JOURNEY

大自然に抱かれたフィンランド式サウナを
楽しめるゲストハウス

2021.04.23 FRI
JOURNEY

大自然に抱かれたフィンランド式サウナを
楽しめるゲストハウス

2021.04.23 FRI
大自然に抱かれたフィンランド式サウナを楽しめるゲストハウス
大自然に抱かれたフィンランド式サウナを楽しめるゲストハウス

数年前からサウナを舞台にした漫画やドラマが登場し、空前のサウナブームが続いている。「サウナー」と呼ばれる愛好家たちが憧れる、北信州にある湖畔の森の中にできたフィンランド式サウナ「The Sauna」を目指して、レクサス「RX300 F Sport」を走らせた。
※こちらは、2020年7月29日に訪れました
※まん延防止等重点措置の解除後の外出をお願いします

Edit & Text by Tamako Naoe (lefthands)
Photographs by Isamu Ito (lefthands)

北信五岳に囲まれる野尻湖

東京から車で3時間半ほど走って辿り着くのは、長野県北部に位置する野尻湖。新潟県へと続く妙高戸隠連山国立公園の、北信五岳と呼ばれる妙高山、斑尾山、黒姫山 、戸隠山、飯縄山の麓にある湖で、ナウマン象が発掘された場所としても有名だ。高速を降りて10分程度という好アクセスもあり、自然を感じる週末ドライブの目的地として最適なエリアのひとつに数えられる。
紅葉が美しい野尻湖と黒姫山 ©︎LAMP
紅葉が美しい野尻湖と黒姫山 ©︎LAMP
野尻湖畔にある「ゲストハウス LAMP」は「365日 遊びの拠点」と「大自然の入り口」をコンセプトとし、自然に抱かれての「遊ぶ、食べる、ととのう、泊まる」をかなえてくれる。
ゲストハウス LAMP 外観
ゲストハウス LAMP 外観
フィンランド式サウナ「The Sauna」

全国のサウナーが憧れるフィンランド式サウナ「The Sauna」は「ゲストハウス LAMP」に併設されている。フィンランド式サウナとは、サウナストーンに水をかけて、その熱い水蒸気を浴びるスタイルを指す。

「The Sauna」は手作りのログハウスで、周囲の森に溶け込む野趣あふれる外観を持つ。すぐ脇を流れる小川から水を引いた水風呂も、景色になじんでいる。ログハウスの中には無煙薪ストーブがあり、熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」によって、室内の温度を好みに合わせて調整できる。サウナで温まった体を冷やすのは、湧き水を使った水風呂か、目の前に広がる大きな湖だ。冬は雪の中にダイブすることもでき、子どもに戻ったように楽しむ人の姿も。外気浴と森林浴を同時にかなえることができ、鳥や虫の声、森を抜ける風の音に耳を傾け、夜は満天の星を眺めて過ごす。オプションで焚き火セットもあるので、ゆっくりと炎を眺め、リラックスしてもいい。

毎日の仕事の疲れを癒すにも、またデジタルデトックスをするにも最高のシチュエーションだ。
「The Sauna Yksi(ユクシ)」 ©︎LAMP
「The Sauna Yksi(ユクシ)」 ©︎LAMP
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「The Sauna」ができるまで

この大自然に囲まれたサウナを建てたのが、サウナビルダーの野田クラクションべべー氏。東京出身の彼が森の中にサウナを建てることになった経緯を聞いた。

彼は、大学4年生の時からインターンをしていたWeb制作会社「LIG」に卒業と同時に入社。インターンの頃から無茶な企画を担当していた続きで、日本一周をすることになったという。四国を巡っている時には、お遍路として歩くことに。4日間もお風呂に入れなかった夏の日に、温浴施設の水風呂に入る機会に恵まれ、天にも昇る心地を体験する。それが、サウナにハマったきっかけだった。無事に日本一周企画を終了させた後、東京でもサウナに通い、思いを募らせるうちに、とうとう自らサウナをつくるという企画を社長に提案。LIGが運営している「ゲストハウスLAMP」敷地内に「The Sauna」を建てることになった。
自身がプロデュースしたオリジナルサウナハットとTシャツでインタビューを受ける野田クラクションべべー氏
「フィンランド式サウナにした理由は、たくさんあるスタイルの中で個人的にロウリュが好きで、どうしてもやりたかったから。日本ではドライ式サウナが多いけれど、フィンランド式の湿度が高いサウナなら、苦手な人にも好きになってもらえるはずだと思ったんです」

自分達で木を積み上げ、手作りのログハウスに薪ストーブを入れた「The Sauna」がオープンしたのは、2019年2月のこと。

「The Sauna」がある野尻湖畔は、他の場所ではあり得ない抜群の環境の良さが特徴。湖がすぐ近くにあって、森の中を渡ってくる風や水辺の景色がフィンランドに似ている。冬は雪が降るところもいい。最近、フィンランドサウナ協会の会長本人から「素晴らしい!」というメールが届いたそうだ。そのメールには「ロウリュ」について詳しい資料が添付されており、改善すべき点を学んでいるという。
雪解け水が地中から湧き出し流れる川から、掛け流しとなっている水風呂
雪解け水が地中から湧き出し流れる川から、掛け流しとなっている水風呂
外気浴するスペースでは森林浴も楽しめる。天気の良い夜は満天の星を眺めながら ©︎LAMP
「The Sauna」は四季を通じて楽しめるが、野田クラクションべべー氏が一番お薦めする季節は春から夏にかけて。サウナから出て、湖にプカプカと浮かぶ気持ち良さは格別だという。豪雪地域なので、冬は数メートルも積もる真っ白な雪にダイブしてもいい。一年を通じて温度がさほど変わらない湧き水が流れる川から引いた水風呂は、サウナーの中でも「水風呂マニア」からの人気が高い。まずは気になる季節から始めて、四季折々のサウナ体験を楽しんでみたくなる。
山に囲まれ、澄んだ水が美しい野尻湖にダイブする開放感
山に囲まれ、澄んだ水が美しい野尻湖にダイブする開放感
「サウナでととのう」前後のさまざまな楽しみ方

