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走り出したレクサスの「象徴」─
新型LSの魅力にせまる

2017.11.01 WED
走り出したレクサスの「象徴」─新型LSの魅力にせまる

レクサスのフラッグシップセダンである新型「LS500」の発売開始を機に、記者発表会とライフスタイルイベントが、東京・渋谷の「TRUNK HOTEL」で開催。トークセッションや試乗などを通して、ついに街に走り出す新型LSの魅力をお伝えする。

(読了時間:約7分)

Text by Akira Hara
Photographs by Atsuki Kawano

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日本の美意識と匠の技を取り入れた、新型LSの世界観を語る

レクサスの新型LSをお披露目する場として選ばれた会場はTRUNK HOTEL。この会場は、新しい社会貢献のスタイルである「ソーシャライジング」の発信拠点として生まれたホテルで、ラグジュアリーなライフスタイルブランドを目指すレクサスにとってふさわしい会場と言える。そしてイベントは、ホテル内にあるホールの壁面や床までも改装され、レクサスオーナー宅のカーガレージが表現されており、リラックスした雰囲気の中、トークセッションという形式で行われた。

新型LSをドライブし、会場内に乗り付けたのは、レクサス インターナショナル プレジデントの澤良宏氏と、開発担当チーフエンジニアの旭利夫氏だ。ナビゲーターのロバートハリス氏から紹介された澤氏は、28年前の1989年に登場し、世界を震撼させた初代レクサスLSの話からスタートさせた。
レクサス インターナショナル プレジデントの澤良宏氏と、開発担当チーフエンジニアの旭利夫氏
レクサス インターナショナル プレジデントの澤良宏氏と、開発担当チーフエンジニアの旭利夫氏
「それまでのラグジュアリーカーには、静粛性という概念がなく、エンジン音とかダイナミクス性能ばかりが重視されていました。初代LSに乗ると、パートナーとの会話がしやすく、高級オーディオの音がすごくいい。そこで、ラグジュアリーカーの室内はこうなんだ、という驚きがあった。さらにスムーズでシルキーな走りや振動の無さを兼ね備えていて、欧米のラグジュアリーカーに大きな衝撃を与えたのです」

また、「初代LSが出た後、静粛性という点で欧州メーカーはすぐに追いかけてきて、それがスタンダードになった」と澤氏。そして、例えばハイブリッドを高級車に搭載したのがレクサスであり、そしてLSであるように、安全面、環境面、技術面など、その時代のトレンドの最先端を常に取り入れてきたのがLSだ。要するに、LSはレクサスそのものなのだともいえる。
サイドウィンドウはピラーとの段差がないフラッシュサーフェスを採用。これにより風切り音が低減されている
サイドウィンドウはピラーとの段差がないフラッシュサーフェスを採用。これにより風切り音が低減されている
「欧米のラグジュアリーブランドと同じことをしていたのでは、選んでもらえない。そのため、今回の新型には『Jファクター』、つまり日本の特徴である『おもてなし』や『匠』の要素を取り入れました。」と澤氏は言う。

それを受けて、開発を担当した旭氏は「見た瞬間に引き込まれるような、エモーショナルなデザインを心がけました。新型の、抑揚のある深い陰影や色艶は、見る人の時間や場所で表情を変えることができるのです。そして、インテリアも、ドアを開けた瞬間に、おもてなしの心を感じ、居心地の良いリビングのような空間を演出しました」と説明した。
L字をモチーフとしたテールランプはレクサスのデザイン上のアイデンティティの一つ
L字をモチーフとしたテールランプはレクサスのデザイン上のアイデンティティの一つ
そして、2人はMCのロバートハリス氏を伴って新型LSのボディサイドへ移動。「例えば、後席のウインドーの部分を触ってみてください。ピラーとの段差がない、フラッシュサーフェス化に気がつかれるはずです」と紹介した。精緻かつ感性に訴える作り込みの一例を体感したロバートさんは感心しきりだ。
繊細な造形や精緻な仕上などレクサスならではのクラフトマンシップを感じさせるインテリア
繊細な造形や精緻な仕上などレクサスならではのクラフトマンシップを感じさせるインテリア
新型LSには、ドアトリムの切子調カットガラスや手作業で折り目をつけたハンドプリーツの内張り、ダッシュボードの「琴」や「茶せん」をイメージしたレジスターなど、日本の匠の技を生かした加飾が数多く採用されているのも特徴だ。
水平基調で広々とした印象を与えるインストルメントパネルまわりのデザイン
水平基調で広々とした印象を与えるインストルメントパネルまわりのデザイン
こうした日本の美意識をふんだんに取り入れた新型LSを、海外はどう見ているのか、という筆者の質問には、「実は先日サンフランシスコで、海外のジャーナリストを招いて試乗会を行いました。その時、そうした日本の美意識を表現した部分が大変評価されました。例えば日本人が日本人のために描いた浮世絵が世界中で認められたように、そのスペシャル感と匠の技は、想像以上に深く理解されているようです」と澤氏。
ドアトリムの切子調カットガラスやハンドプリーツの内張りなどが展示されていた
ドアトリムの切子調カットガラスやハンドプリーツの内張りなどが展示されていた
さらに旭氏は「そうしたパーツは、機能とデザインの融合を最後まで突き詰めました。そして完璧に作り上げていても、『やったぜ!』と主張しない日本的な奥ゆかしさがある。なので、プロダクトの背景にあるストーリーを伝えると、海外のジャーナリストは本当に喜んでくれるのです」と語った。

