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CULTURE

ひろおサンタランドから贈られるトドマツの一生を
伝える──サッポロファクトリー「ジャンボクリスマスツリー」

2019.12.13 FRI
ひろおサンタランドから贈られるトドマツの一生を伝える──サッポロファクトリー「ジャンボクリスマスツリー」

北海道・札幌の冬の風物詩となっている、サッポロファクトリーのジャンボクリスマスツリー。単にツリーで話題作りをするのではなく、リサイクルや植樹活動への応援も行なっている。この取り組みに込められた想いに迫った。

Text & Edit by lefthands

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札幌の冬の風物詩

北海道札幌市にある商業施設サッポロファクトリーは、この地のランドマークとして地元の人々に親しまれる存在だ。近年、再開発が進み、歴史ある建物をリノベーションしたカフェやショップが次々とオープンするなど、いま話題の創成川イーストエリアに位置し、多くの人に愛されている。

特に、毎年11月上旬から12月25日にかけてライトアップされる「ジャンボクリスマスツリー」は、札幌の冬の風物詩となっている。約4万個のLEDライトと約1000個のオーナメントで装飾された、10メートルを優に超える巨大なツリーを見るために、市内だけでなく道内各地から大勢の観光客が集まる。例年11月上旬に実施されるイルミネーションの点灯式には、約5000人が訪れるという。
2019年の点灯式での様子
2019年の点灯式での様子
ジャンボクリスマスツリーの特色は、単にイルミネーションとしてツリーを展示しているのではなく、使用した木を積極的にリサイクルや木育の推進に活用している点だ。展示後、施設内で再利用したり、“木育”をテーマにしたオーナメントづくりのワークショップを開き、その参加費を農林業が盛んな広尾町に寄付したりしている。クリスマスツリーの一生のストーリーが見えるようにすることで、人々が環境保全について考えるきっかけづくりとして役立てているのだ。

ひろおサンタランドから贈られるクリスマスツリー

ジャンボクリスマスツリーには、北海道十勝管内の広尾郡広尾町から毎年寄贈されるトドマツが用いられている。サッポロ不動産開発株式会社札幌事業本部の大津大吾氏によると、広尾町との“共創”は、1993年の開業当初から続いているという。

「当時、広尾町は『ひろおサンタランド』の取り組みの一環として、日本各地にクリスマスツリーを贈る活動をなさっていました。そこで、サッポロファクトリー初年度の記念すべきクリスマスツリーとして、広尾町のトドマツを活用させていただくことになったのです」

もともと広尾町は、1980年にシーサイドパーク広尾・海洋水族科学館とノルウェー国立ベルゲン水族館が姉妹提携を結んだのをきっかけに、ノルウェーとの交流を続けてきた。ノルウェーの首都オスロ市は、「ノルウェー・サンタランド」として、世界中の子どもたちからサンタクロースに宛てて送られてくる手紙に、クリスマスカードを返信している。この取り組みを知った広尾町は、日本の子どもたちにもこの活動を伝えたいとオスロ市に相談し、1984年にノルウェー国外初、そして日本唯一のサンタランドとして認定を受けた。そして1985年より、広尾町は「ひろおサンタランド」として、「愛と平和、感謝と奉仕」というサンタランドの基本理念に基づき、サンタクロースから届くクリスマスカード「サンタメール」を送るなどの活動を行なっている。サッポロファクトリーへのトドマツの寄贈もその一環だ。
毎年、根付きのトドマツをそのまま運んで装飾している。10メートルを超える大木がアトリウムに鎮座する
毎年、根付きのトドマツをそのまま運んで装飾している。10メートルを超える大木がアトリウムに鎮座する
ジャンボクリスマスツリーへの反響について、大津氏は以下のように述べる。

「毎年、多くのお客さまにイルミネーションを心待ちにしていただいており、年によって異なるトドマツの高さや枝ぶりなどを楽しんでいただいているようです。『今年は大きいね』『去年よりも枝ぶりがいいね』と、お客様から直接弊社スタッフに声をかけていただくこともあります」