サウナでととのった後のお楽しみは「ゲストハウス LAMP」での食事だろう。ゲストハウスの支配人兼料理人のマメ氏が作る料理がおいしいので、宿泊客やアウトドアスクール参加者、サウナ利用者のみならず、近隣の別荘滞在者や地元民などで、1階のレストランやテラスはいつも賑わっている。
LAMPのレストランにも薪ストーブがある ©︎LAMP
LAMP支配人兼料理人のマメ氏。信濃町に移住してきてから健康的で楽しい毎日を過ごしている
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ランチタイムには大きな特製バーガー、ディナータイムには地元の食材を使ったオリジナルメニューが人気。野尻湖近辺ではハンバーガーが食べられるところがなかったというところから、料理人であるマメ氏が地元食材も活かしたバーガーを開発した。ボリューミーなパティに合わせたさまざまな具材やソースから選ぶのに悩んでしまうほど。

野田氏のお薦めディナーメニューは、スパイスが効いたラムチョップと旬の食材で作られる季節のピザ。おいしい西洋野菜が揃う信濃町の新鮮野菜を使ったサラダや焼き野菜も格別だ。クラフトビールや自家製の果実酒も数多く揃えてあり、食事に合わせたお薦めドリンクも楽しめる。
分厚いパティとたっぷりの具が特徴のバーガー。ルバーブソースなど珍しい味も魅力
分厚いパティとたっぷりの具が特徴のバーガー。ルバーブソースなど珍しい味も魅力
ディナーにはがっつりとした肉料理やピザ、地元産の野菜を使った料理が楽しめる
ディナーにはがっつりとした肉料理やピザ、地元産の野菜を使った料理が楽しめる
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「ゲストハウス LAMP」の2階には、和室からファミリールーム、貸切できるドミトリー(最大8名)まであり、1人でも、家族と一緒でも、友人グループでも宿泊できる。
それぞれ趣が違う個室仕様の和室とファミリールーム ©︎LAMP
それぞれ趣が違う個室仕様の和室とファミリールーム ©︎LAMP
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「ゲストハウス LAMP」には、日本で初めてレジャーカヌースクールを開校したアウトドアスクール「サンデープラニング」もあり、カヌーやカヤック、ラフティングやSUPなど水上スポーツだけでなく、スノーシーズンはクロスカントリースキーやスノーシューハイキングなどが楽しめる。アウトドアスポーツだけでなく、春は山菜採りツアーと山菜づくしディナー、秋はキノコ狩りツアーとキノコづくしディナーも開催し、週末のツアーはキャンセル待ちの人気を誇っている。アウトドアで全身を使った後のサウナは至福の体験になる。
カヤックやSUP、スノーシューでのハイキングなど、気軽に参加できる ©︎LAMP
カヤックやSUP、スノーシューでのハイキングなど、気軽に参加できる ©︎LAMP
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2つ目のサウナ完成

2020年9月、2棟目のサウナ「The Sauna Kaksi(カクシ)」が本格オープンした。こちらもフィンランド式を踏襲した2階建ての混浴サウナ(水着着用)で、貸し切りの利用も可能だ。屋根裏に仲間たちと集まり、語り合うような雰囲気を楽しめる。貸し切りは2時間単位で予約できるが、「The Sauna Kaksi」では2021年6月1日より、9〜11時という回が設けられ、予約のチャンスが広がる。
右が1棟目の「The Sauna Yksi(ユクシ)」、左奥は工事中の「The Sauna Kaksi(カクシ)」。
右が1棟目の「The Sauna Yksi(ユクシ)」、左奥は工事中の「The Sauna Kaksi(カクシ)」。
完成した2棟目のログハウスサウナ「The Sauna Kaksi」 ©︎LAMP
完成した2棟目のログハウスサウナ「The Sauna Kaksi」 ©︎LAMP
「The Sauna」を、信濃町のブランディングのひとつとしていきたいという大きな目標を持ち、「いつの日かたくさんのフィンランド人に来てもらって褒めてもらいたい」と、野田クラクションべべー氏は笑顔で語る。

そんな彼がお薦めする野尻湖からのドライビングコースは笹ヶ峰高原。車で30分くらいの距離で、白樺の林を散策したり、渓流釣りをしたり、落葉樹の森が広がる山の景色を眺めるだけでもいい。森の中を走り抜けるのは爽快な気分だという。
レクサス「RX300 F Sport」で森の中を気持ちよく走り抜ける
レクサス「RX300 F Sport」で森の中を気持ちよく走り抜ける
日常生活から離れ、大自然を近くに感じる広い空と山々に囲まれた湖へ。コロナ禍が収束した暁には週末、フィンランド式サウナを満喫しに、野尻湖までドライブしてみてはいかがだろう。


ゲストハウス LAMP / The Sauna
https://lamp-guesthouse.com

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