JOURNEY

LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第2回)

2022.07.12 TUE
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LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第2回)

2022.07.12 TUE
LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第2回)
LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第2回)

TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS ――それは「地域とともに未来へつなぐ」をテーマに「地域の皆様とともにその土地の魅力を再発見し、美しい自然や文化を次の時代へつなげていく」ためのスペシャルな体験に出合う旅。松本屋久島に続き今回プロデュースしたのは、「九州を世界に発信する」という目標を掲げる、日本が世界に誇るクルーズトレイン「ななつ星in九州」で5日間をかけて九州全土を周遊する旅。LEXUSに乗ってのドライビングエクスペリエンスも含む、クルーズの模様を3回に分けてお届けする。第2回では、世界が注目する2人のシェフによるスペシャルなコラボレーションディナーと、霧島の大自然を独り占めする非日常的なステイ体験をレポートする。
第1回はこちら

Text by Shigekazu Ohno(lefthands)
Photographs by Ken Takayanagi

料理を通じて豊穣の大地 九州の魅力を伝える二人のシェフたち

「“日本の魅力”に心で“触れる”」をコンセプトに、LEXUSらしい体験価値の提供を通じ、お客様の感性を刺激し、心豊かな時間を過ごしていただきたいとの想いを込めて提案する旅「TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS」、豊かな自然・食・文化・歴史に彩られた九州7県のそれぞれの魅力、地元の人々の輝く笑顔と温もりをつなぎながら、これまでにない極上の列車旅を提供するクルーズトレイン「ななつ星in九州」。

このLEXUSとななつ星の「地域の皆様とともにその土地の魅力を再発見し、美しい自然や文化を次の時代へつなげていく」という共通する想いとともに、クルーズトレイン「ななつ星in九州」で九州全土を周遊しながら、南の大地の美しい自然や豊かな文化に触れる5日間の旅をお届けする。

第1回でリポートした下駄づくりの体験イベントをゲストたちが楽しんでいた頃、由布院の別の場所では、こちらも熱いシーンが繰り広げられていた。駅前からほど近い地元のフランス料理レストランを仕込み会場として借り受け、大勢のスタッフたちを指揮しながら料理の準備にあたっていたのは、この夜のディナーを担当する「フロリレージュ」(東京)の川手寛康シェフと「ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ」(福岡)の福山剛シェフ。LEXUSがオフィシャルパートナーを務め、その日その時だけのプレミアムな野外レストランを現出させることによって、新しい日本の楽しみ方を提供する「DINING OUT」。そこで腕を振るってきた二人の名シェフに、九州の恵みを活かした特別な料理でゲストの感性を刺激していただこうと、今回特別に協力をお願いしたのだ。
「フロリレージュ」の川手寛康シェフ(左)と「ラ メゾン ドゥ ラ  ナチュール ゴウ」の福山剛シェフ(右)
「フロリレージュ」の川手寛康シェフ(左)と「ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ」の福山剛シェフ(右)
片や東京、片や福岡を拠点とする二人が、コラボレーションでつくるななつ星のスペシャルディナー。それは一体どんなものになるのか? 準備に忙しい合間を縫って、インタビューに答えてもらった。

――まず、お二人の出会いとこれまでの関係性、そしてそれぞれの料理についてお聞かせください

川手「剛さんと初めて出会ったのは、2016年に『アジアのベストレストラン50』で『注目のレストラン賞』を日本のレストランとして初めていただいたときのこと。以来、ずっと仲良くしていただいて、お互いに店を訪ね合ったりしているだけでなく、これまでも何度かコラボレーションしているんです。剛さんは、僕たち世代のシェフたちのボスというか(笑)、兄さん的な存在です。

その料理は変幻自在で、スタイルに固着しないでガラリと変えるんです。つまり勉強して、つくりたくなった料理が出てくるたびに、新たに挑戦をしているんですね。料理の世界で、失敗を恐れずに“ゼロイチ”ができる人というのはそうそういませんから、そういう点でも尊敬できますね」

福山「川手シェフは有名なイケメンシェフですから(笑)、今さら語ることもないかと思いますが、とにかく料理がすごいですね。すごく深く考えられていて複雑なんだけれども、食べたらすっと入ってくるおいしさで、いつも刺激をもらいます。僕は地元の福岡でしか働いたことがないから、彼とコラボレーションすることではいつもいろんな“目から鱗”の勉強をさせてもらっていますね」
ななつ星のダイニングカーに設置されたキッチンで、料理の仕上げに取りかかる川手寛康シェフと福山剛シェフ
ななつ星のダイニングカーに設置されたキッチンで、料理の仕上げに取りかかる川手寛康シェフと福山剛シェフ
――そんなリスペクトし合うお二人が、今回どんなふうにコラボレーションメニューをつくりあげたのでしょうか?

