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台湾の今を巡る旅 Vol.1──
世界から注目を集める最新の台湾建築

2018.08.17 FRI
台湾の今を巡る旅 Vol.1──世界から注目を集める最新の台湾建築

昨今、台湾では洗練されたデザインの建物が相次いで建設され、ここ数年では日本を代表する建築家も作品を手がけている。世界からも注目を浴びる台湾建築の今に迫る。

(読了時間:約4分)

Text by Keisuke Tajiri
Photographs by protrait lin
Coordination by DESIGNSURFING

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独自の文化発展を遂げる台湾の今

台湾といえば、リーズナブルに楽しめる屋台グルメや、昔懐かしい町並みを感じさせる九份など、常に日本の人気海外旅行先としてランクインしてきた。しかし、それらにも変化があらわれはじめている。2018年にはミシュランで星を獲得したレストランは倍増し、建築物も近代化が進むなど、台湾カルチャーは独自の文化発展を遂げてきているのだ。本特集では「建築・食・ホテル」のジャンルを3回に分けて、いま最もアツい最新の台湾カルチャーお届けする。第一回は建築編。

台北市立図書館北投分館 <台北>

台北市立図書館北投分館 <台北>1
台北市立図書館北投分館 <台北>2
MRT新北投駅から6分ほど歩くと見えてくるのが北投公園。北投は温泉地としても有名で日本統治時代の名残もあり、「熱海」や「京都」と名付けられた温泉地や日本風建築が点在するなど、どこか懐かしい雰囲気を感じさせる。公園内に設置されている「台北図書館北投分館」は3階建ての全面ガラス張りの木造建築で、2014年にはCNNの「世界で最も美しい図書館」にランクイン。さらには、環境に配慮した設計で台湾初の「緑の建築(グリーンビルディング)」にも選ばれるなど、自然とデザインが調和した建築物として国内外から高い評価を得ている。

法鼓山 農禅寺 <台北>

法鼓山 農禅寺 <台北>1
法鼓山 農禅寺 <台北>2
台湾の寺院は豪華絢爛に装飾を施すことで有名だが、近代的なデザインとして対照的なのが「農禅寺」。かつては僧侶の修行の場として使われていたもので、今では多くの参拝客が訪れる。「花は空に、月は水に」という意味が込められた水月池には水面とつながるようにして本殿が浮かび上がる。内部から見える文字は『金剛經牆(こんごうきょうしょう)』と呼ばれるお経で、建物全体におよそ5千文字書かれている。透けた文字は外の景色によって表情を変えて見えることから、「景色が移ろいゆくように、人間の心もまた不確かなものである」というメッセージが込められているという。

台中国家歌劇院 (台中メトロポリタンオペラハウス) <台中>

台中国家歌劇院 (台中メトロポリタンオペラハウス) <台中>1
台中国家歌劇院 (台中メトロポリタンオペラハウス) <台中>2
台中に行くなら訪れておきたいのが「台中メトロポリタンオペラハウス」。6年もの歳月を経て2016年に完成し、街のシンボルとして一躍観光名所に。チーズの塊を切り落としたかのような切り立った垂直の壁が特徴的なこの建物は、日本を代表する世界的建築家の一人、伊東豊雄氏の設計によるもの。外壁には「呼吸をする気孔」と呼ばれるいくつもの小さな窓があり、昼間は自然光を取り入れ夜になると内から灯されるなど、シーンによって違う表情を見せてくれる。内部は連続する有機的な曲線が美しい洞窟のような巨大な空間が広がる。会場は3つのオペラ劇場で構成され、最も大きい大劇院は2007席を収容する台湾きっての巨大な劇場だ。
台中国家歌劇院 (台中メトロポリタンオペラハウス) <台中>3

亜州大学現代美術館 <台中>

亜州大学現代美術館 <台中>1
亜州大学現代美術館 <台中>2
台中の中心地から少し外れたところにある、亜州大学のキャンパス内に設置された「亜州現代美術館」。設計は亜州大学の創始者と親交の深かった安藤忠雄氏によるもので、台湾初の安藤建築として2016年に竣工。三角をモチーフに3つの層から成り立つ建物は、シンプルかつダイナミックな直線によって構成され、内部にも至るところに幾何学的なデザインがあらわれる。周囲には観光客がそれほど多くないため、ゆっくり観光したいという方にはオススメ。ゆったりとした空間の中で新進気鋭のアーティストによる台湾の現代アートに触れてみてはいかがだろう。

蘭陽博物館 <宜蘭>

蘭陽博物館 <宜蘭>1
蘭陽博物館 <宜蘭>2
台湾東部に位置する宜蘭(ぎらん)。ここは台北や台中とは違い、豊かな自然に囲まれた地域で観光客も少ない穴場のスポット。海辺から突き出でているようにも見えるインパクト大のこの建物(記事トップの写真)は、現地の歴史や風土を学ぶことができる「蘭陽博物館」。外観はテクスチャの異なる石や鉄板がいくつも積み重なり、宜蘭でよく見られるケスタと呼ばれる地形を表現している。展示はビジュアルをメインに分かりやすく構成されているので、中国語が理解できなくても十分に楽しめる内容に。旅行者にとってアクセスはあまりよくないものの、建築ファンはぜひとも訪れておきたい場所だ。
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