TECHNOLOGY

ファーフェッチが変えるショップの未来とは?

2017.07.21 FRI
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ファーフェッチが変えるショップの未来とは?

2017.07.21 FRI
ファーフェッチが変えるショップの未来とは?
ファーフェッチが変えるショップの未来とは?

ラグジュアリーファッションのオンライン・セレクトショップである「Farfetch(ファーフェッチ)」は、実店舗が保有する膨大なデータを有効活用することで、リテーラーのクロスチャネル施策をサポートする革新的なオペレーションシステムを開発した。

(読了時間:約3分)

© Farfetch OS / Stylus

1回の購買セッションで1万5000を超えるデータを収集

ラグジュアリーファッションのオンライン・セレクトショップ「Farfetch(ファーフェッチ)」が、リテーラーのクロスチャネル施策をサポートする革新的なオペレーションシステムを開発。この4月に行われた同社主催のカンファレンス「Farfetch OS」で発表した。

Farfetchはすでに、スマートフォン用アプリを開発し運用しているが、今回発表した取り組みは、オフライン=実店舗が保有する膨大なデータをさらに有効活用し、クロスチャネル化を加速させるものである。

アメリカのコンサルティング会社、ベイン&カンパニーの2017年に実施した調査によると、ラグジュアリー製品の売り上げの92%は、いまでも実店舗によるものである。このことからも、オンラインでのショッピング行動をよりつぶさに観察し、また、実店舗における消費者たちの行動をデータ化することで、リテーラーの未来に大きな可能性をもたらすことが期待される。

Farfetchの統計によれば、オンラインでの1回の購買セッションにかかる平均所要時間は5分。同社の優れたシステムを活用しこの5分間をデータ解析すれば、実に1万5000を超えるデータを収集することができるという。今回発表された新しいソフトウェアによって、FarfetchのECに参加しているブティックやブランドは、こうした膨大なデータから得られるインサイトを、今後のビジネスに生かすことができるというわけだ。

2017年秋頃に「ブラウンズ」や「トム・ブラウン」の旗艦点で実装される予定

中でも注目すべきは、顧客の認識機能だ。Farfetchのアプリを利用している顧客が、同社と提携するブティックやブランドのショップに来店したり、スマートフィッティングルームに入ると、ショップスタッフにお知らせが届く。さらに、デジタル機能を搭載したスマートフィッティングルームを採用しているブティックやブランドでは、買い物客が異なるサイズや色の商品を見たい場合に、「Farfetchアプリや商品」と「店頭に設置されているスマートミラーをコネクト」することで、よりスムーズに希望商品をリクエストできるようになる。また実店舗の会計においても、顧客はレジを通さずアプリ上で支払いをするセルフチェックアウトまでできるようになる。加えて、販売スタッフ用のインテリジェントツールを活用すれば、リアルタイム、あるいは過去の行動履歴データに基づいて、店舗内のレイアウトやオススメ商品のディスプレイなどをより効果的にキュレーションすることができる。

Farfetchはまた、ユーザーが手に取った服を認識できるハンガーレールを発表。RFIDでタグ付けされた洋服がハンガーレールから離れると(つまり客が洋服を手に取ると)超音波のレールセンサーが感知し、ハンガーレールからもっとも近くにいるユーザーのスマートフォンやタブレットに自動的にリンクされ、実店舗で見た商品が「ウィッシュリスト」として記録される。このリストはフィッティングルームのスマートミラーでも確認できるほか、ショップスタッフにとっては、個々の顧客に合わせたよりきめの細かい提案が可能になるというわけだ。

これらのソフトウェアは2017年秋頃、ロンドンのセレクトショップ「ブラウンズ」や、ニューヨークブランドである「トム・ブラウン」の旗艦店で実装される予定だ。

https://www.farfetch.com/jp/

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