アグレッシブでいてエレガントなエクステリアデザイン
2020年というモデルイヤーを迎えるに辺り、各部の熟成を進めて新たに後期型フェーズへと移行したRXシリーズ。LEXUSの豊富なラインアップを特設コースと一般道で幅広くご体感いただく、特別な試乗会「LEXUS DRIVING EXPERIENCE 2019」を控えたタイミングで、RXの開発責任者である加藤武明チーフエンジニアに、進化のポイントについて話を聞くことができた。
そもそも、チーフエンジニアが一般オーナーの試乗会に参加することに、どのような意義を見いだしているのだろう?
「レクサスはグローバルブランドであり、世界中にマーケットが存在しますが、日本発のブランドでもある。それゆえ、日本のお客さまの声に耳を傾けることは大切だと思っています。我々にとって、LEXUS DRIVING EXPERIENCEのようなイベントでユーザーと接するのはとても貴重な機会なのです。
「レクサスはグローバルブランドであり、世界中にマーケットが存在しますが、日本発のブランドでもある。それゆえ、日本のお客さまの声に耳を傾けることは大切だと思っています。我々にとって、LEXUS DRIVING EXPERIENCEのようなイベントでユーザーと接するのはとても貴重な機会なのです。
具体的なコメントのように言語化されたフィードバックだけでなく、例えばユーザーの方々がどんな表情で車に接していらっしゃるかを目の当たりにできるのは刺激になります。もちろん、そうした経験が開発のあらゆる過程に活かされると思っています」
今回のLEXUS DRIVING EXPERIENCE2019において主役の1台となるのが、デビューしたばかりの新型RXだ。SUV人気が世界的に根強い中、都会的なクロスオーバーSUVの先駆として高い評価を集める同モデル。マイナーチェンジでは、どのように進化の方向性を定めたのだろう?
今回のLEXUS DRIVING EXPERIENCE2019において主役の1台となるのが、デビューしたばかりの新型RXだ。SUV人気が世界的に根強い中、都会的なクロスオーバーSUVの先駆として高い評価を集める同モデル。マイナーチェンジでは、どのように進化の方向性を定めたのだろう?
「2017年にLCが登場して以来、レクサスは新しいフェーズに入りました。RXはそれ以前に現行世代へモデルチェンジし、今回のマイナーチェンジを迎えたわけですから、ブランド全体の流れの中でどう位置づけるか、腐心しました。
まずデザイン面で打ち出したのは、アグレッシブなエレガントさです。LCはスポ―ティなだけでなく独特のエレガンスがありますが、そのテイストを目指しました。一方、レクサスにおけるSUVのラインナップでは、RXの上にLX、下にはNXやUXがあるので、レクサスのクロスオーバーSUVとしての共通言語も意識しました」
まずデザイン面で打ち出したのは、アグレッシブなエレガントさです。LCはスポ―ティなだけでなく独特のエレガンスがありますが、そのテイストを目指しました。一方、レクサスにおけるSUVのラインナップでは、RXの上にLX、下にはNXやUXがあるので、レクサスのクロスオーバーSUVとしての共通言語も意識しました」
具体的には、スピンドルグリルの厚みや形状、位置までを含めたフロントフェイスに始まり、全体のバランスを取り直したそうだ。
「例えば、NXはヘッドランプのデザインをレクサスのスポーツ系にならった三眼配置にしましたが、RXはLS、ESと同じ横一文字の三眼配置でエレガンスを表現するなどしています。これらのデザイン処理によって、レクサスブランドにおけるRXの位置づけが明確になったと思います」
「例えば、NXはヘッドランプのデザインをレクサスのスポーツ系にならった三眼配置にしましたが、RXはLS、ESと同じ横一文字の三眼配置でエレガンスを表現するなどしています。これらのデザイン処理によって、レクサスブランドにおけるRXの位置づけが明確になったと思います」
最先端技術を積極的に採用するのがRXの伝統
デザイン面だけでなく、ボディ剛性やハンドリングの質を高めるなど、マイナーチェンジにも関わらず、動的パフォーマンスについても大きく進化しているという。
「今回、ボディパネルの継ぎ目の接着や溶接のスポット数を増やすことでボディ剛性を高めました。足回りの剛性についても見直しており、ステアリングフィールや、操舵に対する応答性が向上しています。また、標準ダンパーは低速域からしっかり減衰力が出るタイプに変更し、AVSの仕様は電子制御プログラムも一新したこともあり、乗り心地、操縦安定性のいずれもが改善しています。さらに、どの席においても乗り心地にはこだわりました。乗り心地の良さは、すでに高く評価をいただいているRXの強みの一つですから」
動的質感の向上が、ドライバーのみならずパッセンジャーのエクスペリエンスにも貢献しているところが、じつにRXらしい。加えて、新型RXには世界初のテクノロジーも採用された。「ブレードスキャン®・アダプティブ・ハイビーム・システム(以下ブレードスキャン®)」という新技術を用いたヘッドランプだ。従来のアダプティブ式の前照灯よりハイビームゾーンを広げながら、対向車や前走者のドライバーを眩惑させることもない画期的なシステムだという。
「今回、ボディパネルの継ぎ目の接着や溶接のスポット数を増やすことでボディ剛性を高めました。足回りの剛性についても見直しており、ステアリングフィールや、操舵に対する応答性が向上しています。また、標準ダンパーは低速域からしっかり減衰力が出るタイプに変更し、AVSの仕様は電子制御プログラムも一新したこともあり、乗り心地、操縦安定性のいずれもが改善しています。さらに、どの席においても乗り心地にはこだわりました。乗り心地の良さは、すでに高く評価をいただいているRXの強みの一つですから」
