JOURNEY

会員制グランピング施設「東京クラシックキャンプ」
が愛される理由

2021.04.19 MON
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会員制グランピング施設「東京クラシックキャンプ」
が愛される理由

2021.04.19 MON
会員制グランピング施設「東京クラシックキャンプ」が愛される理由
会員制グランピング施設「東京クラシックキャンプ」が愛される理由

「東京クラシックキャンプ」は、日本で初めての会員制グランピング施設だ。アウトドアのプロが、遊び心ある大人たちにキャンプの本当の楽しみを体験してほしいと、あらゆるノウハウを駆使して作り上げた。「優雅なひと時を過ごすための大人の秘密基地」として2018年にオープンして以来、会員にこよなく愛される所以をリポートする。
※こちらは、2020年11月16日に訪れました
※まん延防止等重点措置の解除後の外出をお願いします

Edit & Text by Mari Maeda (lefthands)
Photographs by Takao Ohta

広大な森林にたたずむグランピング施設

深い森林に溶け込むようにしてたたずむ「東京クラシックキャンプ」のクラブハウス。総合受付も兼ねている
深い森林に溶け込むようにしてたたずむ「東京クラシックキャンプ」のクラブハウス。総合受付も兼ねている
都心から車を走らせてわずか1時間。地図に印された小道を入ると、積み上げられた薪と木の看板が、目的地に辿り着いたことを教えてくれる。さらに少し車を走らせると、樹々の間に現れるモダンな建物。「東京クラシックキャンプ」の総合受付を担う、「森のクラブハウス」だ。早速建物の前に車を停めて降りると、辺り一面に漂う清々しさに包まれて、自然の中にある喜びが湧き上がる。敷地の隣には、馬舎が見える。木漏れ日の中、いかにもよく手入れされた美しい馬の姿が見え隠れし、優雅な、穏やかな光景にしばし心を奪われた。
敷地の隣には「東京クラシッククラブ」の馬舎があり、優雅な馬の姿に心が和む
敷地の隣には「東京クラシッククラブ」の馬舎があり、優雅な馬の姿に心が和む
総合受付のクラブハウス内。昼はランチを楽しみ、夜はお酒を嗜むことができる
総合受付のクラブハウス内。昼はランチを楽しみ、夜はお酒を嗜むことができる
建物から女性スタッフが現れて、満面の笑みを湛え出迎えてくれた。気取りのない温かな様子が、この場所の居心地の良さを物語るようだった。施設に関する丁寧な説明を受けた後、彼女の誘導でその日泊まるキャビンへ。ありがたいことに、ここでは車でキャビンへと直接移動し、そのまま脇に停めておくことができる。

広大な敷地には、宿泊施設が程よい距離感を保ちながら景色に溶け込むように所在している。どれも1棟貸し切りで、緩やかなプライバシーが確保されている。今回案内されたのは、「Beacon」と呼ばれる敷地内で2番目の広さがあるキャビン。聞くところによると、木造キャビンは全て、地元の大工たちが渾身の力を込めて作り上げてくれたのだそうだ。
木造キャビンの「Beacon」。この他それぞれ趣の異なるキャビンが5つ点在する
木造キャビンの「Beacon」。この他それぞれ趣の異なるキャビンが5つ点在する

快適で心地よいキャビンとテント

趣のある木の扉を開けて中に入ると、そこはまるで「小さな森の家」を訪れたかのよう。室内には、滞在に必要なものが十分に備わっていて、ここがキャンピング施設であることを忘れてしまう。冷暖房が完備され、シャワールームにはタオル類も置かれている。リビングルームには暖炉があり、2つの寝室のしつらえは素朴なカントリー調。ふと、懐かしい記憶が蘇る。リビングルームから外のテラスに出ると、アウトドアのキッチンとダイニングルーム、そして、猫足のバスタブが。多くの人は、滞在中のほとんどの時間をこのテラスで、木々の葉が擦れ合う音や、小鳥の声を聞きながら、肌をくすぐる風を感じて過ごすことだろう。
落ち着いた色調で木の温もりが心地よいキャビン室内。全宿泊施設に暖炉があり、冬の滞在に嬉しい
バスタブはロンドンから取り寄せたもの。森の中で湯に浸かる気持ちよさはこの上ない
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もしも、よりアウトドアのキャンピング感覚を味わいたい場合には、常設テントでの滞在も可能だ。まるで秘密基地のようなテントの中には絨毯が敷き詰められ、2台のダブルベッドとテーブル、椅子が置かれている。居住機能を高めたキャビンとはまた違った趣でありながら、洗面台やバスタブ、トイレ、さらには暖炉も各テントに備え付けられていて、テント内とは思えない快適さだ。
快適に過ごせるテントは、アウトドアの本場であるスウェーデンやベルギーから取り寄せたという
敷地内には仲間同士、家族同士で集える場所が。ここでは大勢でBBQパーティが楽しめる
子どものための遊具も置かれていて、小さな子ども連れの家族にも好評だ
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日中は、広大な敷地内を散策したい。樹々から放たれる香りを吸い込み、森林浴に癒やされながら、あちらこちらにちりばめられたさりげない演出にも心が和む。自家菜園やプール、子どもたちが遊べる遊具などもある。希望すればオプションで、乗馬クラブで馬に乗ることもできるし、ゴルフ会員のメンバー同伴であれば、隣接する国内有数のゴルフクラブ「東京クラシッククラブ」でコースを楽しむこともできる。日中のアクティビティには事欠かないが、敷地内のハンモックに揺られながら、静かに本をめくって過ごすのもいいだろう。
夏になるとプライベート感覚で過ごせるプールも開かれる
緑に抱かれるクラブハウスの優雅なテラス
敷地内にはさりげなく洒落た演出が。ハンモックは自由に使えて本を読んだり昼寝をしたり
静寂の中、ベンチに座り、時を忘れて森林浴を楽しむことも
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夕食の楽しみ

