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ゲーマーたちが集うeスポーツに
“リアル”が不可欠な理由

2018.05.09 WED
ゲーマーたちが集うeスポーツに“リアル”が不可欠な理由

2018年、全世界での市場規模が970億円にまで成長すると予想されるeスポーツ。ニューヨークで初めて開催されたeスポーツのショーケースイベント「Esports Activate」では、急成長するeスポーツ市場を取り巻くさまざまなトピックについて熱い意見交換が行われた。

(読了時間:約3分)

Translation by Sota Toshiyoshi
©2018 Stylus

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リアルイベントがコミュニティを育てる

F1などのモータースポーツのみならず、さまざまなジャンルのeスポーツ(=ゲームによる競技大会)が注目を集める昨今。オリンピック種目としての採用を目指すなどニュースも事欠かないが、急速に市民権を獲得している背景を受け、去る3月6日にはニューヨークでeスポーツをテーマにした大規模イベント「Esports Activate」が開催された。

ここで議論されたテーマはずばり「なぜ今eスポーツがアツいのか!」。そして続くパネルディスカッションでは「企業はeスポーツとどんなパートナーシップを組むべきか」というビジネスサイドの切り口から、「ゲーム産業における女性の地位」という社会性を帯びた議題までさまざまなトピックが語られた。

全部で14にのぼるセッションが開催されたが、登壇したパネリストの多くに共通していた見解は、今後“ゲーマー同士のつながりを促進するリアルイベント”の重要性だった。

例えば、ゲーム制作会社である「OpTic Gaming」が取り組んでいるのは、eスポーツ版“テールゲートパーティ”とでもいうべきイベント。一般的なテールゲートパーティは、アメリカンフットボールの試合会場でファンが集いビールとハンバーガーで交流を深めるものだが、eスポーツ版で用意されるのはバーベキューとコスプレ大会! 一見不可思議なとり合わせにも思えるが、ゲームファンならではのアクティビティを組み合わせることでコミュニティ形成を強化しようというのが、その狙いだ。

あえてデジタル空間から距離を置く場所をつくる

また、アメリカ・ボストンを拠点とする女性だけのゲームチーム「スマッシュシスターズ」の共同設立者、エミリー・サン氏は、女性参加者を含むゲーマー同士が直接顔を合わせる機会を設けることが重要だと主張した。
アメリカ・ボストンを拠点とする女性だけのゲームチーム「スマッシュシスターズ」
アメリカ・ボストンを拠点とする女性だけのゲームチーム「スマッシュシスターズ」
その背景には、ゲームコミュニティに長くはびこるセクシズムの問題がある。実際、ソーシャルメディア上で女性ゲーマーが受け取るコメントの多くが、ルックスや体型などに関するものであるという調査結果もあるほど。サン氏の主張は、eスポーツの盛り上がりを機にデジタル空間から距離を置くための場所をあえて提供することで、問題意識をフェイス・トゥ・フェイスで共有すべきだ、というものだった。

リアルイベントは、拡大するeスポーツコミュニティと有機的に関係値を高めたい企業やブランドにとっても有効な手段となりうる。というのも、 eスポーツの視聴者の80%近くが広告の掲出をブロックするソフトを使用しているという調査結果もあるとおり、市場規模やコミュニティこそ拡大しているものの、スポンサードするブランド側が自分たちのターゲット層にどうやってリーチすべきか見極めきれていないのが現状だ。
コカ・コーラがスポンサーを務めたファンタジーゲーム「Smite」2018年ワールドチャンピオンシップ
コカ・コーラがスポンサーを務めたファンタジーゲーム「Smite」2018年ワールドチャンピオンシップ
ブランド各社が取り組むリアルイベントの一例には、コカ・コーラがスポンサーを務めたファンタジーゲーム「Smite」の2018年ワールドチャンピオンシップがある。また自動車メーカーが実車を会場にもち込み、ゲーマーたちがテスト走行する機会を設けた例もある。

プレイヤーにせよ、ゲーム会社にせよ、ブランドにせよ、eスポーツに関わる人間に、今後何が求められるのか。その答えは、登壇したゲーム会社「Hi-Rez Studios」最高執行責任者トッド・ハリス氏が語った「よりよいコンテンツにこそ、eスポーツの参加者は大いなる情熱を傾ける」という言葉に集約されているのかもしれない。
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