“SUV”ではなく“クロスオーバー”
世界的なSUV人気は継続傾向で、今年のジュネーブモーターショーでも各社から数多くの新作SUVが発表された。大規模な自動車メーカーをもたないスイスの、世界中で最もニュートラルなモーターショーとされるジュネーブを、レクサスは「UX」ワールドプレミアの場に選んだ。
そこにはレクサスの新しいモデルであるUXを、クルマとして虚心坦懐に眺め、触れてもらうという意図があるのだろう。Lexus International Presidentの澤良宏氏はまずUXについて、「SUVではなくクロスオーバー」であると強調する。
そこにはレクサスの新しいモデルであるUXを、クルマとして虚心坦懐に眺め、触れてもらうという意図があるのだろう。Lexus International Presidentの澤良宏氏はまずUXについて、「SUVではなくクロスオーバー」であると強調する。
「UXはレクサスのラインアップ中で最もコンパクトなSUVと捉えられるかもしれませんが、我々はクロスオーバー、もしくはニュージャンルと定義しています。RXやNXと並べて大・中・小のラインナップとするのではなく、UXならではのプロポーションやキャラクターを備えるなど独自ポジションを築く、今の時代にマッチしたモデルとして提案しています。というのも、ボディサイズを問わずSUVはすでにありふれている。その中で、いかにしてレクサスを選んでもらうか?それが出発点にあります」
日本発のラグジュアリーかつライフスタイルブランドであるレクサスが、アクティブな都市生活者に提案する新しいジャンル。そのコンセプトをさらに掘り下げてもらおう。
日本発のラグジュアリーかつライフスタイルブランドであるレクサスが、アクティブな都市生活者に提案する新しいジャンル。そのコンセプトをさらに掘り下げてもらおう。
「UXは、ハッチバックよりはスペシャルで、大人びたテイストを持っています。また、大きいSUVでは持て余すけれど、いろいろなシチュエーションにマッチするSUV的なプレゼンスが欲しい──そんなマーケットのニーズに応えるモデルです」
さらに澤氏は、RXやNXと比較しながら、その“新しさ”について説明してくれた。
「RX、NXではコアヴァリューとしてユーティリティ+アドベンチャーという要素が確立されていると思うのですが、よりコンパクトなクルマをスマートに乗ろうという方と、アドベンチャーを求める方とではエモーションが異なるはずです。例えばUXは、クロスオーバーとしては少し低い、流麗なプロポーションを持っています。そこにRXやNXとのテイストの違いが表れています」
さらに澤氏は、RXやNXと比較しながら、その“新しさ”について説明してくれた。
「RX、NXではコアヴァリューとしてユーティリティ+アドベンチャーという要素が確立されていると思うのですが、よりコンパクトなクルマをスマートに乗ろうという方と、アドベンチャーを求める方とではエモーションが異なるはずです。例えばUXは、クロスオーバーとしては少し低い、流麗なプロポーションを持っています。そこにRXやNXとのテイストの違いが表れています」
独自のプロポーションに込められた特徴と機能
「UXで想定されるユーザー層は、より自分たちのライフスタイルや乗り方に合うものを求めている方々です。インテリアも他のレクサス車と同様、上質感にこだわっているので、結果的にはダウンサイザーにも選んでいただけるのではないでしょうか」
車は自己を表現するアイテムでもあるが、自らのライフスタイルにいかにマッチするかが重要である。UXは、そんな価値観を持ち、自分にとって本当に大切なものを見抜く審美眼を備えたユーザーがターゲットとなるのだ。澤氏はさらに、UXの特徴について、熱心な口調で語ってくれた。
「SUVが持つ囲まれ感も意識しましたが、従来のSUVとは異なる開放感を実現するとともに、着座位置を低くすることで乗降性も高めています。これは特に毎日乗られるような方には重要な要素ですし、重心高が低くなるためハッチバックのような軽快な走りにも寄与しています。先ほど独自のプロポーションといいましたが、ただスタイルとして採用しているのではなく、十分なヘッドクリアランスを確保するなど、いわゆるSUVとは一線を画する造形の中に、特徴と機能を融合させているのです」
