JOURNEY

秘密基地のような“ポッド”で
在宅勤務のパフォーマンスを上げる

2020.12.11 FRI
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秘密基地のような“ポッド”で
在宅勤務のパフォーマンスを上げる

2020.12.11 FRI
秘密基地のような“ポッド”で在宅勤務のパフォーマンスを上げる
秘密基地のような“ポッド”で在宅勤務のパフォーマンスを上げる

在宅勤務が一時的な措置ではなく、ウィズコロナ期のデフォルトとなりつつあるなか、自宅にいても仕事のパフォーマンスを上げることができるさまざまな提案が登場している。

© Stylus

プライバシーを確保する“ポッド”

新型コロナウイルスの感染拡大とともに世界各国で“ロックダウン”が開始された際、「在宅勤務」は世界的危機に対処するための一時的な方策とみなされていた。しかしウィズコロナ期と呼ばれる今後はこの在宅勤務が多くの人々にとって通常の勤務形態になっていくと予測されている。そのようなトレンドをいち早く見抜いた先見性のある建築家やメーカーは、自宅にいながら健康的に生産性の高い仕事をこなせる環境づくりのための提案を多数行っている。

なかでも話題性が高く、注目されているのが“ポッド”の存在だ。家事などの忙しい日常から自分自身を切り離し、集中力を高められる空間を提供してくれるとして、人気が高まっている。その一例が、ノルウェーに本拠を置く「Livit」が手掛けた、ミニマルなデザインが特徴のStudypodだ。前面のファサード部分がガラス窓になっているため、限られたスペースでも閉塞感なく仕事ができる空間が実現されている。付属のデスクなどオフィス用品は取り外しが可能なため、工夫次第でヨガスタジオやゲスト用ベッドルームなど、プライベートオフィス以外の用途にも活用できる点も嬉しいところだ。
「Livit」が手掛けたStudypod。ミニマルなデザインが特徴だ
「Livit」が手掛けたStudypod。ミニマルなデザインが特徴だ
また、米カリフォルニア州にある家具メーカー「Autonomous」が開発したZen Work Podには、発売前から1万5000件もの購入予約が殺到したというからその人気が伺える。木材、アルミニウム、ガラスで造られたこのポッドには基本的な家具がすべてそろっており、ガラス張りのファサードで開放感を保ちつつ仕事ができるのが特徴だ。
予約注文が殺到した「Autonomous」のZen Work Pod
予約注文が殺到した「Autonomous」のZen Work Pod

建物を目的に合わせる

在宅勤務が今後のワーキングスタイルの主流となってくれば、インテリアのみならず、建築そのものも変化していくと考える識者も多い。この流れをいち早くコンセプトとして提示したのが、パリの建築スタジオ「Studio Belem」。スタイリッシュな集合住宅の各戸にホームオフィスをデフォルトで設置したAula Modulaをデザインした。いずれの住戸からもマンション中央の広々とした中庭を見渡すことができ、またパブリックスペースとして用意されたテラスに直接アクセスできるようになっているため、住人たちの間で社交や仕事上の交流が自然と生まれるよう設計されている。
「Studio Belem」がデザインしたスタイリッシュな集合住宅は、各戸にホームオフィスを備えている
「Studio Belem」がデザインしたスタイリッシュな集合住宅は、各戸にホームオフィスを備えている

三密回避を確保するデザイン

在宅勤務が広く定着したとしても、オフィス自体の重要性は変わらないと多くの経営者は考えている。しかし、社員にオフィスに戻ってきてほしければ、企業は職場の安全性を確保するため、従来の過密なワークスペースについて再考しなければならない。

そこでブラジルにベースを置く建築スタジオ「Superlimão Studio」は、ソーシャルディスタンスを確保しつつオフィスの床面積を最大限に活用する方法として、中二階を設けるデザインを提唱し、ウィズコロナ期のオフィスの在り方の一例を提示している。
「Superlimão Studio」は中二階を設けることでオフィスの床面積を増やし、従業員間の距離を保つ工夫を提案
また世界各国に展開する不動産会社「Cushman & Wakefield」は、社員の職場復帰戦略として「Six Feet Officeデザイン計画」を他に先駆けて発表。この計画にはソーシャルディスタンスの規定に準拠した、オフィスデザインの在り方やアドバイスが網羅されている。一方で、ドイツやスイスでは政府が主体となってソーシャルディスタンスに関するガイドラインの制度化を進めており、従業員一人当たりの床面積や労働者間の距離などが定められている。

ワクチン開発が待たれる現在、官民双方から“ニューノーマル”に対応する職場の在り方を提案する流れは今後も続いていくだろう。

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