VISIONARYMAGAZINE BY LEXUS

CULTURE

「Lifegenic Table Beyond the Box」リポート──
共創がもたらす僕らの未来 後編

2019.01.18 FRI
「Lifegenic Table Beyond the Box」リポート──共創がもたらす僕らの未来 後編

レクサスの最新クロスオーバーモデル「UX」のローンチを記念して行われたスペシャルイベント「Lifegenic Table Beyond the Box Special Talk Session」のリポート。後編では、UX の加古慈チーフエンジニアも加わり、ムラカミカイエ氏やミレニアル世代のクリエイターたちとトークセッションを展開する。

※本記事は後編です。前編はこちらから。

(読了時間:約8分)

Photographs by Jun Miyashita   

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共創としてのクルマづくり

岡田 それでは、レクサス UX のチーフエンジニア・加古 慈さんにも“共創”体験をお伺いします。

加古 慈(以下、加古) クルマづくりそのものが“共創”体験であります。私が務めるチーフエンジニアという役割は、オーケストラの指揮者に例えられます。オーケストラには、それぞれの楽器でパートリーダーによってまとめられた組織があり、同じ楽器同士内外でのコミュニケーションが絶えず起きています。クルマなら、エンジンの性能を上げるためにエンジン以外の分野のプロたちともコミュニケーションを図 らなければならないのです。これはすごく大変なことですが、同時にすごく面白い体験でもありました。

ムラカミ 加えて、そこにいい“共創”を促すためのよきリーダーの存在も不可欠ですね。個々のアイデアを引き出し、それをいかにドライブさせ、高いレベルでまとめるかも重要になってくるのではないでしょうか。

加古 UX の開発では、一つのパートの問題を解決するために、あらゆるパートのみんながいろんなアイデアを出してくれる環境が整っていました。

ムラカミ まさに“共創”ですね。そのためにも全ての参加者が、お題に対してすぐに自分なりの答えを発言したり、提案できる力を養っていくことが大切ですね。スピード感を持ってバリエーション豊富な回答が溢れるようになれば、コラボレーションは加速化し、より濃厚な“共創”が実現できるはずです。
輪になり、クリエイター陣と一般参加者、そしてレクサス関係者がフラットに意見を交換した
輪になり、クリエイター陣と一般参加者、そしてレクサス関係者がフラットに意見を交換した

これからの“共創”のあるべき姿とは

岡田 ここからはこれからについて話していっていただきます。題して「“共創”がもたらす僕らの未来」です。未来と聞いて、いかがですか?

Licaxxx 2、3 年先と 5 年先と 10 年先と、それぞれ未来の感覚が変わってきますが、基本的に私は詳細な目標設定というよりは広がった人脈と自分のしたいことに合わせて、今やらなければいけないことを考えています。

いろんな人たちとパーティを国内でしてきましたが、これまでの拠点が国内のクラブだったので、海外にも出ていきたいですね。メディアの方でも、若手の DJ をどんどん取り上げていきたいです。

DJ って基本一人だから寂しくて、一人じゃできないことがたくさんあるのに。だから、こんな人とこんなことしてみたいと思っています。

安田 僕は2年後くらいまでにやりたいことが決まっています。ちゃんとしたお酒とちゃんとした音楽が楽しめるクラブをつくりたいんです。そういうお店はなかなかない、だから僕がつくりたいんです。
質問をする一般参加者
ミレニアル世代の一般参加者も積極的に意見を交わした
ミレニアル世代の一般参加者も積極的に意見を交わした
ムラカミ そういう当たり前が存在していないことが驚きですよね。でも、いいお酒にいい音楽という発想は当たり前に思えますけど、音楽とお酒について横断した知識を持っていないと実は出てきませんよね。

Licaxxx 高級レストランでも、雰囲気に合わないような音楽を流しているように感じることがありますね。

ムラカミ 賢太郎くんの夢は?

江本 昨日の「kabi」の1周年記念イベントで朝まで飲んでいたのですが、音楽がガンガンにかかっているなかで僕らが自由に食事をつくって、みんなが自由に食べたいものを食べて飲みたいものを飲む、その感じがいいなと思ったんです。こういうことをしているお店は日本にはあまりありません。アラカルトとかを出しながら小さな空間でもいいので、バイブスを感じる勢いのある場をフードシーンでつくりたいです。

岡田 小林さんはいかがですか?