さて、キャンピングの醍醐味の一つが、火を自ら熾(おこ)して皆で作る夕食だ。「東京クラシックキャンプ」では、好みの食材を自由に持ち込むことができる一方で(飲食ともに持ち込み料は不要)、施設側が用意している6種類のメイン料理から好みのものを選び、全ての食材を宿泊施設まで届けてもらうこともできる。
定番のバーベキューから丸ごとチキンのダッチオーブン料理、特製香辛スープ鍋など、どれも絶妙にスパイスが効いた深みのあるおいしさ。この日はバーベキューを選んだが、肉に加えて野菜もサラダも手間がかからないようにカットされていて、数種類のドレッシングやソースが小瓶に詰められ運ばれてきた。キッチンにはグラスもカトラリーも十分に用意されていて、至れり尽くせり。つまり、ここでは大きな荷物を持ち込む必要がなく、手ぶらで訪れることさえできるのだ。
たっぷりの食材が綺麗に詰められた重箱をテーブルに広げると、歓声が上がる。地元の野菜をはじめ、食材は新鮮そのもの
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備えの炭をくべて火を熾す体験は楽しい。手順が書かれた説明書が置かれているので、初めての人でもチャレンジできる。もちろん、不慣れであれば、スタッフが手取り足取り教えてくれる。日が暮れて、ランタンに明かりを灯すと、アウトドアキャンピングの気分が一層盛り上がる。

星空の下で焚き火を囲む

食事は男性にも十分な量で、お酒に合いそうなスナックも用意されている。さらに気分を上げてくれるのは、デザートのスモア。そう、キャンプと言えば焚き火。その焚き火でマシュマロを溶かしてチョコレートを重ね、クラッカーで挟むお菓子のことだ。語源は英語の「some more(もう少し欲しい)」の短縮形だそうで、揺れる炎を眺めながら、ワイン片手に甘いスモアを食べるひと時は幸せそのもの。その頃には身も心もすっかり解けて、その場にいる皆が自然体でくつろぎ、笑い声が絶え間なく続くだろう。大自然の中での焚き火は、人の心の奥深くを癒やしてくれる。
マシュマロを焼きながら気分は最高潮に
テラス下には木製の椅子が取り囲む焚き火用スペースが備わっており、会話は夜更けまで弾む
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頭上の空にはたくさんの星が瞬き、ここが都心からさほど離れていないことが信じがたいほどだ。星空を眺め、焚き火の炎が消えるのを見届けてから、暖炉で暖まった屋内に戻る至福。まだもう少し野外を堪能したいのであれば、アウトドアのバスタブで、自然と一体になり湯に浸かるのもいいだろう。その後、眠りへと誘う心地よいリネンが待っている。
頭上に広がる満天の星
頭上に広がる満天の星

自然に還る場所

朝目覚めると、窓の外の緑に心が安らぎを覚えることだろう。光に溢れ、清らかな空気に満ちたテラスでいただく朝食は最高だ。朝食セットは冷蔵庫の中に事前に用意されていて、自ら取り出し調理する。朝もまた炭をくべて火を熾し、湯を沸かし、敷地内で焙煎した豆を挽いてコーヒーを入れる。良い香りが漂う中で朝食を作るひと時は、なんとも清々しい。
幾つかのメニューから選べる朝食。この日選んだのはエッグマフィン
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朝食後は柔らかな木漏れ日が降り注ぐ森を散策しながら、瞑想するように静かな時を過ごしてみたい(施設では、早朝ヨガのプログラムも不定期だが開催している)。あるいは小鳥のさえずりを聞きながら、再び屋外のバスタブに身を沈めるのもいい。チェックアウトの時間は11時。車を1時間走らせれば、またすぐに都会の生活が待っている。都会に戻れば、この場所で過ごしたことがまるで幻のように感じられるだろう。それほどに、ここ「東京クラシックキャンプ」には、自然に還る至福が満ちている。
■東京クラシックキャンプ
https://tokyo-classic-camp.jp

■インスタグラム
https://www.instagram.com/tokyoclassiccamp/

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