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ユーザーもモノ作りの当事者に!
D2Cによる作り手と使い手の「温かいつながり」

2019.05.27 MON
ユーザーもモノ作りの当事者に! D2Cによる作り手と使い手の「温かいつながり」

D2C(ディー・トゥ・シー)という言葉を、あなたはご存じだろうか。もともとはマーケティング業界の専門用語だったが、今では若き起業家たちにとって、「新しいモノ作り」を象徴するキーワードとなっている。

Text by Yasuhito Shibuya
Photographs by Atsuki Kawano

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若き起業家たちの手で進化するD2Cビジネス

レクサスは、ベンチャーキャピタル(VC)のB Dash Venturesが開催する起業家イベント「B Dash Camp」に協賛するなど、若い起業家たちの新しいビジネス、新しいモノ作りを積極的に支援してきた。そんな若い企業家たちの間で今キーワードになっているのが、“D2C(ダイレクト・トゥ・カスタマー)”、という言葉だ。

D2Cは、当初はインターネットを活用して、消費者へ直接的に商品を販売するビジネスモデルを意味した。しかし、彼ら若い起業家たちは、D2Cを単なる「消費者へのダイレクト販売」ではなく、さらに高度で魅力的なビジネスモデルに昇華させて、新しい時代を拓きはじめているのだ。

彼らは、インターネットでの販売のみならず、ホームページやSNS、そしてアプリなど自社メディアを通じて得られたカスタマーからの声(フィードバック)を商品の企画・開発・製造に徹底的に活用。カスタマーの希望や意見を反映させた商品を、驚くほどスピーディーに提供するという、D2Cの新しいビジネスモデルを確立し、ユーザーから高い支持を得ているのだ。

「新しいD2C」を実践する起業家が一堂に会す

では、D2Cの新しいビジネスモデルとは、具体的にどのようなものなのか。それを実践する若き起業家たちが一堂に会し、D2Cへの取り組みについて語るイベントが、去る2019年4月11日、東京・青山の「INTERSECT BY LEXUS TOKYO」で開催された。
ファッションや食、家具など、それぞれの分野でD2Cブランドを手がける若き企業家たち
ファッションや食、家具など、それぞれの分野でD2Cブランドを手がける若き企業家たち
「D2C Brand Showcase 2019SS GAME CHANGER in D2C Brand empowered by LEXUS ES」と名付けられた本イベント。D2Cモデルにより日本初のパーソナライズヘアケアブランド「MEDULLA(メデュラ)」を立ち上げ、2018年10月に開催された「B Dash Camp 2018 Fall in Fukuoka」のプレゼンバトル「ピッチアリーナ」でレクサス賞を受賞したスタートアップ、Sparty(2018年5月創業)が、ブランド全面リニューアルに際して企画したものだ。Spartyのもとに、ファッションや食、家具など、さまざまな分野のイノベーティブなD2Cブランド10社が集結した。
Sparty代表取締役の深山陽介氏は、今回のイベントの主催者としてD2Cの可能性について語った
Sparty代表取締役の深山陽介氏は、今回のイベントの主催者としてD2Cの可能性について語った

SNSはD2Cによる商品作りに不可欠のプラットフォーム

D2Cの新しいスタイル、ビジネスモデルの核心がストレートに語られたのは、「これからのユーザーとブランドの新しい関係とは」と題された冒頭のスペシャルトークだった。

登壇したのは、いずれもD2Cに関わるビジネスを展開し、その可能性を追求している3人。まずは、「ゆうこす」の名で、「モテたい」という願望を実現させるための方法をSNSで精力的に発信するだけでなく、自身でファッションブランドや化粧品ブランドも立ち上げた菅本裕子氏。アイドルグループHKT48の元メンバーとして活躍していたことでも知られる人物だ。

