SPORT

満月の下、雪原を駆る。星野リゾート トマムの
エクスクルーシブな体験「月光スノーモービル」

2020.02.07 FRI
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満月の下、雪原を駆る。星野リゾート トマムの
エクスクルーシブな体験「月光スノーモービル」

2020.02.07 FRI
満月の下、雪原を駆る。星野リゾート トマムのエクスクルーシブな体験「月光スノーモービル」
満月の下、雪原を駆る。星野リゾート トマムのエクスクルーシブな体験「月光スノーモービル」

雪と氷に覆われる冬の北海道の地で、アクセル全開で楽しめるモータースポーツ、それがスノーモービルだ。そのスノーモービルで満月の下をライドする、エクスクルーシブな遊び方がある。

Text by Shigehisa Onoe
Photographs by Yasuyoshi Ohtaki
Edit by Keisuke Tajiri

スタイルも機能も進化したスノーモービルで雪原を自由に駆け巡る

スキー場でよく目にするスノーモービル。転んで怪我をした人を運ぶ乗り物として認識している人が多いのではないだろうか。それはそれで正しい使われ方ではあるのだが、世界に目を向けると、エキサイティングな冬のモータースポーツとして多くの愛好家がいる。スピードや技を競う大会も多数開催され、プロのライダーも活躍している。わが国ではまだ、ごく一部の人だけがひそかに楽しみを独占している状況だが、ここ星野リゾート トマムでは通常のスノーモービルだけでなく、「月光スノーモービル」なる非日常この上ないアクティビティがあるのだ。

ツアーを開催する星野リゾート トマムは北海道のほぼ中央に位置する。東京ドーム約213個分という広大な敷地は森と山々に囲まれ、春夏秋冬を通して魅力的なアクティビティを楽しむことができる。北海道の冬は長く厳しい。しかし美しい。神々しい雪景色の中、29ものコースを持つゲレンデではスキー、スノーボードをはじめ、雪上車で行くパウダーツアー、スノーモービルで行く雪上ツーリングなど多数のプログラムが用意され、訪れる人々に忘れ得ぬ感動を与えている。なかでも特に一生ものの感動体験となるのが前述の月光スノーモービルだ。
クルマやバイクともまた違う独特なライディングを味わえるスノーモービル
クルマやバイクともまた違う独特なライディングを味わえるスノーモービル
月光スノーモービルは、一晩にひと組だけの限定、それも12月〜3月末までの間、ひと月にわずか3日間しか行われない。運よく予約が取れたとしても、雲がかかり、満月を拝めない可能性さえもある。これだけの条件が重なり、無事に満月の下で雪原をスノーモービルで駆け巡ることができたら、その感動は先にも書いたようにまさに一生ものだ。

未経験者でも全く問題はなく、インストラクターから簡単なレクチャーを受けてからまたがるのだが、運転方法はいたってシンプル。右のハンドルにアクセル、左にブレーキ、それだけだ。コーナリングには体重移動も要するが、まずは自転車に乗るときの体重移動をより力強く行えばよい。

教わったことを頭で反芻しながらしばし練習すると、気付けばいっぱしのライダー気分で走りを楽しみ始めているだろう。馴れてきたらこっちのもの、身体と一体となった鉄の馬でバージンスノーを蹴散らし駆ける。スキーやスノーボードのスピード感、エキサイティングさに加え、バイクや乗馬で味わえる大きなパワーを御す快感、また官能的なエンジン音がさらにアドレナリンを放出させ、五感全てが刺激される歓びは比類ないほど。ドライブテクニックに応じて自由に堪能してほしい。
静まり返った大地にスノーモービルの音を轟かせ、道なき道を進むドライビングはまたとない体験だ
静まり返った大地にスノーモービルの音を轟かせ、道なき道を進むドライビングはまたとない体験だ

ドライブ後に楽しめるひとときの安らぎ

ガイドによる先導で思いのままにハンドルを操り、相棒(男同士もよし、カップルでもよし)と連なって走ることも可能だ。この貴重な時間を存分に楽しんだ後は、一転して静かな安らぎの時が待っている。

頭の中に焼き付いたエンジンの叫び声、興奮に火照った身体のままスノーモービルを降り、エンジンを切ると急に静寂が戻る。ヘルメットを脱ぎ改めて辺りを見回すと、満月に照らされる雪原は青白く輝き、意外なほどの明るさに驚かされる。森に囲まれた雪原の中、暖かな明かりを放つ焚き火とテントを眺めているとふと既視感を覚える。サムイル・マルシャーク原作『森は生きている』で、大晦日の晩に12の月の精が焚き火を囲んでいたのは、ちょうどこういう景色だったのではないか。おとぎ話の中に入り込んだように感じるほどの幻想的な眺めに恍惚とさせられる。
思う存分楽しんだあとに待っているのは極上のひと時
思う存分楽しんだあとに待っているのは極上のひと時
丸太に切り込みを入れて火をつけたスウェディッシュトーチと、焚き火台で燃やされる薪からは赤々とした炎が優しく揺らめく。「BLUE MOON」「MOON HARBOUR」など、月にちなんだ名のお酒を飲みながらの月見酒がまた楽しい。また天体望遠鏡を用意してくれていて、天体観測までできるのだから心憎い。満月ということもあって星を観るにはやや空が明るいが、それでもオリオン座、カシオペア座などの冬の星座はよく見える。
極寒のなか、焚き火の温もりを感じながら味わうお酒はまた格別
極寒のなか、焚き火の温もりを感じながら味わうお酒はまた格別
ほろ酔いで幸福感に浸っているうち、見慣れない楽しげな乗り物が迎えに来てくれる。アドベンチャー感いっぱいの雪上バギーだ。冬は雪上車としてキャタピラが装着されているが、夏にはタイヤと交換し、バギーとして使っているとのこと。珍しい乗り物に乗せられ、またもや心弾ませながら、雪原を抜けホテルへと戻る。おとぎの国を去るのは心残りだが、部屋では熱いシャワーが待っている。

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