La Festa Mille Miglia 2019クラシックカー・ラリーをもう一度知る

10 月 25 日(金)から 10 月 28 日(月)の期間、イタリア本家ミッレミリア公認の国内クラシックカー・ラリー・イベントである「ラ フェスタ・ミッレミリア」が開催された。今回は台風 15 号と 19 号で被災された人たちへのお見舞いと復旧への祈り、そして支援を呼びかける大会として開催。ルートは東京の明治神宮(原宿)をスタートして、福島県、宮城県、山形県の東北三県を経て、栃木県、千葉県などを通り、再び明治神宮に戻ってくる一都九県、約 1,350km の道のりだ。
当時の景色を呼び起こす空気を震わす悠久のエンジンサウンドが日本の秋空の下に広がるなか、名誉ある今大会で LEXUS はかつての名工たちが作り上げた名車たちに最大の敬意を持って先導車を務めた。

クラッシックカー・ラリーの最高峰といえばイタリア北部の街“ブレシア”を起点とするミッレミリアに止めを刺す。ミッレミリアとはイタリア語で 1,000 マイル(約 1,600km)を意味するが、この長距離を一気呵成に走りきる競技として 1927 年から 1957 年まで開催されたのがオリジナルのミッレミリア。いっぽう、現在、実施されているのはその復刻版で、我が国でも本家ミッレミリアのお墨付きを得たラ フェスタ・ミッレミリアが 1997 年から綿々と開催されている。
このラ フェスタ・ミッレミリアの主役といえば、かつて本家ミッレミリアを戦ったことのあるクラシックカーにほかならない。では、クラシックカーとはなにか? 改めて考えてみよう。
ラ フェスタ・ミッレミリアには、主に 1919 年から 1967 年までに製造された車両がエントリーできる。つまり第二次世界大戦を挟んだ時期で、この間に自動車技術は大きく発展した。とりわけ戦前は、大衆車に大量生産されるモデルはあっても、高級車やスポーツカーはそのほとんどが手作りに近い工程で生産されていた。戦後は徐々にその傾向が弱まっていったものの、それでも 1960 年代はまだ手作りされるスポーツカーがギリギリで存在した時代。つまり、多少なりともハンドメイドの要素が残っていた当時に生産された高級車・スポーツカーはおおむねクラシックカーといって間違いないだろう。

手作りが可能だったということは、裏を返せば少量生産の自動車メーカーが生き残る余地のあった時代、ともいえる。それだけに 1960 年代はヨーロッパやアメリカを中心に数え切れないほどの自動車メーカーが百花繚乱していた。今年のラ フェスタ・ミッレミリアのエントリーリストを見ても、アルヴィス、ライレー、スタンゲリーニ、バンディーニ、チシタリアといった個性派ブランドがずらりと並ぶ。これこそクラシックカーの妙味であろう。
こうした車両は製造されてからすでに半世紀を経過しており、元気に走らせようとすれば入念なメンテナンスが必要になる。しかし、当時はまだ自動車技術がプリミティブだっただけに修理や補修はむしろ難しくなく、必要となれば部品を改めて作り直すことさえできる。このような作業を一般にレストアと呼ぶが、手作りされた往年のスポーツカーを現代に甦らせるこうした技術も、クラシックカーを楽しむうえで欠くことのできない要素なのである。

ミッレミリアが、もともとイタリア北部の公道を 1,000 マイル(約 1,600km)にわたって疾走する競技だったことは前述のとおり。まだ自動車の信頼性があまり高くなかった当時、高速で 1,600km の連続走行をこなすのは至難の技で、このためミッレミリアで完走すればそのクルマが優れた信頼性・耐久性を備えている証明でもあった。さらに、好成績を残したクルマにはミッレミリアで得た栄冠まで重なるのだから、そうしたモデルをこぞって手に入れようとしたスポーツカー・ファンの心理もわかろうというものだ。
第二次世界大戦後は自動車の高性能化が一気に進み、ミッレミリアの平均速度も急上昇。最終的には 150km/h を越すアベレージスピードをマークするようになる。その意味でミッレミリアはハイスピード・ラリーの象徴でもあったのだ。

そして目の前を猛スピードで駆け抜けるマシンに、街々に暮らす人々は熱心に声援を送った。それはスピードに向けられた祝福であり、ドライバーの勇気への賞賛であり、スポーツカーという美しい乗り物に対する驚嘆の声だった。そうやって、クルマを軸として乗る者と見る者を結ぶ役割をラリーは果たしていたのである。
さらにいえば、ラリーはドライバーひとりで戦うものではなく、コドライバーといってドライバーを補佐する役割の選手もマシンに同乗し、ときにはドライビングを交代することもあった。こうしたルールは現代のラ フェスタ・ミッレミリアにもそのまま受け継がれている。

さて、そんなラ フェスタ・ミッレミリアで、LEXUS は LC500h で人と自動車の歴史を彩ってきた名車たちに敬意を表し先導車を務めた。
その歴史という側面ではラ フェスタ・ミッレミリアを彩るクラシックカーに及ばない LC500h だが、ことクラフトマンシップについていえば両者にはいくつもの共通点があるだろう。

LC500h は最新の自動車でありながらも、熟練工の匠にしかできない技の結晶がクルマの随所に光る。例えば、塗装の乱れや映り込んだモノの歪みを一切許さすことなく、徹底的に磨き込まれたボディには、最高の 1 台へとフィニシングしようとする匠のクルマを愛する真摯な眼差しを感じ取ることができる。それはスポーツカーが手作りされていた往時もかくやと思わせる光景と重なるのではないだろうか。

半世紀以上の時を隔てて作られたクラシックカーと LC500h。しかし、クルマ作りにかける職人たちのスピリットという点では、たがいに深く通じ合う部分があるといえるだろう。そして、そんなスピリットが注がれたクルマこそが、道具と時代の枠を超えて人々の称賛と愛情のなかで、ずっと走り続けていけるのである。

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