JOURNEY

富士山を独り占め。
「ふふ 河口湖」で森・水・炎・風を満喫する

2019.10.09 WED
JOURNEY

富士山を独り占め。
「ふふ 河口湖」で森・水・炎・風を満喫する

2019.10.09 WED
富士山を独り占め。「ふふ 河口湖」で森・水・炎・風を満喫する
富士山を独り占め。「ふふ 河口湖」で森・水・炎・風を満喫する

2018年10月に、富士山を望む河口湖の森にオープンした「ふふ 河口湖」は、都内から出かける週末のドライブ旅行に理想的なデスティネーション。五感を喜ばせる、大自然に抱かれたスモールラグジュアリーリゾートを紹介する。

Edit by Shigekazu Ohno(lefthands)
Text by Tamako Naoe(lefthands)
Photographs by Isamu Ito(lefthands)

木々の薫りとゆれる光。周囲の自然を中に引き込む、森と一体化したリゾート

東京からおよそ2時間弱のドライブで到着するのは、目の前に大きな富士山を望む河口湖。湖畔を見下ろす森の中にひっそりと佇む「ふふ 河口湖」は、モダンデザインながらも周囲の自然にしっくりと溶け込んでいる。館内のいたるところに使われた、敷地内の森からの贈り物である木材や石材を活かしたデザインがそう感じさせるのかもしれない。

カトープレジャーグループ代表取締役兼CEOの加藤友康氏は、初めて敷地を訪れた時に強く感じるものがあり、この地を選んだという。森の木だけでなく、土地の歴史や空気、風をも感じられるようにと館内の随所に飾られた、写真家/ストーンアーティスト 千房輝氏による近隣の森の四季を捉えたアートパネルやストーンオブジェも、五感を刺激する滞在を期待させてくれる。この土地の歴史や特性を活かしたインテリア、料理、香り、設え、居心地、サービスのすべてでおもてなしをする、総合プロデュースという形でのホスピタリティを紹介する。
ガーデンから見る「ふふ 河口湖」全景。1階はレストラン、その上はテラス。奥に宿泊棟がある
ガーデンから見る「ふふ 河口湖」全景。1階はレストラン、その上はテラス。奥に宿泊棟がある
敷地から採掘した石の形を活かし、千房氏がつくるコーヒードリッパー。各部屋にも設置されている
敷地から採掘した石の形を活かし、千房氏がつくるコーヒードリッパー。各部屋にも設置されている
まず通されるのが、心地よい陽射しが入り込むロビーラウンジ。大きなガラス窓の外に富士山と河口湖の絶景が広がり、まるで外の森との境界線がないような感覚を覚えるほどの開放感に包まれる。また、外から緑が引き込まれているかのように植栽されたインテリアグリーンがほどよい目隠しとなって、部屋に行かずともリラックス感を堪能できる。チェックアウト後も、雄大な富士山に見守られながら読書を楽しむ客たちの姿が目に入るが、その気持ちは手に取るようによく分かる。
富士山を正面に望むロビー。屋内にいながらも緑に包まれ、身体も心もリラックスできる
富士山を正面に望むロビー。屋内にいながらも緑に包まれ、身体も心もリラックスできる
富士山を真正面に望むテラスは、夕暮れ時には薪に火がともされ、ロビーのキャンドルと合わさり幻想的な雰囲気に変わる。眼下に広がるガーデンには4つの四阿のようなブースがあり、ドリンクやスナックなどを楽しむこともできるので、外に出てのんびりと過ごすのに最適だ。ガーデンにも薪を使ったファイヤーピットがあり、夕食後に炎を眺めながらくつろぐ人も多い。
ロビーから続くテラス。森の緑と風、心地よい陽射しを存分に楽しめる
ガーデンに設けられた「TSUTSUMU」と名付けられたブース
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ガーデンの「AKARI」にあるファイヤーピットに火が灯ると、静かで落ち着いた夜が始まる
ガーデンの「AKARI」にあるファイヤーピットに火が灯ると、静かで落ち着いた夜が始まる

全室が富士山ビューのスイートで、積極的に引きこもってみる

宿泊棟にあるのは、すべての部屋から河口湖越しに富士山を一望できる32室のスイートルーム。ドアを開けるとまず、オリジナルフレグランスの爽やかなグリーンウッドの香りが迎えてくれる。ロビー同様、部屋の中にも外と中の空間をつなぐグリーンベルトと呼ばれる植栽があり、眺めからも香りからも森の安らぎを感じることができる。一方で、バング&オルフセンのスピーカーや最新のドライヤーなど、高性能かつデザイン性の高いアイテムのセレクトに、確かな審美眼と細部へのこだわりを感じる。
ふふラグジュアリープレミアムスイート。バルコニーに、ハンモックや暖炉が設置されている
木の花コンフォートスイート
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部屋に入ったら、誰に気兼ねすることもないリゾート時間の始まりだ。部屋付きの富士溶岩を敷き詰めた露天風呂で温泉をゆっくり楽しむもよし、暖炉の炎を眺めながら読書に耽るのも、オリジナルの山梨ワインのグラスを傾けるのもいい。2部屋あるラグジュアリープレミアムスイートでは岩盤浴も設えてあり、ずっと部屋に引きこもって過ごしたくなる。1日の終わりには、シモンズと共同開発したという素晴らしい寝心地のベッドが待っている。部屋の設えだけでなく、サービスを気に入り、再訪するゲストがバトラーを指名することもあるという、スタッフの笑顔と心遣いによる最高のホスピタリティも重要なポイントだろう。
富士山の溶岩石を敷き詰めた露天風呂。西川温泉から引いた天然温泉が楽しめる
ラグジュアリープレミアムスイートにしかない岩盤浴室
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ここでしか食べられない、薪と溶岩石を使った目にも舌にも美味しい日本料理

