JOURNEY

LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第1回)

2022.07.08 FRI
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LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第1回)

2022.07.08 FRI
LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第1回)
LEXUSとななつ星が紡ぐ、南の大地 九州の魅力に出合う旅へ(第1回)

TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS ――それは「地域とともに未来へつなぐ」をテーマに「地域の皆様とともにその土地の魅力を再発見し、美しい自然や文化を次の時代へつなげていく」ためのスペシャルな体験に出合う旅。松本屋久島に続き今回プロデュースしたのは、「九州を世界に発信する」という目標を掲げる、日本が世界に誇るクルーズトレイン「ななつ星in九州」で5日間をかけて九州全土を周遊する旅。LEXUSに乗ってのドライビングエクスペリエンスも含む、クルーズの模様を3回に分けてお届けする。第1回は、LEXUS車を生産するトヨタ自動車九州 宮田工場、出発前夜祭、大分県日田市の名産として知られる下駄づくりの体験の模様をレポートする。

Text by Shigekazu Ohno(lefthands)
Photographs by Ken Takayanagi & JR KYUSHU

自然と歴史と文化、そして人の魅力に満ちた九州の旅へ

「“日本の魅力”に心で“触れる”」をコンセプトに、LEXUSらしい体験価値の提供を通じ、お客様の感性を刺激し、心豊かな時間を過ごしていただきたいとの想いを込めて提案する旅「TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS」、豊かな自然・食・文化・歴史に彩られた九州7県のそれぞれの魅力、地元の人々の輝く笑顔と温もりをつなぎながら、これまでにない極上の列車旅を提供するクルーズトレイン「ななつ星in九州」。

このLEXUSとななつ星の「地域の皆様とともにその土地の魅力を再発見し、美しい自然や文化を次の時代へつなげていく」という共通する想いとともに、クルーズトレイン「ななつ星in九州」で九州全土を周遊しながら、南の大地の美しい自然や豊かな文化に触れる5日間の旅をお届けする。

九州――それは神話の世界では海幸彦、山幸彦に生を与えた豊穣の大地であるとともに、島国日本の多様な自然をぎゅっと凝縮させたような、地理・気候的にも貴重なショーケースともいえる。

海辺では天高くそびえるヤシの木が南風にそよぎ、山間部では冬ともなれば雪が降り積もる。活火山である阿蘇山や桜島はたびたび激しい噴火を起こしながらも、他方では実り多き土地を育み、あちこちに湧き出る温泉によって人々に癒しを与えてきた。

歴史を振り返れば、すぐ目と鼻の先の距離にある中国大陸から仏教の伝来とともに伝わった新しい文化に、他のどの地域より早く感化を受けてきた。それをさらに土地の伝統文化と融合させ、豊かにして多様性に富んだ風土を育んできたという側面も受け継がれている。
ゲストが4日目に訪れた日本を代表する大名庭園「仙巌園」から桜島を望む
ゲストが4日目に訪れた日本を代表する大名庭園「仙巌園」から桜島を望む
九州は今なお、国内はいうまでもなく世界中からの観光客を引きつける日本有数の観光地となっているのには、数え上げればきりがないような、こうした理由があるからだ。

そんな九州に、2013年に加わった素晴らしいコンテンツがある。日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州」だ。その名の通り、旅がまだ特別な階級のものだった時代を彷彿させる、豪華にしてどこか懐かしさを感じさせる7両編成の列車に乗り、九州の7つの県を巡り、「自然」「食」「温泉」「歴史文化」「パワースポット」「人情」「列車」という7つの観光素材を堪能するという「ななつ星」。運行がスタートして以来、日本人だけでなく、海外からのツーリストをも魅了する存在として、その名を轟かせている。
日本初のクルーズトレインとして2013年10月に運行が開始されたななつ星
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「地域との出会いが、あなたの心を動かす。あなたの感性が、その地をさらに輝かせる。日本中にそんな『豊かな巡り』を作りたい」──これはLEXUSがTOUCH JAPAN JOURNEYに込めた想いだ。

一方、「新たな人生にめぐり逢う、旅」をテーマに、豊かな自然・食・文化・歴史に彩られた九州の魅力を、心からのおもてなしとともにお届けするために走り始めたななつ星には、「九州7県それぞれの輝き、そして地元の人々の輝く笑顔と温もりをつなぎながら、これまでにない極上の列車旅でゲストをもてなしたい」という想いが込められている。

そんな共通する想いを持つ両者により今回特別に企画されたのが、LEXUSオーナー様限定の旅「TOUCH JAPAN JOURNEY――ななつ星 in 九州 with LEXUS」である。5月30日(月)〜6月3日(金)の5日間の旅程の様子を、ここから一緒に辿っていこう。