2人目は、前述の「MEDULLA」や、菅本氏のスキンケアブランド「youange(ユアンジュ)」の商品開発・製造を担当するサティス製薬の代表取締役、山崎智士氏。

そして、クリエイティブディレクターとしてスタートアップのブランド設立やマネージメントを支援する三浦崇宏氏という顔ぶれだ。
左から、三浦崇宏氏、菅本裕子氏、そして山崎智士氏
左から、三浦崇宏氏、菅本裕子氏、そして山崎智士氏
まず菅本氏は、自身がスキンケアブランドを立ち上げた経験から、D2Cによる従来にないブランド作り、モノ作りについて語った。

「HKT48でアイドルとして活動していたときは多忙だったので、『寝ている間にスキンケアしてくれる化粧品』があればいいなと思っていました。それをInstagramやTwitterなどを通じて2万数千人のフォロワーに発信すると、彼女たちからも大きな反響があり、実際にそんな商品を作れたらと考えるようになったんです。
時を同じくして、サティス製薬さんとの出会いがあったことで、『youange』というブランドを設立することになり、私やみんなの想いをかなえるための第一歩を踏み出せました。
D2Cによる商品作りでは、完成するまでのカスタマーとのやりとりが、そのまま商品の魅力として結実します。つまり、カスタマーに積極的にモノ作りに参加してもらうことで、商品は彼女たちにとってさらに魅力的なものになるのです」
  • 会場ではD2Cブランド10社が手掛けるさまざまな商品が展示されていた
  • 会場ではD2Cブランド10社が手掛けるさまざまな商品が展示されていた
  • 会場ではD2Cブランド10社が手掛けるさまざまな商品が展示されていた
一方、製品作りを担当する立場から、D2Cのメリットについて語ったのは山崎氏だ。

「D2Cに対応するようになって、仕事のやり方が変わりました。従来の通販の時代から、実はユーザーと企業はつながっていました。クレームなどのかたちでフィードバックがありましたから。しかし、従来はこのフィードバックを充分に商品開発に反映させることができませんでした。
ところがD2Cならば、ユーザーからのダイレクトな声を商品の改良や企画にスピーディーに活かすことができます。どこをどうすればいいのか、ユーザーの具体的な声が届くので、これまでより確実に、ユーザーのニーズに合った商品を提供できるようになりました」

山崎氏によると、たとえばオーダーメイドシャンプーを手掛ける「MEDULLA」を例にとると、従来の“商品企画・開発→生産→販売”というフローが、“商品企画・開発→販売→生産”という流れに変わる。メーカーとしては従来型の方がはるかに効率的だが、“顔が見える顧客”に対してモノ作りが行えるため、作り手としてのモチベーションが高まったという。

さらに三浦氏は、ブランドを支援するクリエイティブディレクターの立場から、D2Cが実現した「ユーザーとブランドの新しい関係」と、その豊かな可能性について言及した。

「D2CのブランドがInstagramやYouTube、TwitterなどSNSを活用してユーザーを巻き込むことで、ユーザーは“商品作りの当事者”になります。いわば商品開発の過程までが、ユーザーにとっては商品の一部になるとも言えるでしょう。D2Cにより、ユーザーと作り手が一体になる商品作りが実現したことで、彼らの間には、これまでにない新しい関係が生じたのです」
  • 今回のイベントを演出したクリエイティブカンパニーNAKED Inc.によるVR体験コーナーも出現
  • 今回のイベントを演出したクリエイティブカンパニーNAKED Inc.によるVR体験コーナーも出現

D2Cが実現する「温かい」関係をどう活かすか

上記3名の言葉から見えてくるのは、D2Cによるビジネスモデルにおいて、ブランドとユーザーはよりよい商品づくりのために、いわば“共創”を行っているということだろう。実際、菅本氏はD2Cのビジネスを通して、ユーザーとの間に“温かいつながり”が築けたと語る。ユーザーとダイレクトにつながることで、従来のマーケティングデータとは異なる生の声を商品作りに活かせるからだ。

D2Cというビジネスモデルでは、ブランドがこの「温かいつながり」をどう活かし、ユーザーとどう“共創”していけるかによって、事業の成否が左右される。ユーザーもブランドも共に幸福な関係を築くことができれば、ビジネスの可能性は大きく拡がるだろう。
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