展示後のトドマツを利用して行う“木育”活動

サッポロファクトリーでは、ジャンボクリスマスツリーの展示期間中、募金箱を設置し、森林保全のために広尾町に寄付している。それだけでなく、2010年からは前年のイルミネーションに用いたトドマツをリサイクルし、環境保全に関心を持ってもらうための取り組みにも励んでいる。

例えば、施設内のキッズルームに置かれたログハウスは、2012年に製作したものだ。2013年には壁掛け時計を製作し、同じくキッズルームなどに設置するだけでなく、広尾町にも寄贈している。
  • 2012年製作のログハウス
  • 2013年製作の壁掛け時計
2016年には、2014年、15年に作られたツリーがメモ帳に生まれ変わった。近隣幼稚園の園児や、イルミネーションの点灯式に参加した子どもに配ったり、インフォメーションセンターで計1500部を配布したりして、好評を博したという。

このような試みについて、大津氏は以下のように語る。

「クリスマスツリーとして展示するだけでなく、リサイクルすることで、クリスマスが終わった後もトドマツの一生を伝えていきたいと思っております。お客様に楽しんでもらいながら、環境保全について考えていただくきっかけになればうれしいです」

また、2017年からは子ども向けの木育(※)ワークショップを開催。CSRとして地元の企業や北海道と協力して、前年のトドマツを再利用し、オーナメントづくりをレクチャーしている。参加費とサッポロファクトリーからの寄付金は、広尾町に送られ、植樹活動に役立てられているという。
  • 製作したオーナメント。参加者それぞれが持ち帰って家のツリーに飾ることで、トドマツの物語が続いていく
  • 製作したオーナメント。参加者それぞれが持ち帰って家のツリーに飾ることで、トドマツの物語が続いていく
参加者からは、「今年のツリーの下で前年のツリーを再利用するワークショップなので、トドマツの物語を感じられるのがいい」「参加費が植樹活動に寄付されるので満足感がある」といったコメントが寄せられているという。
「木育の活動を継続してほしい」という好意的な反応を受け、引き続き2019年も12月に開催予定
「木育の活動を継続してほしい」という好意的な反応を受け、引き続き2019年も12月に開催予定

地元密着のランドマークとして

サッポロファクトリーは他にも、年数回、アトリウムにある花壇の植替え時期に、育った花の鉢を来館者に無償で配布している。特に、クリスマス終了後に配布されるポインセチアが人気だという。また、毎年春、近隣町内会や幼稚園、保育園の協力を得て、施設周辺の街路に花の苗を植える活動を実施している。
アトリウムの花壇一面に広がるポインセチアは、ツリーと並ぶクリスマスシーズンの目玉だ
アトリウムの花壇一面に広がるポインセチアは、ツリーと並ぶクリスマスシーズンの目玉だ
大津氏は、地元密着のランドマークとしての使命感を以下のように語ってくれた。

「これからも札幌市民の方々をはじめ、国内外からいらっしゃるお客さまにも、サッポロファクトリーでしか体験できない“北海道ならではのクリスマス”という特別な価値を楽しんでいただきたいです。そして、ツリーをご覧になっていただくだけでなく、木と触れ合っていただくことで、環境保全に関心を持っていただければと考えております」

クリスマスシーズンに札幌を訪れる際には、サッポロファクトリーに立ち寄って、ジャンボクリスマスツリーの華やかなイルミネーションを楽しみながら、環境について考えるきっかけにしてみてはいかがだろうか。
ジャンボクリスマスツリーの華やかなイルミネーション
※「子どもをはじめとするすべての人びとが『木とふれあい、木に学び、木と生きる』」ための取り組みのこと。2004年に北海道で発足した「『木育』プロジェクト」によって提案された。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/mokuiku/toha_frame.htm

■サッポロファクトリー:
札幌市中央区北2条東4丁目
Tel. 011-207-5000
https://sapporofactory.jp/

■SAPPORO FACTORY CHRISTMAS 2019:
期間:2019年11月2日(土)〜2019年12月25日(水)
点灯時間:16:00〜22:00
※例年、11月上旬〜12月25日に開催し、初日に点灯式を実施。
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