JOURNEY

非日常の時間を堪能できる、
日比谷花壇が手がけたグランピングサイト

2021.06.07 MON
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非日常の時間を堪能できる、
日比谷花壇が手がけたグランピングサイト

2021.06.07 MON
非日常の時間を堪能できる、日比谷花壇が手がけたグランピングサイト
非日常の時間を堪能できる、日比谷花壇が手がけたグランピングサイト

遠方まで出かけなくても、日常から切り離されるという旅の醍醐味を味わうことができる。特別な日のギフトやウェディング事業で知られる日比谷花壇が手がけたグランピングサイトは、新しい旅のあり方を提案する。
※こちらは、2020年10月8日に訪れました
※緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の解除後の外出をお願いします

Text by Takeshi Sato
Photographs by Etsuko Murakami

特別な日を演出してきた経験を活用する

パノラマデッキに立って山並みを望むと、都心からわずか1時間半の場所であることを忘れそうになる──。

中央道相模湖インターから約10分。かつては藤野町と呼ばれた山深い一角に、日比谷花壇が手がけたグランピング施設、日比谷花壇の“STAY”「里楽巣FUJINO(リラックスふじの)」は位置する。
都心からわずか1時間半ほどで360度自然に囲まれた環境を満喫できる
都心からわずか1時間半ほどで360度自然に囲まれた環境を満喫できる
日比谷花壇が宿泊施設を手がけていることを意外だと感じる方も多いかもしれない。同社によれば、記念日の特別なギフトや結婚式などの特別な時間や空間の演出を中心に手がけてきた経験を活かし、日々の暮らしを彩り、豊かにするサポートしていくための新たな事業として2020年8月にこの施設を立ち上げたという。

800平方メートルという広大な敷地に建った2棟のグランピング施設を配置した空間の使い方はぜいたくそのもので、山々に囲まれたロケーションも含めて特別な時間が過ごせそうな予感がする。2棟は、RURI(108平方メートル)とECRU(112平方メートル)と名付けられ、前者が和風のインテリア、後者がフロアにラグを敷いた洋風の設えとなっている。

いずれも28平方メートルのゆったりとしたドーム型テントを備え、パノラマデッキからは藤野の山々を一望できる。日比谷花壇が運営する施設らしく、至るところに観葉植物や生花が飾られ、ボタニカルな雰囲気に満ちている。施設内には、静かに、穏やかな時間が流れていく。
フローリングでシックにインテリアをまとめたECRU
こちらはRURI 。和風テイストで、ナチュラルな空間に仕上がっている
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藤野という土地に根ざした運営スタイル

この施設の特徴は、地域に根ざした運営を行っていることだ。藤野は、もともと芸術家やクリエイターが移り住み、独自のコミュニティを形成している土地として知られる。このコミュニティと連携して、この土地でしか体験できない時間の過ごし方を提案しているのだ。

たとえば食事用の大きなガーデンテーブルは、藤野に工房を構え、日本人の暮らしに寄り添うオリジナルデザインの家具を製作する「ふじのリビングアートBC工房」のものだ。また、食材に用いられる野菜は、藤野産の無農薬有機野菜がメイン。スタッフが身につけるユニフォームも、藤野のNPO法人「てくてく」が手がけるアートプロジェクト「アトリエタンポポ」で作られたものだ。
地元に工房を構える「BC工房」が作った一枚板のダイニングテーブル
藤野のNPO法人「てくてく」がデザインしたスタッフユニフォーム
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ここでは、それぞれ好みのスタイルでステイを楽しむことができる。まず、目の前の森で今生まれたばかりのフレッシュな空気を吸いながら何も考えずに山並みを見ていると、自然と一体になったような気分になる。

パノラマデッキで仕事をするのもいい。仕事をしながら視線を上げると山が見渡せるロケーションは、以前に取材で訪れたスイスの高級時計メーカーの工房を彷彿とさせる。その工房も、目を上げるとアルプスの山々が見えるレイアウトになっており、なんでも「目が疲れた時に山を見ると疲れが癒やされ、仕事の効率が上がる」という話を聞いたことを思い出した。

また、有料で各種アクティビティも用意されている。たとえばヨガのインストラクターを呼んでヨガ体験もできるそうで、このシチュエーションなら身も心も解れそうだ。

大人数ならバーベキューが楽しい

2020年のオープンにあたっては、新型コロナウイルスの影響を懸念したという。けれどもふたを開けてみれば、連日満室の大盛況。2棟の距離は離れており、それぞれのプライベートなスペースで、家族や気心の知れた仲間と過ごすことができる点が支持されているのだ。

RURIとECRUはそれぞれ最大で6名まで宿泊可能で、家族連れ、カップル、女子旅、そしてツーリングや釣り、ゴルフといった趣味仲間など、幅広い層が利用しているとのこと。

宿泊料金には和洋を選べる夕食と朝食が含まれるが、オプションでバーベキューを楽しむことも可能だ。和風のRURIにはバーベキューグリルが、洋風のECRUには大谷石で組んだ窯が備わり、特に大人数で利用する際には盛り上がること間違いないだろう。
大谷石でできた立派な窯で本格的バーベキューを楽しむ
大谷石でできた立派な窯で本格的バーベキューを楽しむ
人里離れた大自然でいただく味は格別だ
人里離れた大自然でいただく味は格別だ
日頃の生活圏から遠く離れた場所へ行くことは、旅の醍醐味だ。一方で、気負わずに出かけられる近場でリフレッシュするのは、これからの時代に合った新しいスタイルだと言えるだろう。

土曜日にゆっくりと出かけて、日曜日も都心へ戻る渋滞が始まる前に帰路につく。そんな楽しみ方ができるグランピングサイトだ。



■日比谷花壇の“STAY”「里楽巣FUJINO(リラックスふじの)」

神奈川県相模原市緑区牧野4611-1
https://hibiya-stay.com/relax/

1室2名:4万2000円〜(ハイシーズンの金・土・日・祝日6万円〜)
3名以降大人1名:2万1000円〜(ハイシーズンの金・土・日・祝日3万円〜)
子ども(小学生以下):半額(宿泊費+夕朝食付)
3歳以下:無料(食事なし)

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