小さな紙から生まれた唯一無二の独創的プロポーション

セダンとしては斬新なクーペシルエットを持つ新型LSのスタイルは、どこから生まれたのか。同日に開催された記者発表会に登壇したプロジェクトチーフデザイナーの須賀厚一氏に聞いてみた。
新型LSのエクステリアデザインについてプレゼンテーションするプロジェクトチーフデザイナー須賀厚一氏
新型LSのエクステリアデザインについてプレゼンテーションするプロジェクトチーフデザイナー須賀厚一氏
「30年近くこうした仕事をやっていると、自分の中で美しいとする決まりができてしまうものです。違うものとして描いていても、はたから見ると同じように見えてしまう。また、車には実際の制約として、エンジン、タイヤ、人が乗るスペースがあり、綺麗なラインが描けません。だからアイデアの初期段階では、あえて制約の中でスケッチを描くため、手がスイスイと動かない小さな紙から始めてみました。それがこの『ポストイット』のスケッチ。まるで、あの星飛雄馬の大リーグ養成ギブスです。体に負荷をかけて、外すとビューン!みたいな。」と須賀氏。そうして自分の殻を破りながら、最終的に出てきたのが新型LSのクーペのようなデザインなのだそうだ。

存在感がありながら、どんな景色にも溶け込む新型レクサスLSのデザイン

再びトークセッションの会場へ戻ろう。「レクサスが生まれて28年。それに対して欧州のブランド、例えばメルセデス・ベンツなどは1世紀以上の歴史があります。その歴史と培われてきた名声で、そのブランドは無形の価値を持っています。そうした物語が少ないという点では、レクサスはまだ弱い部分がある。ただ、そこを逆手に取ると、自分たちには若さがある。つまりしがらみがなく、脱ぎ捨てるものが少ない。たくさん着ていると脱ぐのが大変だが、我々は、より多く着ることができる事が強みです。そうした考えから出てきたのが、フラッグシップクーペのLCや今回のLSです」と澤氏。
クーペのような流麗なフォルムが新型レクサスLSの特徴
クーペのような流麗なフォルムが新型レクサスLSの特徴
「ライフブランドとしてのレクサスを作り上げるため、今後も仕掛けをどんどん盛り込んでいきます。そして、新型LSは独特のスタイルを持っています。存在感がありながら、どんな景色にも溶け込み、落ち着く日本の良さ。ぜひ応援してください」と澤氏はセッションを締めくくった。

新型LSの後席試乗と、シミュレータによる先進安全技術体験

発表会当日、約30分程度だがLS500hの後席での試乗が許された。シートに腰掛け、ドアを閉めた途端に、車内がまるでノイズキャンセリングヘッドフォンを装着した時のような静けさに包まれていることにまず驚かされる。そして、心地よい広さの後席で背もたれを倒し、マッサージ機能とヒーターを作動させれば極上の時間が過ぎてゆくのだ。たまたま当日は雨天だったが、ワイパー音もささやく程度で、スピードを上げても静寂に包まれているのは、さすがにレクサスのフラッグシップセダンらしいところだ。
約30分程度だがLS500hの後席に試乗。車内には静寂が広がる
約30分程度だがLS500hの後席に試乗。車内には静寂が広がる
後席中央に設置されたモニターで、リクライニングや空調、マッサージ機能などさまざまな操作が可能
後席中央に設置されたモニターで、リクライニングや空調、マッサージ機能などさまざまな操作が可能
TRUNK HOTELをスタートし、青山通りや新国立競技場予定地に近い神宮外苑を周回した我々の新型LSは、表参道にある「INTERSECT BY LEXUS」に到着。ここでは、事故死亡者ゼロを目指し、かつ人に寄り添うベストパートナーとなることを目的として新型LSが搭載した先進の予防安全技術「Lexus Safety System + A」が体験できるシミュレータに試乗した。これは、新型LSの実車と、眼前に設置された巨大なスクリーンを組み合わせたシステムで、自動運転につながる高度運転支援技術「Lexus Co Drive」のほか、目の前のさまざまな状況に応じてプリクラッシュセーフティ(歩行者注意喚起、アクティブ操舵支援)、レーンデパーチャーアラート(走路逸脱対応)、フロントクロストラフィックアラート、上下2段式アダプティブハイビームシステムをシミュレータとして体験できるもの。車体が画面の走行状態に合わせて正確に上下左右に可動するので、その先進性を実際の状況に近い感覚で体験することができるのだ。
先進の予防安全技術「Lexus Safety System + A」が体験できるシミュレータ
先進の予防安全技術「Lexus Safety System + A」が体験できるシミュレータ
車体が画面の走行状態に合わせて上下左右に可動し、実際の状況に近い感覚で体験できる
車体が画面の走行状態に合わせて上下左右に可動し、実際の状況に近い感覚で体験できる
1日を通して日本の美意識と匠の技を取り入れたデザインやプロダクト、そして最先端の安全技術など新型LSの世界観を堪能することができた。世の中での反響も大きく、発売開始前にも関わらず、すでに約7,600台もの受注があるという(発表会10月19日時点)。レクサスのすべてが凝縮されたLSのステアリングを握る、そんな幸せな瞬間を味わうことができるオーナーの数は、どんどん増えていくだろう。

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