福山「僕は今回の旅の舞台である九州の代表ということで、九州の食材のおいしさをお伝えすることを何よりのテーマにしました。あとは季節感とか量感とかもありますが、特別な体験を求めて参加されるお客様にどう喜んでいただけるか、二人の良さを活かすバランスに注意しましたね」

川手「お互いに『これを出したい』という得意分野があるので、そこを尊重し合いながら、いいバランス感を見出していくと。もうツーカーの間柄なので、やりやすかったですね。それと食材でいうと、由布院ではすごくおいしい野菜が手に入るんです。産地からすぐに届けられる野菜のおいしさをどう活かすかにも注力しました」

――普段LEXUSに乗られていて、今回「ななつ星」で旅をするお客様に対して、どのようなことを意識されたのでしょうか?

川手「普通のおいしいフランス料理といったものは、もうよくご存じの方たちでしょうから、奇をてらうことなく『初めて見るもの』『初めて食べる味』というものにいろんな角度から挑戦した部分はあります。九州のおいしい食材に触れてもらうための体験としてのディナーですね。

例えば僕は、キャビアにとんぶりを混ぜた料理をつくります。『畑のキャビア』を本当に発酵させて、本物のキャビアと合わせたものです。

それから『時間軸の料理』というものにも挑戦していて、熊本産のトウモロコシをまだ小さいヤングコーンから、大きく実ったものまで、それぞれ違った調理を施して混ぜ合わせています」
福岡ヤングコーン/タコス Florilege
高島トマト/フォアグラ Goh
肥後メロン/石鯛セビーチェ Goh
アンディーブ/畑と海のキャビア Florilege
玄海キジハタ/グリーンロースト Goh
熊本阿蘇王フィレ/新玉葱 Florilege
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福山「僕はガスパチョとかセビーチェとか、爽やかなグリーンの香りのあるスペイン的な料理も用意しています。そう、意外性の部分でも喜んでいただきたくて、なかなか複雑かつ皿数の多いコースになっています。今まさに仕込み中ですが、いやあ、大変ですね(笑)。列車の中ではオペレーションも大変です。メニューでいえば、二人でつくるカレーは珍しいですよ。これは今回のななつ星でしか食べられません」

川手「剛さんのカレーはタイ風。佐賀の竹崎蟹を使ったもので、絶品です。僕のはいわゆる欧風カレー。親父が洋食屋なので、その味を受け継いだ、自称「二代目カレー」を。同じ一皿で二人がつくるカレーを載せた『合いがけ2色カレー』をシメに出しますので、楽しみにしていてください」
AIGAKE/2色カレー  欧風二代目カレー Florilege  スパイシークラブカレー Goh
AIGAKE/2色カレー  欧風二代目カレー Florilege  スパイシークラブカレー Goh
福山「LEXUSというブランドもそうですが、クルマだけカッコいいというのではありませんよね。地域の魅力を掘り下げて、それを未来へと手渡すために、こういうTOUCH JAPAN JOURNEYのような取り組みをしているという、その精神の部分にも深く共感しています。僕らも、僕らだからこそつくれる料理のなかで、お客様の感性を刺激したいし、九州の魅力を次の世代に伝えるお手伝いができたらなと思っています」

川手「今回のコラボレーションを通じて、九州がいかに畑と山と海という産地と距離が近いのかに驚いています。普段、東京で料理をしているからこそ、うらやましく感じたことでした。今回のお客様たちに、我々の料理を通じて少しでも九州を好きになってもらえたらうれしいですね」
ななつ星のダイニングカー「木星」とラウンジカー「ブルームーン」にて、スペシャルなコラボレーションディナーを堪能
ななつ星のダイニングカー「木星」とラウンジカー「ブルームーン」にて、スペシャルなコラボレーションディナーを堪能
二人のシェフたちの技と、想いと、エキサイティングな化学反応から生まれたスペシャルなディナーは、かくしてこの夜、「ななつ星」の瀟洒なダイニングカー「木星」とラウンジカー「ブルームーン」にてゲストたちに提供された。料理に合わせてソムリエが勧める、選び抜かれたワインとのペアリングで楽しむ食事は、まさにこの時、この場所だけのもの。参加者たちは夜がふけるまで、「料理の形に昇華した九州の豊かな恵み」を存分に堪能した。

森と山と空に抱かれた桃源郷へ

今回の旅の白眉となったのが、ななつ星のDXスイートに泊まるゲストが3日目の宿をとった、南きりしま温泉の「天空の森」である。険しい山道を抜けた末に辿り着く高原のリゾートは、敷地面積およそ18万坪。目に入るのは森と山と空だけ――そんな桃源郷のような環境を未来に残すために、オーナーは長い時間をかけ、眼路の限りに見える土地を順に手に入れては手をかけ、そこにあるべき景観を守り育ててきたのだという。
東京ドーム13個におよぶ広大な敷地に、温泉付きヴィラがわずか5棟。山並みと森の木々が織りなす絶景が360度広がる
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霧島連山を遠く見晴らす、その名の通り天空の森にあるのは、わずか5棟のヴィラのみ。つまりどのヴィラを利用するにせよ、見渡す限りの景観はすべて自分たちだけのものとなるのだ。

人間性回復のための“何もない場所”へ

この唯一無二のリゾートの創業者にしてオーナーが田島健夫氏だ。どんな想いで「天空の森」をつくったのか、そして今回の旅で何を感じてほしいと考えるのかを聞いた。
「天空の森」オーナーの田島健夫氏
「天空の森」オーナーの田島健夫氏
――大自然の中に、ただ身を置くというぜいたく。そんな体験ができる稀有なリゾートは、どのようにして生まれたのでしょうか?

