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ヨガインストラクターが提案する
気軽にできるポーズで、心身ともに余裕のある生活を

2020.02.10 MON
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ヨガインストラクターが提案する
気軽にできるポーズで、心身ともに余裕のある生活を

2020.02.10 MON
ヨガインストラクターが提案する気軽にできるポーズで、心身ともに余裕のある生活を
ヨガインストラクターが提案する気軽にできるポーズで、心身ともに余裕のある生活を

ドライビングや仕事に集中していると、気づかないうちに体が凝り固まってしまう。なんとなくストレッチをしてみたりしても、スッキリしない。そんな時、気軽にできるヨガのポーズを知っていれば、効果的に体をほぐせて、心にも余裕を持つことができるだろう。そこで、ハタヨガとタイ式自己整体ルーシーダットンのインストラクター野島裕子さんに、効果的なヨガのポーズをレクチャーしてもらった。

Edit & Text by Tamako Naoe(lefthands)
Photographs by Yoko Ohata

簡単なポーズで効果的に体を伸ばし、凝り固まった筋肉を気持ち良くゆるめる

長時間のドライブや毎日のデスクワークなど、現代人は気づかないうちに同じ姿勢をとり続けてしまう機会が多い。体を動かさないでいると筋肉が緊張して凝り固まり、呼吸も浅くなる。とはいえ、オフィスなどでは体を大きく動かすのは難しい。オフィスでは椅子に座ったままできるポーズ、自宅では床に座って、大きく伸ばすポーズで筋肉をゆるめれば、体はぐっと軽くなる。簡単にできるヨガを取り入れて、心にも体にも余裕のある生活を手に入れてみてはどうだろうか。

胸を開き、背骨をねじって調整し、骨盤周りを気持ち良く伸ばすポーズ

車の運転やオフィスでのパソコン作業では常に正面を向いていて、体を左右にひねることが少ない。また、肩が内側に巻かれて背中がこわばってくることもある。動かさない臀部(でんぶ)の筋肉の柔軟性もなくなる。

そこで、体の凝りを解消すべく、気が付いた時に椅子に座ったままできるポーズを紹介しよう。聖者バラドヴァージャのポーズを応用したこのポーズは、脊椎を刺激し、背中と臀部の柔軟性を高め、腰痛の緩和や腰のゆがみを解消する効果が期待できるという。

具体的には、膝の角度が90度くらいになる高さの椅子に背筋を伸ばして座り、右のつま先ではなく足首をしっかりと左の膝上に乗せる。この時点で、臀部から太ももが伸びる感じがしても大丈夫。きついと感じる場合は、ゆっくりと深呼吸して筋肉をゆるめるといい。
背すじを伸ばして椅子に座り、右足首を左の膝の上に載せる
背すじを伸ばして椅子に座り、右足首を左の膝の上に載せる
背筋を伸ばした上半身を腰から順番に左にひねり、右腕が左脚のすねに沿うように上半身を伸ばしたままできるだけ前に倒す。この時に呼吸を止めないように注意。無理せず、気持ち良く伸びる感覚を優先する。
上半身を左にひねって、右腕が左脚の外側に沿うように背すじを伸ばしたまま前に倒す
上半身を左にひねって、右腕が左脚の外側に沿うように背すじを伸ばしたまま前に倒す
深く息を吸って左腕を上半身の前に伸ばし、息を吐きながら腕を上から背中に回す。視線は指先を追って、最後に天井を見る。胸を開いた状態で深く5〜8回呼吸してから、ゆっくりと最初のポーズに戻る。足を替えて反対側も同様に。
胸を広げて視線を上に。5〜8回呼吸をして、ゆっくりと最初のポーズに戻る
胸を広げて視線を上に。5〜8回呼吸をして、ゆっくりと最初のポーズに戻る

運転やオフィスワークで内巻きになりがちな肩を開き、深い呼吸ができる身体を目指すポーズ

内巻きになった肩周りをほぐし、胸を開く牛の顔のポーズを応用したポーズ。体側の柔軟性のアップだけでなく、背骨をねじることで正しい位置へ調整する効果も期待できるという。

背骨を真っ直ぐに立てて座り、真上に上げた右腕の上腕は内側に回転させ、ひじを引き上げる意識で、てのひらが背中を向くように指先を下ろす。後ろに回した左上腕は外側に回転させて胸を開き、手の甲が背中に着くように指先を引き上げる。背中の中央で両手の指同士をつかみ合う。手が届かない場合は、タオルなどを使って同じように腕の位置をキープする。
真っ直ぐに座り、上下から腕を回し、両手をつかみ合う。体は正面を向いたままにする
真っ直ぐに座り、上下から腕を回し、両手をつかみ合う。体は正面を向いたままにする
背中で手が組めない場合はタオルなどを使って、腕の長さや柔軟性を補う
背中で手が組めない場合はタオルなどを使って、腕の長さや柔軟性を補う
体を正面に向けたまま、上げた腕から腰までを伸ばすように左に傾ける。無理をする必要はなく、気持ち良いと感じるくらいに伸ばす。

身体を傾けたまま、顔を天井に向け、胸を開き5〜8呼吸する。ゆっくりと最初のポーズに戻る。腕を入れ替えて反対側も同様に。
正面を向いたまま、体側を伸ばす
正面を向いたまま、体側を伸ばす
目線を天井に向け、胸を開き、背骨をねじり正しい位置へ調整する
目線を天井に向け、胸を開き、背骨をねじり正しい位置へ調整する

