CAR

自らのスタイルを車で表現する楽しみ

レクサス・パーソナライズプログラムの魅力をファッションディレクター森岡弘氏が語る

2019.10.02 WED
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自らのスタイルを車で表現する楽しみ

レクサス・パーソナライズプログラムの魅力をファッションディレクター森岡弘氏が語る

2019.10.02 WED
自らのスタイルを車で表現する楽しみ レクサス・パーソナライズプログラムの魅力をファッションディレクター森岡弘氏が語る
自らのスタイルを車で表現する楽しみ レクサス・パーソナライズプログラムの魅力をファッションディレクター森岡弘氏が語る

ファッション好きにとって、自分の美意識に合ったスーツやジャケットを誂えるのは、究極の楽しみといえるだろう。そもそも服は、社会に対し自らを表現するうえで重要なアイテムだからだ。車がライフスタイルアイテムとして捉えられるようになった昨今、車にも同様のことを求める人が多いのではないか。そこで今回は、広告や雑誌で活躍し、車好きでもあるファッションディレクターの森岡弘氏に、自らの感性や価値観に合った1台を仕上げることの魅力について語ってもらった。
※こちらの記事はLEXUSから森岡弘氏に依頼したコメントを編集して掲載しています。

Text by Kazuhiro Nanyo
Photographs by Atsuki Kawano

プレミアムなアイテムほど、自分の感性に合ったものを手に入れたい

車を購入する際、白や銀のボディカラーに黒の内装のような無難な組み合わせを選ぶ人は多いだろう。もちろんそうした定番色は、フォーマルな印象になるとか、ボディの汚れが目立ちにくいといったメリットもある。また多くの人にとって、下取りの際に有利な条件を引き出せることが、内外装色を選ぶうえでの金科玉条だろう。しかし、そうした理由だけでボディカラーやインテリアの仕様を決めるのは、本来的な意味でのラグジュアリーと呼べるのだろうか?

「服でいえば、無難なものを吟味せずに手に入れるのはファストファッション的な感覚に近い気がします。それで十分な方もいると思いますが、一方でプレミアムなアイテムほど、オーダースーツを仕立てるように、パーソナライズで自分の感性や美意識に合ったものを手に入れたいというニーズがあると思います」
レクサスLSのドライバーズシートでインテリアをくまなく確認する森岡氏
レクサスLSのドライバーズシートでインテリアをくまなく確認する森岡氏
こう述べるのは、数々の広告や雑誌でファッションディレクターとして活躍するだけでなく、著名人や企業幹部などビジネスパーソンのスタイリング・コンサルタントも務めるスタイリストの森岡弘氏だ。

「僕は独りで運転するのが好きなので、オーディオの音やイルミネーションの雰囲気も含め、クルマのインテリアは満足度の高い空間であってほしいと思っていました。でも、オーダースーツのように“仕立てる”ことを楽しむ、パーソナライズの可能性が開けていることは知りませんでした」
LSのリアシートにも収まり、レザーの質感もチェック
LSのリアシートにも収まり、レザーの質感もチェック
東京のレクサスギャラリー(注)を訪れ、早々に、LSのトパーズブラウンという濃いブラウンのダッシュボードとベージュのレザーシートによるシックなツートーンのインテリアを目の前にして、森岡氏は目を輝かせる。

ボディカラーサンプルがオブジェのような形状をしている理由

「レクサスのパーソナライズプログラムは、国内での販売が始まってから10年以上続いております。レクサスは基本的に在庫車販売ではなく、お客様のオーダーが入ってから工場で生産いたしますが、納期は標準で60日。これは、他ブランドにはない、国内のラグジュアリーブランドならではのメリットだと思います」。レクサスギャラリーのマネージャーである田原基拡氏はそう説明する。
レクサスギャラリーのマネージャー、田原基拡氏。さまざまなサンプルを駆使して丁寧に説明してくれた
レクサスギャラリーのマネージャー、田原基拡氏。さまざまなサンプルを駆使して丁寧に説明してくれた
「標準で2カ月という納期は、絶妙ですね。オーダーの後、納車までのテンションが持続するちょうどいい長さ。好みのボディカラーや内装色を選んで、オーダーしたものの仕上がりをワクワクして待つ楽しみという点では、テイラーでスーツを誂えるのに似ていますね」

そう語る森岡さんに田原さんは椅子を勧め、「こちらはLS用ですが」と前置きしつつ、カラーや素材のサンプルを載せたプレゼンテーション用のワゴンを披露した。

「レクサスの各モデルに応じて用意されるカラーは、その世界観やキャラクターが反映されているため、プレゼンテーションのキットもモデルごとに異なります。例えばLSやESは、やはり上質で落ち着いたカラーが中心ですが、“Fスポーツ”のようにスポーティな仕様の場合はそのイメージに即したカラーもご用意しています。

また、例えばCT200hは女性からの人気も高いモデルですので、外装色にはビビッドカラーも多く、全13色から選べます。さらに屋根の部分のみブラックにペイントしたブラックルーフなどツートーンも8パターン、内装色は6色が用意されるなど、パーソナライズの幅が広いのです。」
オブジェのような形状をしたレクサスLSのボディカラーサンプル
オブジェのような形状をしたレクサスLSのボディカラーサンプル
まるでオブジェのような形状をしたボディカラーのサンプル、あるいはエルアニリンレザーの内装素材用サンプルに手を伸ばし、実際の色合いや触感を興味深そうに確かめる森岡氏。