動的質感の向上が、ドライバーのみならずパッセンジャーのエクスペリエンスにも貢献しているところが、じつにRXらしい。加えて、新型RXには世界初のテクノロジーも採用された。「ブレードスキャン®・アダプティブ・ハイビーム・システム(以下ブレードスキャン®)」という新技術を用いたヘッドランプだ。従来のアダプティブ式の前照灯よりハイビームゾーンを広げながら、対向車や前走者のドライバーを眩惑させることもない画期的なシステムだという。
「本来ヘッドランプはハイビームで使うのが基本ですが、対向車に配慮してロービームで走るのが一般的になっています。対向車のドライバーには眩しさを感じさせずに、明るくできる範囲をできるだけ広げる。これがブレードスキャン®の目的です。具体的には、1分間に6000回転する円形ブレードにLEDを照射し、その反射光がレンズを通して前方を照らし出すのですが、適切なタイミングでLEDの照射を止めることで影を作り、照射範囲を細かく制御しています」
LEDの照射を受けたブレードが角度を変えながら、映写機のコマ映像のように明暗をとり混ぜたシークエンスを投げかけ、前方を照らす。ドライバーの目には残像効果で明るい部分しかないように見えるが、実際には、前走車や対向車の位置といった影にすべき範囲を感知して、照射範囲を制御するのだ。このシステムにより照射範囲をより広くすることができ、ドライバーが歩行者を認識できる距離が、従来の32メートルから56メートルに向上したという。
「このシステムは小糸製作所さんとレクサスが共同開発したのですが、もっとも苦労したのは、明部と暗部の境目をいかに違和感のないように制御をするかでした。RXは2世代目でステアリング操舵に連動して照射範囲を変えるAFS(Adaptive Front-Lighting System)を世界初で採用するなど、夜間ドライブの安心感や安全性に留意してきましたから、今回ブレードスキャン®を世界に先駆けて採用したのも、RXらしいといえるでしょう」
LEDの照射を受けたブレードが角度を変えながら、映写機のコマ映像のように明暗をとり混ぜたシークエンスを投げかけ、前方を照らす。ドライバーの目には残像効果で明るい部分しかないように見えるが、実際には、前走車や対向車の位置といった影にすべき範囲を感知して、照射範囲を制御するのだ。このシステムにより照射範囲をより広くすることができ、ドライバーが歩行者を認識できる距離が、従来の32メートルから56メートルに向上したという。
「このシステムは小糸製作所さんとレクサスが共同開発したのですが、もっとも苦労したのは、明部と暗部の境目をいかに違和感のないように制御をするかでした。RXは2世代目でステアリング操舵に連動して照射範囲を変えるAFS(Adaptive Front-Lighting System)を世界初で採用するなど、夜間ドライブの安心感や安全性に留意してきましたから、今回ブレードスキャン®を世界に先駆けて採用したのも、RXらしいといえるでしょう」
さまざまな人とライフスタイルに寄り添う車づくり
では、さらに進化した新型RXがユーザーに提供すべき価値について、加藤チーフエンジニアはどのように考えていたのだろう?
「RX自体が、ひとつのブランドだと思っています。初代がデビューした1990年代末は、都会的でスタイリッシュなデザインで、見晴らしも乗り心地もいいクロスオーバーSUV、といえばRXしか存在しませんでした。しかし今では、あらゆるメーカーから同様のコンセプトのSUVがリリースされています。だからこそ、RXでしか得られない価値って何だろうと、ずいぶん悩みました」
「RX自体が、ひとつのブランドだと思っています。初代がデビューした1990年代末は、都会的でスタイリッシュなデザインで、見晴らしも乗り心地もいいクロスオーバーSUV、といえばRXしか存在しませんでした。しかし今では、あらゆるメーカーから同様のコンセプトのSUVがリリースされています。だからこそ、RXでしか得られない価値って何だろうと、ずいぶん悩みました」
現代のRXはいかなるSUVであるべきか。加藤氏は開発中、その点について悩みつづけ、ある結論に達したという。
「時代を先取る先進技術を備えるのはもちろん、スタイリッシュなデザインと、それでいて十分な空間を両立するパッケージ、走らせたときの気持ち良さや快適性など、トータルで得られるのはRXしかないとお客さまに選んでいただける車。それこそがRXです」
ではRXのチーフエンジニアとして、レクサスが目指す今後の車づくりの方向性については、どのように考えているのだろうか。
「時代を先取る先進技術を備えるのはもちろん、スタイリッシュなデザインと、それでいて十分な空間を両立するパッケージ、走らせたときの気持ち良さや快適性など、トータルで得られるのはRXしかないとお客さまに選んでいただける車。それこそがRXです」
ではRXのチーフエンジニアとして、レクサスが目指す今後の車づくりの方向性については、どのように考えているのだろうか。
「車づくりは奥が深く、なかなかこうだと言うのは難しいですが、レクサスが目指すライフスタイルブランドを考えたとき、RXというのは最もそれを車として表現しやすいと思います。RXには3列モデルもあり、さらにキャプテンシートも追加しました。お客さまのライフスタイルに寄り添う車として、そして今後も進化し続ける車として、常にマーケットのメインプレーヤーであり続けたいと思います」
デザインから乗り味にいたるまで独自の個性を発揮しながらも、ユーザーのライフスタイルに寄り添う懐の広さを備えている。クロスオーバーSUVの草分けであるだけでなく、新たな時代へと進化しつづけるからこそ、RXが指し示す到達点は、常に注目を集めるのだ。
デザインから乗り味にいたるまで独自の個性を発揮しながらも、ユーザーのライフスタイルに寄り添う懐の広さを備えている。クロスオーバーSUVの草分けであるだけでなく、新たな時代へと進化しつづけるからこそ、RXが指し示す到達点は、常に注目を集めるのだ。