滞在中は、レストラン「山のは」で料理長の星野正好氏が腕を振るう料理が、視覚を、そして味覚を喜ばせてくれる。星野氏は「季節に合わせた食材だけでなく、食器や調理法、溶岩を使ったプレゼンテーションなど、この土地だからこそ楽しめる食事を提供したい」と、新しい料理体験を提案している。またガーデンに面した席は、シアター席のように段差がつけられ、どこからでも外の景色を楽しみながら食事ができる。

朝食の「おめざ」では、季節の果物を使った富士山の銘水ゼリーが優しく身体を目覚めさせる。地元の老舗納豆や自家製豆腐を使った名物の豆腐グラタンや、野菜多めのおばんざいとけんちん汁は、おくどさん(御釜)で炊いた麦ご飯を何度もおかわりしてしまいたくなる美味しさだ。
朝食は富士山を眺めながら、富士五湖をイメージしたお皿で。
朝食は富士山を眺めながら、富士五湖をイメージしたお皿で。
夕食は、レストランのエントランスで焚かれた薪で炙った鰹から始まり、汁物、山の幸、海の幸と続く。盛り付けも美しく、味覚だけでなく視覚でも、さらには器を触れる触覚でも堪能できる。特に、香りを楽しむ富士桜ポークは絶品。エントランスの薪で自家製造される燻製は、フレッシュなローズマリーとタイム、セルフィーユの爽やかな香りとともにいただく。溶岩石の器でサーブされる山梨牛は、目の前でかけられるソースの弾ける音が食欲をそそる。サーブされる時の驚きと高揚感も含めた食のエンターテインメントは、スタッフが一丸となって取り組む総合プロデュースの賜物だろう。
夕食時、レストランのエントランスで焚かれる薪。奥には麦ご飯を炊く「おくどさん」が見える
山の幸・海の幸は様々な料理技術が活かされた一品。星野料理長はメインと同じように楽しんで欲しいと話す
山梨の富士桜ポークが桜チップでスモークされている。蓋を開けた時の香りとビジュアルのインパクトは格別
富士山の溶岩を使った器に、山梨牛は片面を焼いた状態でテーブルへ運ばれ、目の前で仕上げられる
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アペリティフやディジェスティフには、この地に育ったケヤキの一枚板が贅沢に使われたカウンターが自慢のバーで、オリジナルカクテルを。窓に映り込んで揺れる無数のライトが星空を想起させる空間は、美しくも幻想的。ソファーはすべて異なるデザインなので、座り心地を確かめながら、お気に入りの席を見つけて欲しい。
ケヤキの1枚板のカウンターが素晴らしいバー
森のグリーンをイメージしたオリジナルカクテル「FOREST」
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五感で森・水・炎・風を感じるアクティビティを楽しむ

「ふふ 河口湖」はオリジナルのアクティビティも提供している。例えばエコツーリズムを取り入れたプランでは、静かな湖に漕ぎ出し無人島でコーヒーを嗜むカヌーツアーや、富士山麓の森のトレッキング、冬季は星空を眺めに行くツアーなどもあり、この特別なホテル滞在を象徴する森、水、炎、風を満喫することができる。
自然に浸り、五感を刺激するアクティビティ。カナディアンカヌーのツアー(複数のツアーあり)
自然に浸り、五感を刺激するアクティビティ。カナディアンカヌーのツアー(複数のツアーあり)
自然に浸り、五感を刺激するアクティビティ。樹海ネイチャーツアーで歩く森
自然に浸り、五感を刺激するアクティビティ。樹海ネイチャーツアーで歩く森
また、宿泊している客室でトリートメントを受けられるSpa by sisleyの「インルーム ラグジュアリー スパ」を世界で初めて採用しており、プライベート空間で極上のトリートメントが体験できる。富士山に見守られながら、セラピストの高い技術力と、植物の恵みを閉じ込めたシスレーのスキンケアクリームで、日常から解き放たれる時間をゆっくりと楽しみたい。
富士山を眺めながら受けられる、大自然に溶け込む感覚のインルーム ラグジュアリー スパ トリートメント
スパから楽しめる雄大な富士山の眺め
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植物美容学(フィトコスメトロジー)と、先端テクノロジーの融合から生まれたシスレーのスキンケア製品
植物美容学(フィトコスメトロジー)と、先端テクノロジーの融合から生まれたシスレーのスキンケア製品
1週間、よく頑張ったと思ったら、ボストンバッグひとつでクルマに飛び乗ろう。富士山を独り占めするスモールラグジュアリーリゾートで、五感を喜ばせるひと時を自分にプレゼントしてみてはいかがだろうか。

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