「テイラーでスーツやジャケットを仕立てる際に生地を選ぶプロセスに、とても似ていますね。それにしても、ボディカラーのサンプルが不思議な形状をしているのは、なぜなのですか?」

「車のボディは立体的な上に、さまざまな面やエッジで構成されているため、どの角度から見るかで、光の映りこみが異なってくるため、車の印象が変わってきます。これは平面のサンプルではわかりづらく、立体のカラーサンプルを使用することで、実際のボディに近い状態でカラーを確認できます。朝の自然な光と夜の街中での街灯では自分の車が違って見える。そういった微妙なニュアンスも確かめていただきたいと思っています」
真剣な面持ちでボディカラーサンプルをチェックする森岡氏
真剣な面持ちでボディカラーサンプルをチェックする森岡氏
「なるほど、シミュレーション画像をモニターで確認するよりも、実際の質感やグラデーション感が、はるかに想像しやすいですね。確かに、自分の車を外から眺めたときと、街でショーウインドウに映っている姿が目に入ったときで、ちょっと違って見えたりすると、愛車への愛着が増すこと、ありますからね」。深くうなずきながら森岡氏はそう語る。

他ブランドにはないオプションも積極的に展開

ちなみに、例えばスポ―ティな一台に仕立てる際は、インテリアのオーナメントパネル類にカーボンやメタルタイプがプレフィックスされているなど、ある程度コードが定められているので、いわゆる“ミスマッチ”な仕上がりになる心配はないと、田原氏は語る。

「また、ボディカラーにパールやマイカといった色を選んでも一部の特別色を除き追加料金はいただいておりません。お好きな外装色と内装色を、お客様に自由に選んでいただいて、ご自分だけの一台を楽しんでいただくのが目的ですので。ただ、シートやダッシュボードに特別な素材を採用したり、オーナメントにスペシャルな装飾を選んだりするのは、オプションになります。

他ブランドにはないオプションも積極的に展開しています。レクサスにとって日本ならではのクラフトマンシップは重要なテーマですが、例えばLSにはインナードアパネルに切子調のガラス細工の加飾を用意しています。輸入ブランドとはまたひと味もふた味も異なる、和の匠の技を楽しんでいただけると思います」
内装のレザーも実際に手に取って確認しながらセレクトできる
内装のレザーも実際に手に取って確認しながらセレクトできる
ところでレクサスでは、希望者にはディーラーで納車式を行っている。オーナーがクルマと初めて出会う瞬間はメモリアルな体験であり、それを盛り上げるのは、おもてなしの一部と捉えているからだと田原氏は語る。ラグシュアリーとは、オーナーとクルマの関係に寄り添う姿勢でもあるのだ。

匠の技によるアートウッドの素材サンプルの加工の妙に感心しながら、森岡氏は、エクスペリエンスにおけるブランド価値について語り始めた。

「航空会社を例にすると、現代において飛行機に乗ることとはA地点からB地点へ、ただ移動するためだけの商品じゃないと思います。空港のチケットカウンターでの搭乗手続きに始まり、スタイリッシュなラウンジでの休息、デザイン性の高い機体と、搭乗する前から到着するまでにおいて気配り、クオリティの高い体験や満足感を提供すべく、各社しのぎを削っています。

車についても、ディーラーを訪れた瞬間から、ブランド体験が始まるわけですよね。そこで丁寧な説明を受けながら自身のスタイルや美意識を反映させた車がオーダーできたら、オーナーは愛車に対して、単に走る・曲がる・止まるといったパフォーマンスを越えた満足感を得られるでしょうね」
オーナメントパネルのサンプルも豊富に用意されており、実際に触れながら選ぶことができる
オーナメントパネルのサンプルも豊富に用意されており、実際に触れながら選ぶことができる
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そう言うと、ギャラリーに展示されたLXNXなど、各モデルを熱心にチェックする森岡氏。自身でパーソナライズプログラムを活用するとしたら、どんな方向に仕立てるのだろう?

「少しスポ―ティに、青いボディにオフホワイトの内装を組み合わせたり、あるいはオレンジ系などコントラストが強めの少し個性的な雰囲気が気になります。それでもシックな雰囲気は、どこかに漂わせたいですね。

ファッションもクルマも、ヨーロッパほど装いのコードに縛られていない点は日本の強みでもありますが、正しいコードを意識しつつも、“これはアリ?”というギリギリのグレーゾーンを見据えて、絶妙にスタイルを崩していくのが今の時代感に合っていると思います。

例えば紺のブレザーはクラシックの定番アイテムで、グレーのウールパンツやチェック柄のパンツを合わせればドレスコードに則った正しい着こなしですけれど、テイスト通りのスタイルだと、今では“クラシックのコスプレ”に見えるときもあります。そこにどういうアレンジを加えて自分らしさを表現するか、というのが審美眼を備えた現代の大人の楽しみだと思います。

服に較べてクルマは購入する機会が圧倒的に少ないですから、その分、真剣にパーソナライズに挑戦して、楽しまないともったいないですよね」
ホワイトのボディにブルー&オレンジのインテリアを組み合わせたいと森岡氏は語る
ホワイトのボディにブルー&オレンジのインテリアを組み合わせたいと森岡氏は語る
確かに、色や素材、仕上げや加工の組み合わせを、自分の好みで選ぶパーソナライズは、ちょっとした冒険でもある。しかしそれは、自分の感性や価値観に合った特別な1台を手に入れるという、非常にぜいたくな体験でもあるのだ。

(注)レクサスギャラリーは販売店ではなく、レクサスブランドの価値を体感できる特別なショールームです。

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