VISIONARYMAGAZINE BY LEXUS

EXPERIENCE

四国最南端の地にスノーピーク初、“海のキャンプ場”が誕生。野遊びを通じた、スノーピーク流の地方創生とは

2019.07.10 WED
四国最南端の地にスノーピーク初、“海のキャンプ場”が誕生。野遊びを通じた、スノーピーク流の地方創生とは

日本を代表するアウトドアブランドのひとつ「スノーピーク」。“野遊びのある生き方”を発信し続ける彼らはいま、地方創生に関わる取り組みにおいても一目置かれる存在だ。本記事では、彼らが四国最南端の地にオープンさせたキャンプ場を通して、スノーピーク流「地方創生」に迫る。

Edit by Shigekazu Ohno(lefthands)
Text by Kaori Kawake(lefthands)
Photographs by Kobayashi Daisuke

SHARE

この記事をシェアする

こちらの記事は音声でもお楽しみいただけます。

COLLABORATED WITH

自然と人、人と人とをつなぐ野遊び

「オートキャンプ」に新たな価値を見いだしながら、自然指向のライフスタイルを提案してきたスノーピーク。創業地である新潟県燕三条から発信する、デザイン性と機能性を兼備したアイテムは、日本のみならず世界中に熱狂的なファンをもつ。さらに、キャンプに関する知識を活用した地方創生コンサルティング、地域活性化事業を展開。その手腕は、全国の地方自治体から注目を浴び、いまや引く手あまただという。

スノーピークが手掛ける地方創生とは、一体どのようなものなのだろうか?その秘密を探るべく、2019年4月27日、四国最南端に位置する土佐清水市にオープンした、スノーピークとして6拠点目となる直営キャンプフィールド「スノーピーク土佐清水キャンプフィールド」を訪ね、事業の担当者である同社執行役員の上山 桂氏に話を聞いた。
フォーマルな装いにキャンプ用の「タキビベスト」をまとった上山氏。装いからもアウトドアに新風を吹き込む
フォーマルな装いにキャンプ用の「タキビベスト」をまとった上山氏。装いからもアウトドアに新風を吹き込む
「キャンプには“自然と人をつなぐ”と同時に“人と人をつなぐ”効果があります。キャンパー同士がつながり、一生の友になるというケースはよくあります。全国各地から来たお客さまは、地域の人ともつながっていくんですね。それは、新たな人の流れを創出し、交流人口を増やすという、地方創生に欠かせない課題をクリアする糸口になるのです」

モニタリングキャンプがもたらす効果

スノーピークが携わる地方創生に欠かせないプロセス。それが「モニタリングキャンプ」と呼ばれるものだ。

モニタリングキャンプでは、行政の担当者や地域の方、エンドユーザーを含めた10組ほどを招き、一緒にキャンプをする。この体験は、事業を運営する側にとっては地域の特徴を探る絶好の機会となり、地域の方にはエンドユーザーとつながる機会となるため、双方にとってメリットがあるという。

「今回のモニタリングキャンプでは、『せっかく時間をかけて海の近くのキャンプ場まで来たのに、海が見えないのは残念だ』と、キャンパーから声が上がりました。その声を活かし、サイトから海が見通せるよう、行政に働きかけて木々を間引いてもらいました」
グラウンドはしっかりありながらも、近くに海を感じることができるサイト
グラウンドはしっかりありながらも、近くに海を感じることができるサイト
このプロセスでは、行政側もキャンプの価値を理解し、ハード面においてキャンパーが何を求めているかを、身をもって体験できるという点でも大きな意味をもつ。そういった背景を理解してもらうことで、交渉事も円滑に進んでいくのだという。

海を感じながらキャンプを楽しめる「スノーピーク土佐清水キャンプフィールド」は、こうしたプロセスがあったからこそ完成したといえる。
キャンプフィールドから一歩踏み出すと、目の前には透き通るような海が広がる
キャンプフィールドから一歩踏み出すと、目の前には透き通るような海が広がる

回遊性が事業継続を可能にする

行政とともに創り上げたキャンプフィールドを運営し、事業として継続させていくのも、スノーピークが担う大事な使命だ。

オープン初日の「スノーピーク土佐清水キャンプフィールド」には、県内外から多くのキャンパーが詰めかけ、早くもにぎわいを見せていた。この集客力の秘密はどこにあるのだろうか?