九州を舞台とする体験/食/宿/ドライブを通して知的好奇心と五感を刺激する列車旅の魅力を伝えるとともに、そこに携わる人々の想いも伝えられたらと思う。

LEXUS宮田工場で匠たちのクラフトマンシップに触れる

今回の旅では、TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUSならではの目的地が最初に用意された。LEXUS車を生産するトヨタ自動車九州 宮田工場である。LEXUSオーナーであるゲストに、匠によるLEXUSのクルマづくりに触れていただきたいという想いからだ。組み立て工場と塗装工場を見学しながら言葉を交わし合う間に、当初のはにかみはあっという間に消え、説明に当たるクルマづくりの匠たちを相手に、一緒に熱い質問を投げかけたりと、どんどんと交流が育まれた。

なかでも、非常に精微な色のグラデーションを識別したり、車体の目にも見えないような凹凸を手で触れて識別する体験では、感覚を研ぎ澄ました匠たちの技を前に、「LEXUSはここまでこだわってつくられていたのか」と、誰もが驚嘆の声を上げ、賛嘆した。
真剣な表情で組立工場を見学するゲスト。スタッフに熱心に質問を投げかけている姿が印象的だった
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ゲストがことさら興味深げに聞き入っていたのが、インテリアの匠がミシンによる精緻なステッチ技能習得のために、まずは利き手でない手で「折り紙を折る」適性検査をするという話。参加した方々には、LEXUSが最先端技術のみならず、実はここで働く匠たちの卓越したクラフトマンシップによってつくられていることを実感していただけたのではないだろうか。

その夜は、福岡に戻っての前夜祭。パリで1つ星 を獲得した吉武広樹シェフの店「Restaurant Sola」で、参加者たちは九州の旬の食材を使った洗練されたフランス料理とワインとのペアリングに舌鼓を打った。他にもサプライズのライブペイントや、ずらりと並べられたLEXUS車越しに眺めるベイエリアの美しい夜景など、きっと旅の幕開けにふさわしい特別な時間を楽しんでいただけたことだろう。
九州の週な食材を活かしたモダンなフランス料理が提供された
厨房で腕を振るう「Restaurant Sola」の吉武広樹シェフ
サプライズで行われたアーティストさとうたけし氏によるライブペイント
ゲストはLEXUS車越しにベイエリアの夜景を楽しんだ
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いよいよ、ななつ星が出発

旅の2日目は、JR博多駅内にある専用ラウンジ「金星」でのレセプションを経て、いよいよ憧れのななつ星に乗車。出発の合図を告げる鐘の音に、乗客たちの胸も高鳴る。
11時14分に博多駅を出発したななつ星。行き先は「新たな人生」
ホームで見送る人々へ満面の笑みで手を振るななつ星のクルーたち
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ゆっくりとホームを出た列車は、まもなくにぎやかな市街地を抜け、やがて緑深い筑紫山地を縫うように走っていく。線路の上に覆い被さろうとするかのような密生した木々のトンネルと、押し迫ってくるような急峻な山の懐に開けられたいくつもの本物のトンネルが、次々と目の前に現れては過ぎ去っていく。普段は楽しめないようなめくるめく眺めを、ゲストたちは各々の客室で楽しんだに違いない。

驚いたことに、途中、福岡県うきは市の究真館高校や山春保育所の子どもたちが横断幕までかざしながら、列車に手を振ってくれる。なかには「ななつ星が通るときは、必ず見にくる」と話す熱心な少年も。
博多駅を出発してほどなくすると、車窓から密生した木々のトンネルと山々の絶景を楽しむことができる
由布院駅で出会った少年は、1歳のときからななつ星が到着すると必ず手を振って迎えていると、笑顔で話してくれた
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聞けば、ななつ星は主に遠方からのゲストを乗せながらも、地元九州とのつながりを何よりも大切にし、普段から沿線上の住人たちとのさまざまな交流の機会を設けているという。それもあっての、「九州にななつ星あり」という誇りが、彼らをしてあの笑顔で手を振るという行動へとつながっているのだろう。ななつ星の車窓からは、自然豊かな美しい景色だけでなく、そこに暮らす人々の笑顔にも出会えるという、うれしくも新しい発見であった。

クラフトマンシップの神髄に触れる下駄づくり体験

下駄の三大産地のひとつである日田では、天保(1830〜1844年)の時代より下駄づくりの伝統が受け継がれている
下駄の三大産地のひとつである日田では、天保(1830〜1844年)の時代より下駄づくりの伝統が受け継がれている
さて、しばらくして列車が滑り込んだのは、大分県の由布院駅である。ここでツアーの参加者たちは、駅に隣接する由布院ツーリストインフォメーションセンターにて、一風変わった体験イベントに参加することに。天保の時代より、大分県日田市の名産として知られる下駄づくりを体験しようというのだ。
本野はきもの工業3代目の本野雅幸氏
本野はきもの工業3代目の本野雅幸氏
教えてくれるのは、日田市に工房を構える本野(もとの)はきもの工業の3代目、本野雅幸氏。2016年にはLEXUS NEW TAKUMI PROJECTに参加した経験を持つ若き匠だ。

