JOURNEY

セルフケアでデジタル社会を生き抜く!

2018.12.10 MON
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セルフケアでデジタル社会を生き抜く!

2018.12.10 MON
セルフケアでデジタル社会を生き抜く!
セルフケアでデジタル社会を生き抜く!

SNSを中心とするデジタル世界に没頭し、仕事やライフスタイル全般にもどこかスッキリしない感覚をなかなか払拭できないでいるミレニアル世代たち。彼らが今一番求めているものは、心の平穏とカラダの健康を促進してくれる「セルフケア」だ。1日の始まりを活気づけてくれるメッセージサービスからウェルビーイングをテーマにしたポップアップイベントまで、心身の健康を目指すセルフケアという新たなニーズをターゲットにしたアプリやリアルイベントを紹介する。

(読了時間:約4分)

© Stylus 2018

健やかに生きるための自己管理の必要性

ライフスタイルや社会的な変化が著しく多様なデジタル時代の渦中にあり、また高まりつつある政治・経済不安などなにかとストレスを感じることの多い現代社会。グローバルに見ても世界人口の58%に当たる人々が「自分の国は間違った方向に向かっている」と強く感じており、またアメリカに住むミレニアル世代は、毎日平均4時間も「心配事にアタマを抱えている」という統計すらある。

そんなモヤモヤとした日常的なストレスに対処すべく、自分を癒し、いたわる“セルフケア”が今人気急上昇している。特に仕事がない週末や休日に、ハメを外して快楽的な遊びに興じるのではなく、完全なるリラクゼーションの時間を取り入れることで心身のリチャージを行なっているのだ。やってくる怒涛の平日に備えるため「心の平穏」「内省」「思考」に取り組もうというわけだ。

その証拠に、アメリカで人気のハッシュタグ「#self-care Sunday」のグーグル検索は昨年と比較して850%も増加し、アメリカのビューティ&ウェルネスブランド、Pursomaのバスソルト製品『Digital Detox』(デジタル社会特有の疲れやストレスを和らげる効用を謳う)の売上は過去3年で3倍にまで膨れ上がった。また心とカラダを完全にリラックスした状態にして「何も考えず、何もしないでいること自体の喜びを味わう」という、クロアチア発祥のリラックス法、フヤカ(Fjaka)が、最新のライフスタイルトレンドとして注目されている点も興味深いだろう。

便利なお助けアプリ

セルフケアへの関心が高まる中、いち早くこのトレンドに反応したのがアプリを開発するテック企業だ。ニューヨークに本社を置くShineは、毎日のやる気がアップする、ポジティブなメッセージをテキストメールで送信してくれる。2017年にローンチされたShine初のモバイルアプリ『Shine Daily Self-Care』は、“Choose Wonder over Worry”(心配事ではなく、驚きを見つけよう)などモチベーションを高めてくれるメッセージや格言を毎日携帯電話に送信、ともすると憂鬱な1日の始まりを活気づけてくれる。このアプリの登場により同社のサービスを利用するユーザー数は倍増し、現在は200万人を超えているという。

「自己啓発系のベストセラー著書がある有名人ではなく、たとえば意欲的なライフスタイルを送る同世代のミレニアルなど、自分たちと同じような経験をした人や、ウェルビーイング向上に本気で取り組みたいと思わせる人に対する一般ユーザーの関心が高まっています」とShine創業者の一人は語る。

また、2018年6月にリリースされたアプリ『Sanity & Self』は、マインドフルネス、ボディ、フィットネス、自己啓発といったテーマに沿った専門家によるオーディオセッションを提供。自分のニーズやスケジュールに合わせて2分〜45分間のセッションを選択し、聞くだけで一気にモチベーションや潜在能力をレベルアップできるというのが売りだ。時間に余裕がない現代人にとっては圧倒的なセールスポイントで、着実にユーザーの裾野を広げているという。
『Shine Daily Self-Care』

リアルイベントも多数開催

自己とのより深いつながりを感じ、テクノロジーに囲まれた日々でささくれ立った心をいたわりたい……。この高まるニーズに応えるリゾート施設やポップアップイベントも増加の傾向にある。たとえば2018年6月、フィンランドのバルト海沿岸に女性だけのプライベートアイランドリゾート『SuperShe Island』がオープンした。この島は「女性が自分自身と対話し、自分の想いを見つめ直すことができる安全な場所」として建てられた世界初の試みで、カヤッキングやヨガといったアウトドアのアクティビティのほかにも、女性のウェルビーイングを専門とする研究者やインストラクターによるワークショップやセミナーにも参加できる。

また2018年7月には、ロサンゼルスを拠点とするメディア企業、Entityが1日限りのポップアップイベント『Love Yourself』を開催した。身体の持つポジティブな力、心の健康、感謝の気持ちなどのテーマにフォーカスし、トークショーやインストラクターによるワークショップなど盛りだくさんのコンテンツが用意された。主催者のジェニファー・シュワブは、「今回を皮切りに、今後このようなフェスティバルがたくさん出てくると思います」といい、今後セルフケア関連のコンテンツに対する需要は増大していくだろうとの見通しを語った。
プライベートアイランドリゾート『SuperShe Island』

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