JOURNEY

ShoeとSneakerの融合から生まれた
「TOD’S No_Code Shoeker」とは?

2019.11.06 WED
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ShoeとSneakerの融合から生まれた
「TOD’S No_Code Shoeker」とは?

2019.11.06 WED
ShoeとSneakerの融合から生まれた「TOD’S No_Code Shoeker」とは?
ShoeとSneakerの融合から生まれた「TOD’S No_Code Shoeker」とは?

機能性とデザイン性を高度なレベルで両立させたドライビングシューズで、世界のカーガイたちから一目を置かれている「トッズ」。イタリアならではのクラフトマンシップに、革新性をハイブリッドさせた新カテゴリーシューズ「シューカー」とはどのようなものなのか? その秘密に迫る。

Text by Shigekazu Ohno(lefthands)
Photographs by Isamu Ito(lefthands)

社会の変化に足元から対応するというミッション

ひと昔前の映画やドラマを見ると気付かされるが、人々の装いはここ10年、20年で大きく様変わりした。「ビジネスパーソンはスーツ」の不文律はいつの間にかフェードアウトし、服装だけで人の職業を言い当てることは、時として容易ではなくなってきた。

それは時代と社会と価値観の変化による自然な成り行きであり、人々はいまや服装を職種に縛られたユニフォームとしてではなく、もっと自由に、個性や気分を表現するために楽しんで選択できるようになってきたのだから、これを歓迎しない手はないはずだ。

しかし、くびきからの解放が遅れていたものがあった。ほかでもない靴である。服装においてはフォーマルとカジュアルの間の幅が大きく広がった一方で、合わせる靴には、大別して革靴かスニーカーかの二者択一しかなかったのだ。例えばビジネスアタイアとしてジャケットを羽織りつつも、インナーはカットソー、ボトムスはドローコード付きのイージーパンツといった「イマドキ」なコーディネイトにどんな靴を合わせるべきか。ちょうどいいバランス感覚をかなえてくれるものが、なかなか見当たらない現実があった。

ドレスコードの大幅な自由化、ON / OFFの分け隔てが曖昧になってきた昨今のライフスタイル、普段の装いにスポーツやアウトドアのテイストが入り込んできたファッショントレンドなど、現代社会のさまざまな変化に伴うニーズを読み、靴を出自とするレザーファッションブランド「トッズ」が満を持して発表したのが、靴の既成概念を打ち破る新ライン「TOD’S No_Code Shoeker」であった。
新ライン「TOD’S No_Code Shoeker」。写真はその3作目となる「シューカー 03」
新ライン「TOD’S No_Code Shoeker」。写真はその3作目となる「シューカー 03」

規則にとらわれず、異分野からのフィードバックを活かす

そのコンセプトは名前に示されている通り、「No Code」(「規則にとらわれない」の意)。多分野の出身者からなるクリエイター陣を迎え、古参の職人たちとも意見を戦わせて形にしたのは、シューズとスニーカーを融合させた「シューカー」という新しい考え方のフットウエア。それは見た目のデザインの話だけではなく、根本の考え方においても、ジャンルを超えてもたらされた最新のテクノロジーとイタリアの名メゾンとして継承してきたクラフトマンシップを掛け合わせるものとして、靴の新しい地平を切り開くモニュメンタルな取り組みだった。

プロジェクトを率いるクリエイターとしてアサインされたのは、韓国人デザイナー、ソク・ヨンベ氏。驚くべきことに、前身はカーデザイナーであった。
プロジェクトを率いたソク・ヨンベ氏。ファッションではなく工業デザインに携わってきた背景を持つ
プロジェクトを率いたソク・ヨンベ氏。ファッションではなく工業デザインに携わってきた背景を持つ
「僕自身、トッズのドライビングシューズを愛用していましたが、自分も含めてもっと若い世代に履いてもらえる製品があればいいのにと思っていました。そこで今回のプロジェクトでは、工業デザイナーとしての背景を活かし、トッズならではの高品質な素材遣いと高度なクラフトマンシップに加えて、他分野からの最先端の素材やテクノロジーを掛け合わせることで、まるで革靴とスニーカーを融合させたかのようなハイブリッド・フットウエアを創り上げることに挑戦したのです」

ヨンベ氏はそう語る。「新たな時代に向けた新たな実験の場」として同プロジェクトを発足させたトッズは、この異国出身の異分野のデザイナーに全権を与えて支援した。
トッズならではの上質なレザーを用いながら、レーザーカットなど最新の加工技術も導入して作られる
トッズならではの上質なレザーを用いながら、レーザーカットなど最新の加工技術も導入して作られる
レザー素材を吟味するソク・ヨンベ氏(左)とファクトリーの職人(右)。伝統と革新の融合が垣間見られるシーンだ
レザー素材を吟味するソク・ヨンベ氏(左)とファクトリーの職人(右)。伝統と革新の融合が垣間見られるシーンだ
そこから生まれた「シューカー」は、従来のスタイルにおけるルールを超越し、現代を生きるビジネスパーソンのいかなるシーンにもマッチする1足となった。例えば、ミーティングからミーティングへの移動を伴う忙しいデイタイムに始まり、夜はパートナーと待ち合わせての、スタイリッシュなレストランでのディナータイムへ。金曜には仕事の出先からそのままハンドルを握って、週末旅行の先となる海辺のリゾートに出掛けることもあるだろう。「シューカー」は、そうした多様なシーンを足元から支えるにふさわしい、クラス感がありながらも快適で、かつ自在なフットワークとアクセルワークを可能にしてくれる理想的な靴を標榜している。

未来を足元から予感させるシューカー

製品としての特徴を挙げていくと、まずその鼻先の低いスタイリッシュなフォルムがある。これはドレッシーな革靴のトーン&マナーを引き継ぎつつも、さらに空力学を取り入れたスポーツカーからもインスピレーションを得たものだという。無駄のない流麗なシルエットは、無論そのまま軽さや歩きやすさにもつながっている。

クルマの話に関連して言えば、足全体を守るバンパーのようにも見えるアウターソールも目を引く。これは、トッズにとってシグネチャー的な存在であるドライビングシューズ「ゴンミーニ」のペブルソールと呼ばれる靴底を、歩行時にも運転時にも高いグリップ性を発揮するEVA素材(合成樹脂)を組み込んだラバーソールに進化させたものだ。
「シューカー 03」のアウトソールのディテール。伝統的なペブルソールのパターンを採用する
「シューカー 03」のアウトソールのディテール。伝統的なペブルソールのパターンを採用する
アウトソールのモールド(型)を細かく検分するソク・ヨンベ氏
アウトソールのモールド(型)を細かく検分するソク・ヨンベ氏
「シューカー 03」のシューレース部分のディテール。ワンタッチのレースシステムを採用する
「シューカー 03」のシューレース部分のディテール。ワンタッチのレースシステムを採用する
またアッパー素材には、「Made in Italy」ならではの上質なレザー素材に加え、非常に高い伸縮性と軽量性を誇る、スキューバダイビング用のエラスティック生地もハイブリッドされた。最新モデルではさらに、ひも結びを不要とするレースシステムを採用し、さらなるモダナイズが図られた。

いま世界では、プロダクトとしての高いデザイン性や機能性によってだけでなく、「未来を予感させる空気感」に引かれて、この「シューカー」への注目が高まっているという。あなたも、足元から未来を感じてみてはいかがだろうか。

トッズ•ジャパン
https://www.tods.com/jp-ja/tods-no-code.html

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