集客のきっかけのひとつとなっているのは、各キャンプフィールドで販売している限定グッズだという。Tシャツやタンブラーなど、その土地でしか買えないグッズを目当てに、キャンプフィールドを回るお客さまも多いというから驚きだ。確かに土佐清水でも、多くのキャンパーたちが限定のTシャツを身にまとって楽しんでいた。
土佐清水キャンプフィールド内のショップには、キャンプ道具の他、地域ならではの食べ物や限定品が並ぶ
土佐清水キャンプフィールド内のショップには、キャンプ道具の他、地域ならではの食べ物や限定品が並ぶ
しかし、キャンパーたちがスノーピークの運営するキャンプフィールドへと足を運ぶ何よりの理由は、“人”にあるという。

「野遊びを通じて関係性を深めてきたお客さまとの間には、強い絆が生まれます。モニタリングキャンプに参加した地元の方や他の地域のキャンプフィールドで仲良くなったお客さまの多くが、我々に会いにキャンプフィールドへと足を運んでくれるのです」と上山氏。

また100店舗にも及ぶ小売店は、スタッフがお客さまに情報を発信するメディアとしての役割を果たしているという。接客では商品の良さだけではなく、各キャンプフィールドの特徴をお客さま一人一人に伝えて送客につなげているのだ。一方、キャンプフィールドは、野遊びの価値、商品の良さを発信するリアルメディアとして機能し、新たなファンを生み出すことで、小売店舗や他のキャンプ場へとお客さまを送り出している。

この集客と送客の相互関係から生まれる回遊性こそが、スノーピークの強みであり、事業成功の鍵を握っているという。
連休を利用して、スノーピークを含むいくつものキャンプ場を巡り、アウトドアを堪能する家族
連休を利用して、スノーピークを含むいくつものキャンプ場を巡り、アウトドアを堪能する家族
野遊びを通じて仲良くなった家族が集まり、ともにキャンプを楽しむ。スノーピークスタッフとも顔の知れた仲
野遊びを通じて仲良くなった家族が集まり、ともにキャンプを楽しむ。スノーピークスタッフとも顔の知れた仲

モバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」が持つ役割

土佐清水キャンプフィールドには、「住箱(じゅうばこ)」と呼ばれるトレーラーハウスもある。世界的な建築家である隈 研吾氏がデザインを手掛け、スノーピークと造り上げたものだ。
12棟のモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」が立ち並ぶ。キャンパーでなくとも、気軽に利用できる
12棟のモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」が立ち並ぶ。キャンパーでなくとも、気軽に利用できる
これは、日帰りになりがちな観光を滞在型に変えるべく、宿泊施設を造ってほしいという、土佐清水市たっての願いをかなえるために取り入れたものだという。

「初めは、ゲストハウスやビジネスホテルのようなものをイメージしていました。しかし、それではスノーピークの世界観を担保するのは難しい。スノーピークらしい宿泊施設とはなんだろうと考え行きついたのが、我々が手掛けている住箱の導入でした」
スノーピークの世界観を体現したモバイルハウス「住箱」。外ではバーベキューも楽しめる
スノーピークの世界観を体現したモバイルハウス「住箱」。外ではバーベキューも楽しめる
ベッドや水回り、エアコンも完備し、自然を身近に感じながらも快適に過ごせる
ベッドや水回り、エアコンも完備し、自然を身近に感じながらも快適に過ごせる
木のパネルからなる住箱は、キャンプフィールドの風景となじみ、人と住まい、そして自然を柔らかにつなぐ。

「住箱は車両ですから、強風が吹けば揺れ、外の虫の声も聞こえてくる。アウトドアにちょうどいい安心感と心細さを、絶妙なバランスで感じられる寝床です。高さを変えた2つの窓からは、キャンプフィールドの自然を見渡すことができ、ホテルの部屋に泊まるのとは感覚が大きく異なるんですね。自然を感じて、人間らしさを取り戻すというスノーピークの思想を体現しています」

ハード面は出来上がったが、一方でソフト面においては、まだスタート地点に立ったところだと話す上山氏。

「タイムリミットはありませんので、地域の文化や自然を最大限に活かし、地元の方々といっしょに楽しみながら、盛り上げていきたいと思っています」

スノーピーク土佐清水
高知県土佐清水市三崎字エジリ4145番1
Tel.0880-87-9789
https://sbs.snowpeak.co.jp/tosashimizu/shop/index.html(キャンプの予約はこちらから)
https://www.snowpeak.co.jp
記事一覧へ

RECOMMENDED

あなたへのおすすめ

RANKINGランキング
Daily
Weekly
PICKUP今週の編集部おすすめ記事

    RELATED

    関連リンク

    FOLLOW US

    Mail News

    レクサスの最新情報をお届けしています。
    VISIONARYの記事情報も配信中。

    Twitter

    VISIONARYの最新記事や過去の人気記事を投稿します。

    配信通知

    VISIONARYの最新記事をプッシュ通知でお届けします。

    RANKINGランキング
    Daily
    Weekly
    PICKUP今週の編集部おすすめ記事
      FOLLOW USVISIONARYの最新情報をお届けします。
      • Mail News
      • Twitter
      • 配信通知