田島「私は自分の取り組んでいることを“人間性回復産業”と呼んでいるのですが、そのための“何もない場所”として考えたのがここ、天空の森なんです。ここだけで充足した、泊まるお客様のためだけの世界。天空の無人島のようなイメージですから、他人の目など気にする必要は一切ありません。だからドレスコードは裸だと、常々言っているんです(笑)。

ここにいる間は、あなたの肌に触れるものは柔らかなタオル生地と、爽やかなそよ風と、一緒に過ごす愛する人だけ。そんなカタルシスのような体験をしてもらいたくて、この宿をつくったんです」
敷地内で最も広いヴィラ「天空」。山頂付近にあり、まるで大空に浮かぶ無人島のよう
ガラス張りで開放感あふれる「天空」のリビング棟。
ウッドデッキに設えられた露天風呂からは雄大な景色を楽しめる
夕日が最も美しく差し込むようにつくられたヴィラ「茜さす丘」
「茜さす丘」の露天風呂からは、霧島連山を一望できる
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――そんな他のどこにもないようなコンセプトを持つ天空の森では、食事を楽しみにいらっしゃるお客様も多いと聞きました。

田島「 霧島という土地の魅力ですが、ここだけの独特の味というものがあるんですね。世界中のおいしいものを食べ歩いてきたというお客様に、ただ『これもおいしいですよ』というものをお出ししても意味がないと思っているんです。この土地ならではの味に出合ってもらうことを大切にしています」
段々畑では30種類以上の野菜が栽培されている
敷地内を流れる天降川(あもりがわ)の支流。川縁でコンサートが開催されることも
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田島「例えば畑で育てている野菜ですが、うちでは森の落ち葉を拾い集めて、腐葉土にしたものを肥料として使っています。木の葉は土地特有の栄養分を吸い上げて落ち、それをまた吸って……という循環を繰り返しているわけですから、土地の個性が味としてだんだんと凝縮されていきます。それが他のどこに行っても食べられない、この土地だけの味になるわけです。同じように、ここで飼っている鶏や、森の恵みで育った鹿や猪というのも、この土地だけの味というわけです。自分の知っている味との違いを感じ、楽しんでいただけたらうれしいですね。

――今回はLEXUSオーナーをお迎えするにあたり、どんな体験をしてもらいたいと考えましたか?

田島「部屋に着いたら、まずは露天風呂に入って、ほっと一息ついていただきたいですね。大自然に360度囲まれている感じは本当に心安らぐもので、お母さんのお腹の中にいるような守られた感じがあります。ふと気づくと『あれ、いつのまに日が沈んで星が昇ったのだろう?』となるくらいに、時の経つのを忘れてゆっくり過ごしていただきたい。地球が宇宙をドリフトしているのを感じるような、もっともっと遠くの大きな動きに想いを馳せていただきたい。大きな流れの中にある自分を再発見して、もっとピュアでロマンティックな存在になることが、“人間性回復”につながるのではないでしょうか」
ヴィラ「茜さす丘」のベッドルーム棟
田島氏が自ら手がけた石壁の部屋では食事やバータイムを楽しむことができる
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――天空の森の今後の展望についてお聞かせください

田島「鹿児島の地方創生に貢献できるような場所へと育てていきたい。そこで大事になってくるのがお土産ですが、この地で穫れたものを新聞紙で包んで手渡せるようにしたい。それこそが本物の宝だと思うんです。地元の人たちが、自分たちの暮らしのために穫ってきたようなものを集めて、お客様にお裾分けとしてお渡しできるような、“鹿児島の宝のショーウィンドウ”のような場所にできたらいいですね。

例えば最近、イカのエンペラだけでつくった最高においしい塩辛を甑島(こしきしま)で見つけたんです。なんとかお土産にできないかと話してきたのですが、イカ10杯分くらいないと一瓶の量にならないと言われて、なおさら欲しくなりました。

そういったものを少しずつでも集めてきて、ご覧に入れられるようにしたい。キラキラした派手なものはないけれど、燻し銀のような本物ばかり。それをこれから一つずつ集めていくという楽しみがあります。LEXUSさん同様、私たちも『地域とともに未来へつなぐ』ということを進めていきたいですね」

情熱的な語り口と、澄んだ輝く目を持つ田島氏。ポジティブなエネルギーを発するその存在こそが、九州の宝といえるのではないだろうか。

こうして、気鋭のシェフ2人によるスペシャルなコラボレーションディナーや、非日常的なステイ体験を楽しんだゲストたち。ななつ星の旅はいよいよ佳境を迎える。

第3回に続く(第1回はこちら、第3回はこちら

フロリレージュ
https://www.aoyama-florilege.jp/

ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ
http://gohfukuoka.com/

天空の森
https://tenku-jp.com/

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ご回答いただきありがとうございました。

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