股関節をストレッチして下半身を強化するポーズ

座る時間が長いと骨盤を立てる腸腰筋が硬化して、正しい姿勢を保つことが難しくなり、腰痛の原因にもなる。三日月のポーズは、身体の前面を伸ばし肩こりを緩和。効果的に股関節をストレッチさせることで、後傾しがちな骨盤を調整し、正しい姿勢を意識することができるようになる。

床にひざ立ちになり、背筋を伸ばして、右足を大きく踏み出す。ひざがつま先より前に出ないように、かかとの上にひざがくる位置になるくらい広く開く。後ろのひざはしっかりと立てた骨盤よりも後ろになる位置へ。左脚の付け根が気持ち良く伸びる感覚を味わう。
ひざ立ちになり、身体を真っ直ぐ引き上げる
ひざ立ちになり、身体を真っ直ぐ引き上げる
右脚を大きく踏み出し、前後のひざの位置(前のひざはかかとの上、後ろのひざは骨盤より後ろ)を確認する
右脚を大きく踏み出し、前後のひざの位置(前のひざはかかとの上、後ろのひざは骨盤より後ろ)を確認する
両手を視線の上で合掌し、肩甲骨を引き下げ、首すじを伸ばす。重心を前に移動させて腰を沈ませる時に、骨盤が正面を向いているように気をつける。

合掌した手を肩が上がらないように耳の後ろまで引いて、目線を斜め上にしたまま上半身を後ろに反らせる。腰だけで反らせないように、ヘソを後ろに引く意識で骨盤を立てて腰を痛めないようにする。左右の太腿が一直線になる感じで開脚する。股関節を伸ばし、胸を開き8〜10回呼吸する。ゆっくりと最初のポーズに戻る。左右を入れ替えて反対側も同様に。
骨盤を正面に向けたまま、両手を合掌して顔の前に上げる。肩が上がらないように気をつける
骨盤を正面に向けたまま、両手を合掌して顔の前に上げる。肩が上がらないように気をつける
肩甲骨を寄せ、腰が反りすぎないように、また骨盤の角度を意識して、股関節の伸びを感じる。目線は斜め上
肩甲骨を寄せ、腰が反りすぎないように、また骨盤の角度を意識して、股関節の伸びを感じる。目線は斜め上
腕を上げるのが辛い場合は下から腕を後ろに伸ばし、両手を組んで胸を開く。目線は斜め上。
目線は斜め上のまま、両手を後ろで組んで胸を開く。下半身は両腕を上げた時と同じ
目線は斜め上のまま、両手を後ろで組んで胸を開く。下半身は両腕を上げた時と同じ

肩甲骨を大きく動かすことで、背中全体を伸ばし、上半身をゆるめるポーズ

身体の前面と背面をゆるめるために、肩甲骨を中心に全身を使って腕を大きく回すポーズ。寝る前に行うとリラックス効果が得られ、ゆったりとした時間を楽過ごすことができる。

床にあぐらをかいて、坐骨の上にバランス良く座る。まず両手を膝の上に置き、左手を床に降ろし、首を右に傾け、腕と頭の重さを使って首すじを伸ばす。無理に伸ばさないように気をつける。

右膝の延長線上に視線を置き、左の坐骨が浮かない範囲で両腕をできるだけ遠くに伸ばし、指先を床につけて腰から背中、肩、腕を気持ち良くストレッチする。

左手の指先を目線で追いながら、できるだけ遠くを触るように腕を上げ、胸を開き、力を入れずに8〜10回呼吸する。
坐骨の上にしっかりと座り、左腕の重さと頭の重さで首すじを気持ち良く伸ばす
坐骨の上にしっかりと座り、左腕の重さと頭の重さで首すじを気持ち良く伸ばす
右膝の延長線上に向かって目線を向け、腰から上半身を倒す。左の坐骨を床から離さないことがポイント
右膝の延長線上に向かって目線を向け、腰から上半身を倒す。左の坐骨を床から離さないことがポイント
指先で遠くを触るように大きく腕を回しながら、気持ち良く胸を開き、ゆっくりと呼吸する。目線は天井に
指先で遠くを触るように大きく腕を回しながら、気持ち良く胸を開き、ゆっくりと呼吸する。目線は天井に
ここで最初のポーズに戻ってもいいが、余裕があったら肩甲骨を回してさらに身体をゆるめたい。胸を開いた状態から、左手を背中から左膝の先の遠いところを触るようにゆっくり回して、両腕を揃えるポーズに戻る。上体を起こし、最初のポーズに戻り、反対側も同様にゆるめる。
胸を開いたところから、後ろから前に向かって大きく腕を回し、腰から背中を丁寧に伸ばす
胸を開いたところから、後ろから前に向かって大きく腕を回し、腰から背中を丁寧に伸ばす
最初より深まった右膝の延長線上に両腕を伸ばしたポーズから、最初のあぐらにゆっくりと戻す
最初より深まった右膝の延長線上に両腕を伸ばしたポーズから、最初のあぐらにゆっくりと戻す
今回のポーズを考案してくれた野島裕子さんは、ハタヨガとタイ式自己整体ルーシーダットンのインストラクター。1年を通して趣味のサーフィンを楽しむ中で、身体の柔軟性や、体幹、バランス力、集中力を養えるヨガとサーフィンの結びつきが深いことを実感し、体が硬くても行え、男女・年齢問わず楽しめるオリジナルヨガを提案している。東京・原宿にある自身のプライベートスタジオkorat、オフィスや個人宅への出張レッスン、GOLD'S GYM原宿ANNEX、AVITY代官山スタジオでレギュラークラスを担当している。
 野島裕子さん(プライベートスタジオkoratにて)
野島裕子さん(プライベートスタジオkoratにて)
korat
http://www.korat-japan.com

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