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ボストン・マラソン初の公式女性ランナーが50年ぶりに参加

2017.05.17 WED
ボストン・マラソン初の公式女性ランナーが50年ぶりに参加

マラソンに女性が参加することがまだ正式に認められていなかった50年前、K.V.スウィッツァーとして女性ランナーがボストン・マラソンに正式に参加した。そして2017年4月17日、彼女は70歳で再び参加を果たした。

(読了時間:約3分)

Text by Victor Mather
Translation by Yuka Taniguchi
© 2017 THE NEW YORK TIMES
Image Credit※1

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60年代、マラソンは男性のためのものだと考えられていた

ボストン・マラソンはかつて、男性のみ参加が許されている大会だった。その中で、1967年にキャサリン・スウィッツァーが女性選手として初めて正式に参加、完走したことが歴史的な出来事として大きな話題となった。実は、彼女は「K.V.スウィッツァー」という名前で、性別を明記しないまま登録を行っていたのだ。スタートから数マイルの地点で、競技役員が彼女をコースから押し出そうとしたために、彼女の出走は一転して、世界の注目を集める大事件となったのだ。
現在のスウィッツァー。Photograph by Mary Schwalm / Associated Press
現在のスウィッツァー。Photograph by Mary Schwalm / Associated Press
「当時、マラソンは男性の競技でした。女性は弱いから参加は生理的に困難だと考えられていたのです」と彼女は10年前にもニューヨークタイムズに記事を書いている。「私は厳しいトレーニングをしてきたし、自分の強さに自信がありました。でも、向かってくる競技役員をコースの外に追い出すには、ボーイフレンドにかばってもらわなくてはなりませんでした」と当時を振り返る彼女は、妨害から逃れ、ペースを取り戻して4時間20分でゴールすることとなる。今年のレースでは、当時のタイムにはわずかに届かず4時間44分31秒で完走した。

「あそこで走るのは本当に素晴らしい体験でした。今日のタイムが良かったのは追い風のせいだけではないといいのですが」と彼女は『The Boston Globe』に語った。

1967年のあとも女性のマラソン参加は、簡単には実現されなかった。84年のロサンゼルスオリンピックで初めて女子マラソンが正式採用され、グレテ・ワイツのようなランナーがでてきたおかげで人気が高まり、現在アメリカでは、ランナーの半数以上は女性である。「1967年には、いつの日か何万人もの女性がマラソンをするようになるなんて考えた人はいませんでした。世界中の大都市を女性が駆け抜け、オリンピックでも注目のイベントになるなんて。そして、女性の身体的能力についての固定観念が打破され、伝統的な文化における女性の経済的な役割が再定義されるようになるとは」とスウィッツァーは記している。

スウィッツァーはこれまでに30以上のマラソン大会で完走を遂げ、1974年のニューヨークマラソンでは3時間7分29秒のタイムで優勝し、テレビのコメンテーターとしても活躍してきた。女性のためのランニングクラブ「261 Fearless」の創始者で、クラブの名前は1967年の大会における彼女のゼッケン番号からきている。

1976年からボストン・マラソンへの参加をやめていたスウィッツァーは、今年の大会が行われた月曜の朝、50年前と同じ番号をつけてスタートを切った。ボストン・マラソンではレース後、彼女の名誉を讃えて261番を永久欠番とした。これまでにあった欠番に次ぐ、2つ目の登録となったのである。また今回スウィッツァーは走り始める前に、女性エリートランナーにレース開始を伝える合図のピストルを発射する栄誉を与えられた。今年はニューヨークマラソンにも参加したいと彼女は述べている。女性マラソンのパイオニアとして彼女はタイムズにこう書いた。

「私たちは、女性に持久力やスタミナが欠けているというのは事実ではないということを学びました。走るという行為は、大々的な設備や道具を必要としません。女性のマラソン参加は、世界に豊かな恵みをもたらしたのです」
※1:1967年のボストン・マラソンにて、ゼッケン261番のキャサリン・スウィッツァーをコース外に押し出そうとする競技役員。 Photograph by Paul Connell / The Boston Globe, via Getty Images
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