マイアミの中でも最もホットなアート&ファッション・エリア、18ブロック・デザイン・ディストリクト
マイアミの18ブロック・デザイン・ディストリクトは、ブティックやレストラン、アート施設が集まるハイエンドなエリアとして名高い。ここに昨年、ヨーロッパのラグジュアリーブランドである「グッチ」や「プラダ」、「ジョセフ」、そしてニューヨークの「ラグ & ボーン」に、LA発のアイウェアブランド「オリバーピープルズ」などが次々とショップをオープンし話題となった。
さらには、マドリッドの建築事務所「Aranguren + Gallegos」が手がけたことでも話題の現代美術館「Institute of Contemporary Art , Miami (ICA Miami)」も昨年末にオープンし、マイアミの中でも最もホットなアート&ファッションのエリアとして、多くの人々を魅了している。
さらには、マドリッドの建築事務所「Aranguren + Gallegos」が手がけたことでも話題の現代美術館「Institute of Contemporary Art , Miami (ICA Miami)」も昨年末にオープンし、マイアミの中でも最もホットなアート&ファッションのエリアとして、多くの人々を魅了している。
アメリカ最大となる240㎡の床面積を誇る旗艦店をオープンしたのは、ヨーロッパブランドの「ジョセフ」。ロンドンを拠点とする建築事務所「Sybarite」が手がけた空間は、コンクリート、大理石、コーリアン(人工大理石)、そして真鍮を用いた、1940~50年代のマイアミを彷彿させる流線型が特徴。スペース中央には、漆黒で象徴的ならせん階段が設えられている。
「オリバーピープルズ」は、ミラノが拠点の建築事務所「Dimore Studio」とタッグを組み、「Spectacle Laboratory」をオープンした。ここのアイコンは、銀行の貸金庫を模した巨大な棚で、番号が振られた各金庫に、商品であるアイウェアが格納されているという演出だ。
実験室を思わせるロングテーブルとスツールの無機質な印象とは裏腹に、貸金庫風の棚からつながる什器にはブルーのフェイクファーが敷かれ、ともするとインダストリアルなイメージの空間に温かみを与えている。
実験室を思わせるロングテーブルとスツールの無機質な印象とは裏腹に、貸金庫風の棚からつながる什器にはブルーのフェイクファーが敷かれ、ともするとインダストリアルなイメージの空間に温かみを与えている。
アメリカ初となる旗艦店を、これまたマイアミにニューオープンしたショッピングモール「Brickell City Centre」に構えたのは、スペイン発のファッションブランドである「In-Sight」。マヨルカ島のパルマを拠点に活動する建築事務所「Ohlab」がデザインを手がけた。ブランドロゴの双眼鏡がモチーフとなった空間には、レンズ状にくり抜かれた24枚の白いパネルが平行に並べられており、視覚的効果の面白みだけでなく商品棚としての役割も果たしている。
マイアミでは老舗にあたるショッピングモール「Aventura Mall」のリノベーション第一弾としてお披露目されたのは、総床面積約3万㎡を誇る三層の巨大施設。ヨーロッパのアパレルブランド「Zara」や「Topshop/Topman」に加え、フランスのラグジュアリーブランド「クロエ」や「シャネル」も新たに進出している。
このモールは、リテールとアートがクロスオーバーする場所となることを目指しており、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト/デザイナーのユニット「ハース・ブラザーズ」や、ドイツ人アーティスト、カーステン・ホーラー氏らの作品がディスプレイされているほか、マイアミの建築事務所「Permuy Architecture」が手がけた全長約30mの巨大滑り台などもあり、年齢を問わず来場者を楽しませている。
このモールは、リテールとアートがクロスオーバーする場所となることを目指しており、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト/デザイナーのユニット「ハース・ブラザーズ」や、ドイツ人アーティスト、カーステン・ホーラー氏らの作品がディスプレイされているほか、マイアミの建築事務所「Permuy Architecture」が手がけた全長約30mの巨大滑り台などもあり、年齢を問わず来場者を楽しませている。
ラグジュアリーはよりパーソナルに
クリエイティブディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ氏のデザインコンセプトが隅々まで行きわたるのは、400㎡超の広さを誇る「グッチ」の新たな旗艦店だ。折衷主義的なプリントやパターンがデザインされた空間には、鮮やかな赤の漆喰で塗られた階段が設えられており、上下2層構成のフロアをつなぐ。ここにはアパレル、アクセサリー、インテリアのフルコレクションが揃うほか、プライベートなVIPルームも用意されているため、ゆったりとミケーレ氏のクリエイティビティを堪能できるという趣向だ。
「ラグ & ボーン」の新ブティックは、拠点であるマンハッタンの無機質なロフトにヒントを得た2階建ての空間。むき出しの配管やダクトが特徴のラフな印象の天井とは対照的に、床には磨き上げたコンクリートを採用。什器にはシンプルな合板や廃材、メタルパイプなどが用いられている。
「プラダ」は、1945~70年に席巻した家具ムーブメントを率いたブラジル人デザイナーらによるオリジナル家具を新オープンの旗艦店に配した。650㎡ものフロアスペースには、ミントグリーンの壁や、大理石とローズウッドを幾何学模様のように組み合わせた床が設えてあり、まるでエレガントな個人邸宅を思わせるたたずまいだ。それもそのはず、ここにあるものの多くが、デザイナーであるミウッチャ・プラダ氏のプライベートコレクションから持ち出されたものだという。
ここで取り上げたマイアミの最新事例のように、リテール空間において各地の魅力や特性を巧みに採り入れたデザインアプローチは、今後もさらに拡大していくだろう。
ここで取り上げたマイアミの最新事例のように、リテール空間において各地の魅力や特性を巧みに採り入れたデザインアプローチは、今後もさらに拡大していくだろう。
コインランドリー界のニューウェイブに見る、
リテーラーの可能性