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CULTURE

グローバルに広がる
廃棄食料削減に向けた取り組み

2018.12.19 WED
グローバルに広がる廃棄食料削減に向けた取り組み

世界中で毎年生産される食料品の3分の1が手付かずで廃棄されるという現実を前に、サステナブルな未来を目指す先進企業やリテール業界は、食料廃棄削減へ向けてさまざまな取り組みを行っている。

(読了時間:約2分)

© Stylus 2018, Getty Images

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サステナブルな社会を目指す取り組みの数々

国際連合食糧農業機関(FAO)の発表によると、毎年世界中で人間が食べるためにつくられた食料品のうち、なんと3分の1以上が消費されることなくゴミとして廃棄されているという。近年、そうした食料廃棄問題に対する消費者の認識が高まるにつれて、スーパーマーケット、レストラン、ホテルなど、食品のサプライチェーンの中にある企業が、食料廃棄の削減を目指して独自に画期的な取り組みを行うようになってきている。

世界中に約8000店舗を展開するドイツのスーパーマーケットのチェーン、Lidl(リドル) は、「捨てるなんてもったいない」を意味する『Too Good To Waste』のロゴを冠した食料の詰め込み用ボックスを開発し、試験的なキャンペーンを展開している。これは見た目はともかく十分美味しく食べられるフルーツや野菜を1箱に5キロも詰め込んで1.5ポンド(=約222円)で販売する取り組みだ。現在はイギリス国内の各店舗で毎日販売している。さらに同社が展開する『Feed It Back』(食べものを還そう)キャンペーンでは、店頭に並んでから2時間が経過したToo Good To Wasteのボックス商品を地元のチャリティー団体に寄付することで、食料廃棄のさらなる低減につなげる活動も広げている。

コロラドスプリングズの歴史美観地区にある5つ星の超高級大型リゾートホテル、The Broadmoor(ザ・ブロードムーア)は、食料品の輸送距離=フードマイレージを大幅に削減するため、地元の食料品企業などと協力して敷地内での養蜂や牛の飼育を行うなど、食と環境の問題に取り組んでいる。廃棄食料も重要課題と位置付け対策が取られているが、例えばホテル内のレストランでビュッフェやイベントのために作られたものの手をつけられず余ってしまった食品を再利用するため、地元のホームレスシェルターにそれらを無償で届ける試みを展開している。これまでに寄付された食料品の量は3,500トンにのぼるという。

当然、最新テクノロジーを駆使して廃棄食料の問題に取り組む事例も増加の傾向にある。例えば、エストニアのスタートアップ企業、Delicia(デリシア)は、食品ロス削減の取り組みとして、ブロックチェーン技術と人工知能(AI)を活用した外食産業向けプラットフォームのローンチに向けて動いている。このシステムが実現すれば、生鮮食品店や小売店は、賞味期限が近くなった食品をブロックチェーン技術が搭載されたアプリを使って、地元のレストランあるいは消費者に直販できるようになる。また同社はAIを使って過去のデータから売買パターンを分析し、より効率的で透明性の高い食品流通システムを構築することも目指している。
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