「SUVが持つ囲まれ感も意識しましたが、従来のSUVとは異なる開放感を実現するとともに、着座位置を低くすることで乗降性も高めています。これは特に毎日乗られるような方には重要な要素ですし、重心高が低くなるためハッチバックのような軽快な走りにも寄与しています。先ほど独自のプロポーションといいましたが、ただスタイルとして採用しているのではなく、十分なヘッドクリアランスを確保するなど、いわゆるSUVとは一線を画する造形の中に、特徴と機能を融合させているのです」
レクサスのラインアップはヒエラルキーではなく、それぞれユニークな世界観をもった一台一台の車種によって組まれている
UXは開発の先行段階からプロポーションをかなり吟味したと、澤氏は語る。新しいモデルの開発テーマを、豊田市のヘッドオフィスをはじめ、米カリフォルニアや仏コート・ダジュール、そして上海など世界各地のデザイン拠点がそれぞれに解釈して、デザイナーがそれぞれのデザインを提案してくるが、「ここ数年来、レクサスとして一枚岩の造形ができるようになった」。そんな手応えを感じていると述べる。
「LSは日本、LCはアメリカ、そしてUXは日本のデザインラボから生まれました。ロングラスティングを狙っていくこと、時代に消費されないブレイヴ(挑戦する)・デザインであること。そういう新しい価値観をもつ良いデザインができたら、エンジニアや生産担当が、それを実現させるために動くプロセスまでを含め、一枚岩になったと感じます」
例えば、これまであまり強調してこなかったそうだが、スピンドルグリルはエフィシェンシーを追求した結果から生まれた造形だと、澤氏はいう。
「フロントグリルが先端に向かって丸みを帯びていくデザインの傾向は、徐々に欧州車にも広まりつつありますが、これはスピンドルグリルが初めから備えていた特徴です。レクサスにとっては採用した当初よりロングラスティングなものになると、確信的に選んだ造形であり、意匠なのです。上部にインバーター、センターにコンデンサーとラジエーター、下部両端にブレーキダクトを効率よく配し、より効率的にそれぞれが機能するよう表面積を確保するには、スピンドルグリルの立体的なカタチは必然でもあります」
例えば、これまであまり強調してこなかったそうだが、スピンドルグリルはエフィシェンシーを追求した結果から生まれた造形だと、澤氏はいう。
「フロントグリルが先端に向かって丸みを帯びていくデザインの傾向は、徐々に欧州車にも広まりつつありますが、これはスピンドルグリルが初めから備えていた特徴です。レクサスにとっては採用した当初よりロングラスティングなものになると、確信的に選んだ造形であり、意匠なのです。上部にインバーター、センターにコンデンサーとラジエーター、下部両端にブレーキダクトを効率よく配し、より効率的にそれぞれが機能するよう表面積を確保するには、スピンドルグリルの立体的なカタチは必然でもあります」
そしてスピンドルグリルは最新モデルがデビューするたびに、まったく新しいものになるともいう。
「ノーマルとFスポーツで異なるのはもちろんですが、全体のプロポーションによってスピンドルグリルは、造形もパターンのピッチもまったく別物。そこはLSと同様、UXにも、デジタルモデラ―の匠のこだわりが入っているところです」
いわばUXはLSやLCと同様、レクサスというブランドのテイストがターゲットとなるユーザーのライフスタイルに合わせて最適化されているのだ。
「ノーマルとFスポーツで異なるのはもちろんですが、全体のプロポーションによってスピンドルグリルは、造形もパターンのピッチもまったく別物。そこはLSと同様、UXにも、デジタルモデラ―の匠のこだわりが入っているところです」
いわばUXはLSやLCと同様、レクサスというブランドのテイストがターゲットとなるユーザーのライフスタイルに合わせて最適化されているのだ。