体験イベントは、まずは座学から始まった。北部九州を横断して由布院まで向かってくる途中、我々は日田の深い森を抜けてきたわけだが、彼の地で下駄づくりが盛んになった背景には、その素材となる上質な日田杉が育つ豊かな山と清らかな水があったという。
ゲストはお気に入りの鼻緒と木台を選び、匠から丁寧な説明を受けながら下駄づくりを楽しんだ
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「日田には、今年の10月からの新ルートとしてななつ星が来てくれるようになったんです。着物や浴衣というと敷居が高いかもしれませんが、下駄はカジュアルスタイルにも合わせて履いていただけるものなので、ぜひ今日ご自分でつくられる一足を皮切りに、普段から愛用していただけるとうれしいですね」

そんな挨拶をしてくれた本野氏。古くから林業が盛んだった日田にあって、下駄は建築材の端材からつくられていたので、エコロジーの観点からも注目してほしいと話す。「せっかく切り出した杉材を無駄にしないというだけでなく、伐採から製材、加工まですべての工程が同じ日田市内で行われているので、輸送にかかるウッドマイレージがないという点でも、サステナビリティをリードしてきたといえるのではないでしょうか」

そういわれてみると、まさにその通りと、うなずくゲストたち。しかも、無垢の木目をそのまま活かした下駄を裸足で履く心地良さは、健康的にも望ましいのだという。
現代のライフスタイルに自然に溶け込む下駄づくりを目指していると語る本野氏
現代のライフスタイルに自然に溶け込む下駄づくりを目指していると語る本野氏
「履いたときに、足の指をぐっと握ることで、実はすべてのスポーツにも通じる踏ん張りの力がつくんです。地元の一部の子ども園では、子どもたちに下駄を履かせる健康法も根付いているんです」と本野氏。しかも、そうしたメリットの訴求に加え、本野はきもの工業では新たな層を取り込むために、例えば人気のアウトドアブランド「スノーピーク」やセレクトショップ「ビームス」とコラボレーションしたり、ミュール下駄をつくってみたりと、新しい生活スタイルにマッチするような商品の研究開発にも余念がない。

「本業はもちろん、受け継いできた伝統的な下駄づくりですが、僕自身も今を生きる3代目として、やはりもっと多くの人たちに興味を持ってもらえるための商品づくりというものには、積極的に取り組んでいきたいと考えています。それに、今“突飛な取り組み”といわれることでも、100年続けばひょっとして下駄づくりの新たなメインストリームになっているかもしれないですしね。

そんな意味でも、今回、日本が世界に誇る2つのブランドであるLEXUSとななつ星とコラボレーションさせていただけたことを、何よりありがたく思っています。日本のものづくりの品質の高さというものに、工芸品とは違う分野ではありますが触れさせていただいて、大いに刺激を受けました」
自ら完成させたばかりの下駄を履いて由布院散策を楽しんだゲストも
自ら完成させたばかりの下駄を履いて由布院散策を楽しんだゲストも
そう語る本野氏の丁寧な指導のもと、ゲストたちは各々で木台から鼻緒の布地までの素材を選んでつくってきたオリジナル下駄をついに完成。「家の中でスリッパ代わりに履こうかな」「苦労してつくったから、もう愛着が湧いています。このまま履いて帰っていいですか?」といった喜びのコメントが、あちらこちらで聞かれた。

「最近は、ご年配の方でも『初めて履いた』とおっしゃる方が増えてきています。でも、裸足で日田杉にじかに触れる気持ち良さに、皆さん驚くとともにとても喜ばれるんです。日田下駄は『浮(う)づくり』という、あえて木目を浮き上がらせた仕上げが特徴で、見た目に美しいだけでなく、木目による立体的な表面が履いたときの涼しさにもつながっているんですね。本当に、長年続く伝統工芸には無駄なものがなく、一方ではよく考えられ、進化させてきたディテールがあって、つくる側としても興味が尽きません。せっかく地元の日田に長く続く下駄づくりを次世代に手渡すためにも、そして多様な地場産業によって九州を盛り立てていくためにも、こうした体験イベントを通じて一人でも多くの方に知ってもらえたらうれしいですね」
「周囲を山に囲まれていて、豊かな自然と共生できるのが日田の魅力です」
「周囲を山に囲まれていて、豊かな自然と共生できるのが日田の魅力です」
今回の製作体験のために本野氏が用意してくれた木台には、LEXUSとななつ星のロゴの焼き印でダブルネームとして入れられているという凝りよう。うれしそうに写真を撮るゲストも多かった。
そのようにして、前半2日間だけでもさまざまな文化体験に触れたゲストたち。ななつ星はまだまだ、未知なる九州の魅了を再発見するべく、旅を続けていく――。

第2回に続く(第2回はこちら、第3回はこちら

・本野はきもの工業
http://motono-hakimono.com/

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