JOURNEY

「ニューノーマル」と新しい旅のカタチ

2020.09.16 WED
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「ニューノーマル」と新しい旅のカタチ

2020.09.16 WED
「ニューノーマル」と新しい旅のカタチ
「ニューノーマル」と新しい旅のカタチ

世界中が自粛ムードに包まれ、旅行需要が劇的に落ちこむ中、先見の明のある企業は、もうすでにコロナ収束後の需要創出に力を入れている。先行割引のバウチャー販売から新開発の旅行計画アプリまで革新的なサービスや取り組みを紹介する。

(C) Stylus

ロックダウン中に次の旅を計画

新型コロナウイルスの影響から世界中で自粛ムードが継続する中、旅行関連の需要が2019年の水準まで回復するには5年ほどかかるだろうと見通しを述べる専門家もいる。しかし、需要の低下こそあれ、近い将来の旅行を検討している消費者は少なくない。

例えば、ロックダウン中にもかかわらず、米国では旅行関連の広告に対する消費者の興味・関心は高水準で推移しており、また、英国にある旅行代理店の約3割が4月上旬に売上の伸びを記録したとの統計もある。確かに旅行需要の回復には長い時間がかかるかもしれないが、消費者は旅への思いを募らせていることは事実といえるだろう。

早期予約でお得なクーポン

そんな消費者のマインドと感染拡大で大きな打撃を受けた旅行業界の双方をサポートする様々な試みが展開されている。例えば、米国の旅行会社「Luxury Escapes」は、今すぐ購入すると最大で旅行代金が50%オフになる、1年間有効のバウチャーを販売し、“先に支払って後で予約”する商品を提供している。これによって、旅行者には大幅ディスカウントと時間に余裕を持って旅の計画ができる安心感を担保しつつ、経営の危機に直面しているホテルなどの宿泊先にはまとまった額の現金を提供するができる。

またユニークな試みとしては、イタリア・アマルフィ海岸にあるホテル4軒が共同して、売上の一部をウイルスのワクチン開発へと寄付するクーポンを販売して話題になっている。5000ユーロ(約60万円)相当の10枚つづりのクーポンは2年間有効で、この試みを通じて日本円で総額2000万円近い寄付を目指しているという。

旅行前の楽しみを増幅してくれるアプリ

最近の旅行者の傾向として顕著なのが、次の旅先の情報をSNSから入手する点だ。最近のある調査では回答者の50%超が「ソーシャルメディアで旅行先を見た後に旅行の計画を立てた」と答えている。新たなこのニーズに合わせたサービスを提供しているのが、英国の旅行計画アプリ「Bimble」だ。

自分のお気に入りの場所や関連情報をひとまとめにできるデジタルジャーナルとSNSの機能を融合したプラットフォームで、行きたい国や地域への旅のプランを作成するだけでなく、SNS経由で得た他のユーザーからのレコメンドをもとに旅先の未知の魅力を掘り起こすことで、出発前の時間を有意義に過ごすことができる。

「このアプリを使うことで、ユーザー自身にとって最も大切な場所を集めた旅行のジャーナルを作ることができます。あなた自身はもちろん、あなたが描く旅の世界を友人たちももっと楽しめるようになります」と最高経営責任者のフランチェスカ・ハウランド氏はBimbleの魅力について語っている。

また、旅先でのソーシャルディスタンスを意識して、あえて観光客が少ない“隠れた”観光名所を案内するアプリも人気を集めている。その一つが「Vacaay」。例えば、スイス・アルプスなど観光客が密集する、オーバーツーリズムなエリアではなく、白い砂浜が広がるカリブ海の島々やブルガリアの山地にあるスキーリゾートなど、静かで時間の流れがのんびりしているからこそ楽しめる旅行先に焦点を当てることで、コロナ収束後も三密を避けたい消費者の心を掴んだ。同社はローンチ後1か月で10万人の新規ユーザーを獲得しているという。

世界各国で移動の自由が段階的に解禁となるなか、ニューノーマルに対応したサービスは今後も増加していく傾向にあるとみられている。

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