丹下健三の最高傑作──代々木体育館(設計:丹下健三、1964年竣工)
言わずと知れた丹下健三の最高傑作。優美な曲線を描く屋根は構造・機能・姿・都市的な意味の全てを統合する唯一無二の存在。内装に木を使った第二体育館も秀逸。最先端の近代建築でありながら、日本の伝統建築の屋根を思わせる優雅さをもつ。
太古の洞窟を思わせる圧倒的な内部空間──東京カテドラル(設計:丹下健三、1964年竣工)
現代にありながらどこか太古の洞窟を思わせる圧倒的な内部空間が最大の魅力。十字形の天窓から射す光と、正面のオニキス石を透過する光が美しい。エントランスから徐々に内部の全貌が見えてくるシークエンスが素晴らしい。
日本の伝統と近代の美しい融合──東京文化会館(設計:前川國男、1961年竣工)
ル・コルビュジエの弟子であり、丹下健三の師でもある前川國男の傑作。コンクリートの大屋根が生み出す透明感のあるおおらかな空間は日本の伝統と近代の美しい融合である。ホール内部の有機的な装飾も面白い。
緑に埋もれた都市の中の別世界──日仏学院(設計:坂倉準三、1951年竣工)
ル・コルビュジエの元で学んだ坂倉準三による校舎は緑に埋もれた都市の中の別世界である。特徴的な柱と透明感のあるガラスファサードが見どころだが、中庭に面した二重螺旋の階段はとてもユニーク。
近代建築らしいダイナミズムを感じる──岡本太郎記念館(設計:坂倉準三、1954年竣工)
岡本太郎の自宅兼アトリエが保存されていることから、1950年代の近代建築の生活、空間の使われ方、太郎の息遣いが生き生きと感じられる稀有な空間。アトリエゆえの吹抜け空間からは近代建築らしいダイナミズムを感じることができる。
近代日本の執念を見ることができる──日生劇場(設計:村野藤吾、1963年竣工)
なんと言っても劇場内部の海の底のような幻想的な空間が圧巻だが、ロビーやエントランス、窓周りなどの精緻なディテールを見て行くのも面白い。近代日本の執念を見ることができる。
独創性に溢れた傑作──武蔵野美術大学鷹の台キャンパス(設計:芦原義信、1962年竣工)
マスタープランと主要な建築群を芦原義信が手がけている。4号館アトリエ棟の軽やかな構成は独創性に溢れた傑作。吹き抜けとスロープが美しい旧美術資料図書館は僕たちが改修して美術館として再生。その奥にある新図書館も藤本建築で必見。
日本のオフィスビルの至宝──パレスサイドビル(設計:林昌二、1966年竣工)
若き林昌二の傑作にして、日本のオフィスビルの至宝。円筒形の重厚なコアと軽やかなオフィス部分の対比が美しい。ワイングラスが連なるような雨樋と軽やかな日除けによって生まれる外装は、どこか日本の伝統建築を思わせる。
LEXUS DESIGN AWARD次世代デザイナーの国際デザインコンペティション