小林 自分は、VR やロボットなどのいわゆる未来的なガジェットを扱う人とコラボレーションすることが多かったので、10〜20年後にテクノロジーがどのように発達し、人とテクノロジーがいかにして共生していくかをよく考えさせられます。

その時に問われてくるのは、生き物らしい人のあり方であって、その最たるものが群れだと思うんです。これまでは個人主義で散っていったのが、もう一度群れになることでチームワークを発揮し、そこにテクノロジーが加わることでかっこいい社会が出来上がるのではないかと期待しています。今後は、群れの美学が問われてくる時代がやってくると感じています。

ムラカミ みんなの話から感じるのは、別に企業のように組織の枠組みにはまっていない、ゆるいつながりでも何か大きなことができるんじゃないかと肌で感じているってことですよね。
イベント終盤のネットワーキングタイムでは、kabi のフードを楽しみながら各自が交流を深めた
イベント終盤のネットワーキングタイムでは、kabi のフードを楽しみながら各自が交流を深めた

僕たちの未来

岡田 それでは、ここでレクサスの方にも「クルマにおける“共創”の未来」についても語っていただきます。

星賀 Lexus International の星賀と申します。社内での“共創”がクルマづくりの原点です。ですが、その“共創”の輪は社外や異なる分野にまで広げられてこなかったように思います。シェアリングや自動運転など、自動車を取り巻く環境が変わり、これから輪を広げていく必要が一層増します。そうすることで我々が元から持っていた価値と足りなかったことが可視化されるはずで、その先にクルマの未来やクルマにまつわる新しいサービスが見えてくるのではないでしょうか。

その時にレクサスは単にモビリティではなく、ライフスタイルブランドとして音楽やアートに食などの分野までをも包括して社会に提案していくことを目指しています。
会場には「kabi」によるケータリングが行われ、来場者の舌を楽しませた
会場には「kabi」によるケータリングが行われ、来場者の舌を楽しませた
新宿ゴールデン街のバー「The OPEN BOOK」のレモンサワー
新宿ゴールデン街のバー「The OPEN BOOK」のレモンサワー
岡田 それでは、一般の皆様からの「“共創”の未来」に対するコメントをご紹介します。

ミネユキさんから「私は素人がつくったミュージカルを舞台俳優の方が見て評価する機会をつくってみた いです。これまであったつくり手と受け手という垣根を超えた、表現を共有することができる環境を生み、貪欲にエンターテインメントを追求できる未来を期待しています」。

プロの方が指導するようなワークショップはありましたが、それとはまた違ったエンターテインメントをつくりたいということでしょうか?

ミネユキさん 私はミュージカルを観ることが好きでよく劇場に足を運びます。観客として舞台上から発信されるものを素人感覚で「すごいな」と感動することでしか、つくり手の方々と感情を共有できていないと感じ、もどかしさを抱いています。

作り手を目指す、あるいは目指していたような人でなくても、日常的につくり手を体験できる機会を設けることで、エンターテインメントの魅力をより多くの人に知ってもらえるのではないでしょうか?

ムラカミ アメリカなどでは義務教育の段階でアクティングやプレゼンテーションなどが課程に組み込まれています。ミネユキさんの提案を日本でやるなら、例えば教育の現場に働きかけてみたらいいのではないでしょうか?

日本人がそのように自分を表現しているのは、例えば、カラオケの場かもしれませんね。外から閉ざされた空間で、仲間内に普段とは違う自分を見せている。そうした日本人にとって、芝居をするということはハードルの高いことなのかもしれません。デザインの現場でもあがる話題ですが、そのデザインが受け入れられる土壌とそうでない土壌が存在し、それを見極めて的確な方法をとらなければいけないので、ミネユキさんがそのアイデアにチャレンジするなら、どのようにするのか、もっと練ると面白いのではないでしょうか。

岡田 では、ここで改めて加古さんからレクサスの目指す“共創”についてまとめのコメントをいただきたいと思います。

加古 みなさん年齢に関係なくしっかりされていて、自分の考えをビシッと述べられ、好奇心旺盛にいろんなことをエクスプロールされていらっしゃって感心してしまいました。みなさんのようにプロフェッショナル同士がリンクできれば、クルマの未来も明るいですね。ぜひ、これからもゆるい輪を共有させていただきたいです。ありがとうございました。


〈イベントを終えて〉

経済学者シュンペーターは、20世紀初頭に著書『経済発展の理論』において、「新結合」という言葉で、これまでにないモノの仕組みや組み合わせを実現することで、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことを提唱した。つまり、膠着した世界には、経済や社会の精神状態をかき回す攪拌要素が不可欠で、その状態をもたらすものがイノベーションであり、それを起こすものがアントレプレナー(起業家)であると。

それから 100 年経ったいま、アントレプレナーと同じ社会的機能を担うのは、議論のなかにも出てきた“スラッシー”と言われる人たちの存在だ。彼らは、起業しなくても新たな創造の種を次々に生み出し、世界を撹拌し始めている。

ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブローなどに代表される彼らは、SNS という情報拡散装置を用いながら、人種や国境、ジェンダーやカルチャーといった壁を縦横無尽に横断し、さまざまな企業と対等な関係をつくりあげ、また、社会とのハブとなることで、経済的にも創造的にも優れた、新たなエコシステムをつくりあげていく。そんな時代がすでに到来している。

今回登壇してくれた4人のようなクリエイターが、社会の代弁者として、大企業とフラットな関係を保ち、何かをつくれるような“共創”がかなっていくことで、より豊かで創造的な社会が実現していくのではないだろうか。そう、私たちの未来を切り開く、新たな社会的な実験と挑戦は、いま始まったばかりなのだ。

なお、本イベントに出演しているクリエイターたちが共創した都市型フェス「Lifegenic Salon – BEYOND THE BOX Fes」の記事も VISIONARY にて公開中。
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