「クルマとしてサイズと価格はたまたま異なるけれども、必要なところで必要なものが輝いていればいい。それこそがレクサスのラインアップがヒエラルキーではなく、それぞれユニークな世界観をもった一台一台の車種によって組まれている理由です」
実際に“すっきりと奥深い”とは、レクサスがその動的質感を形容するために用いるキーワードだが、UXのスタイルはその走り味を最適化するために創り出された解でもある。
「例えばリヤコンビネーションランプは、両端をフィンのような造形にすることで、操縦安定性に寄与する空力性能の確保と独創的なデザインを両立させています。奇をてらったものではなく、あくまでも整流効果と機能美を共存させるために導き出された造形なのです。また、フェンダーアーチモールはクロスオーバーらしい力強さを強調するモチーフとして採用していますが、リヤコンビネーションランプと同様、整流効果も発揮します。こうしたディティールはWRCをはじめとするレース活動のフィードバックがあるからこそ実現したものです」
澤氏によると、上記のようなエアロダイナミクスに基づくデザイン処理は50km/hほどのタウンスピードでも効果を発揮するのだそうだ。
「車のボディは風に敏感で、ちょっとした突起物がその流れを乱したりすると、ドライビングフィールに雑味が出て、ステアリングやシートから人に伝わってしまいます。それゆえに、上質な走りを実現させるうえでデザインが果たす役割は大きいのです」
実際に“すっきりと奥深い”とは、レクサスがその動的質感を形容するために用いるキーワードだが、UXのスタイルはその走り味を最適化するために創り出された解でもある。
「例えばリヤコンビネーションランプは、両端をフィンのような造形にすることで、操縦安定性に寄与する空力性能の確保と独創的なデザインを両立させています。奇をてらったものではなく、あくまでも整流効果と機能美を共存させるために導き出された造形なのです。また、フェンダーアーチモールはクロスオーバーらしい力強さを強調するモチーフとして採用していますが、リヤコンビネーションランプと同様、整流効果も発揮します。こうしたディティールはWRCをはじめとするレース活動のフィードバックがあるからこそ実現したものです」
澤氏によると、上記のようなエアロダイナミクスに基づくデザイン処理は50km/hほどのタウンスピードでも効果を発揮するのだそうだ。
「車のボディは風に敏感で、ちょっとした突起物がその流れを乱したりすると、ドライビングフィールに雑味が出て、ステアリングやシートから人に伝わってしまいます。それゆえに、上質な走りを実現させるうえでデザインが果たす役割は大きいのです」
また澤氏は、UXが受け入れられるであろうマーケットとして日米欧の成熟市場に加え、中国はもちろん、成長著しい東南アジアやインドをもあげる。
「新しい価値観を求めるお客様、それぞれのエモーションに合うこと、気持ちに沿うこと。つながる世界の中でのインディヴィジュアリティといいますか。それぞれ考え方が違う中で輪を拡げていくこと、レクサスの世界観に共感してくれる方が増えていくこと。レクサスのある生活っていいね、そうなることを目指しています」
日本発のラグジュアリーライフスタイルブランドであるレクサスが、アクティブな都市生活者に向け新たな価値として提案する「UX」。2018年冬の発売を心待ちしたい。
「新しい価値観を求めるお客様、それぞれのエモーションに合うこと、気持ちに沿うこと。つながる世界の中でのインディヴィジュアリティといいますか。それぞれ考え方が違う中で輪を拡げていくこと、レクサスの世界観に共感してくれる方が増えていくこと。レクサスのある生活っていいね、そうなることを目指しています」
日本発のラグジュアリーライフスタイルブランドであるレクサスが、アクティブな都市生活者に向け新たな価値として提案する「UX」。2018年冬の発売を心待ちしたい。
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