッチパネルのようなインターフェイスとして機能を持たせることもできると、その可能性を示唆した。
「Imaginative(思索)」は、不規則なドレープが施された錐状のオブジェクトに、レンズを通しして色づけた光を照射し、回転させている。
クルマの金属というと、エクステリアの硬質なものを思い浮かべるが、やわらかな金属に包まれる感覚というのも心地よいのでは、と考えたという。
また、金属を織り込んだテキスタイルには導電性があるので、将来的にはタッチパネルのようなインターフェイスとして機能を持たせることもできると、その可能性を示唆した。
「Imaginative(思索)」は、不規則なドレープが施された錐状のオブジェクトに、レンズを通しして色づけた光を照射し、回転させている。
「オーロラや山が季節や時間によってダイナミックに表情を変える様子を、各オブジェクトのパターンやドレープの深さなどを変えることで表現しました」と、中田はいう。
空に浮かぶランタンのような小さなオブジェクトが織りなす、広大な自然のドラマに浸ってから床面を覗き込むと、そこには青の洞窟のような神秘的な輝きが浮遊している。
それはまた、とてつもなく長い時間をかけてオーロラの輝きを凝縮した青メノウ原石の断面のようでもある。
加藤が「じつはこのアートピースには、スピンドルが忍ばせてあるんです」と、こっそり教えてくれた。さて、隠れスピンドルがどこにあるのかは、ぜひ会場で確かめていただきたい。
「Ephemeral(刹那)」は、「映し出される光と陰で、そのときにしか現れない木漏れ日のざわめきのようなものを表現した」と加藤はいう。
加藤が「じつはこのアートピースには、スピンドルが忍ばせてあるんです」と、こっそり教えてくれた。さて、隠れスピンドルがどこにあるのかは、ぜひ会場で確かめていただきたい。
「Ephemeral(刹那)」は、「映し出される光と陰で、そのときにしか現れない木漏れ日のざわめきのようなものを表現した」と加藤はいう。
ふたつ並んだユニークないびつさを持ったオブジェクトは香炉のようにも見え、ゆらゆらと香しい陰影を立ち昇らせる。それらが据えられた光る台座の裾には、障子越しの風車のような、ノスタルジーをまとったかすかな影が映る。風の「気配」だ。
実際に、このオブジェクトの回転は、プログラムされたものではなく、風の力で作り出しているそうだ。それを加藤は、「風の可視化」と呼ぶ。
実際に、このオブジェクトの回転は、プログラムされたものではなく、風の力で作り出しているそうだ。それを加藤は、「風の可視化」と呼ぶ。
「このオブジェクト自体が、風を当てると回るような形状になっています。クルマの室内でも、風の流れを感じることができたらどんな気持ちよさがあるだろう、という先行開発的なアプローチでもあります」と加藤は話す。
“Kehai(気配)の森”で五感を刺激する体験
五感をデザインするインスタレーション「Kehai(気配)の森」には、INTERSECT BY LEXUS – TOKYOならではの、味覚に訴えるアートピースも用意されている。
それが、オリジナルドリンク「Kehai(気配)の森」だ。
それが、オリジナルドリンク「Kehai(気配)の森」だ。
ウォッカとサクランボのリキュールをソーダアップし、ラズベリーの食感が楽しいアルコールドリンクにはカカオビネガーが、高知産グレープフルーツを使用したノンアルコールドリンクには、カカオの種子を包むふわふわとした白い果肉「カカオパルプ」が隠し味として加えられ、どちらにも違った形でカカオの「気配」が仕込まれている。
そして、ドリンクが提供されるテーブルとグラスもまた、「Kehai(気配)の森」のために作られたスペシャルなもの。これらのドリンクが供されるその刹那、グラスにふわっと光が灯るサプライズが仕掛けられているのだ。
種明かしをすると、これはLEXUS UXに搭載されるLED照明付きエアコンレジスターの風向調節ノブが光るのと同じ、共振式ワイヤレス給電技術が用いられている。
LEXUS UXの磁界共振式ワイヤレス給電技術を開発した豊田合成株式会社の協力をいただき、テーブルに仕込んだ装置のLEDが光る仕組みになっている。
その輝きを手の中に包み、唇に触れさせることができるのは、ここだけの特別な体験だ。
そして、ドリンクが提供されるテーブルとグラスもまた、「Kehai(気配)の森」のために作られたスペシャルなもの。これらのドリンクが供されるその刹那、グラスにふわっと光が灯るサプライズが仕掛けられているのだ。
種明かしをすると、これはLEXUS UXに搭載されるLED照明付きエアコンレジスターの風向調節ノブが光るのと同じ、共振式ワイヤレス給電技術が用いられている。
LEXUS UXの磁界共振式ワイヤレス給電技術を開発した豊田合成株式会社の協力をいただき、テーブルに仕込んだ装置のLEDが光る仕組みになっている。
その輝きを手の中に包み、唇に触れさせることができるのは、ここだけの特別な体験だ。
期間限定で都心に現れた、小さく深い森の中で心遊ばせるとき、あなたの中にはどんな世界が広がるだろうか。LEXUSのエッセンスで五感を刺激する体験を、ぜひ味わっていただきたい。
■INTERSECT BY LEXUS - TOKYO
住所:東京都港区南青山4-21-26
TEL:03-6447-1540
https://lexus.jp/brand/intersect/tokyo/
<関連リンク>
・「海藻」や「紅茶キノコ」がクルマの一部に!CMFXデザインって何?
https://toyotatimes.jp/series/design/005.html
・LEXUSのデザイナーが目指す、あくなき多様性の追求
https://lexus.jp/magazine/20230317/1555/car_interview.html
住所:東京都港区南青山4-21-26
TEL:03-6447-1540
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https://toyotatimes.jp/series/design/005.html
・LEXUSのデザイナーが目指す、あくなき多様性の追求
https://lexus.jp/magazine/20230317/1555/car_interview.html