Red Bull Air Race San Diego 2017

Red Bull Air Race San Diego 2017

サンディエゴの空を制し今季初優勝!

Red Bull Air Race World Championship 2017シーズン第2戦が4月15、16日にアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで開催され、室屋義秀選手が通算2勝目となる今季初優勝を果たした。

8年ぶりの開催となった、サンディエゴ戦。室屋選手は予選でエアゲート(旗門)を不正な高度で進入したとして2秒加算のペナルティをとられ、1分1秒384のタイムで10番手になった。しかし、その速さは際立っており、ペナルティタイムがなければ59秒384というタイムで、予選2番手に匹敵するタイムを出したことになる。

決勝日も室屋選手の速さは変わらなかった。
初戦となるラウンド・オブ・14では、対戦相手を0.458差で征した。タイムはラウンド・オブ・14のなかで2番手となる59秒280。

つづく、ラウンド・オブ・14のトーナメントを勝ち残った7人と敗者のなかで最速だった1名を加えたラウンド・オブ・8でも、初戦のタイムを上回る59秒271で、対戦相手を0.221秒差で破り、全体でも2番手のタイムを出した。

最後は上位4人によるファイナル4。最初に登場した室屋選手は、ここまでのベストとなる58秒529という好タイムをたたき出し、後に続く、3選手に大きなプレッシャーをかける。

2番手スタートのマティアス・ドルダラー選手は、パイロンヒットによる3秒加算のペナルティで、1分1秒648(第3位)。3番手スタートのカービー・チャンブリス選手は、序盤こそ室屋選手をわずかに上回る速さをみせたが、ゲートでの不正高度進入で2秒加算のペナルティ。タイムは1秒2秒713(第4位)。ラストのピーター・ポドランセック選手はペナルティなしでフライトを終えたが、タイムは1分0秒454(第2位)。

この瞬間、室屋選手の優勝が決まった。しかも、唯一の1分を切るタイムで、2位に1秒925もの大差をつける結果であった。

Behind The Scene

『エアレースマシンの驚異的な速さのヒミツ』

室屋選手がこのサンディエゴ戦で見せた速さのヒミツ「機体の空気抵抗の低減と冷却のベストバランス」に迫る。

Red Bull Air Raceでは、使える機体の種類が限られ、エンジンは1種類だけとされている。そして、機体への部分的な改良だけが許されており、そこが勝ち負けを左右する重要なピースとなる。

室屋選手の愛機Edge 540 V3にも、速さを追求するために独自の工夫が凝らされている。その一つがエンジンの冷却のための空気取り入れ口だ。室屋選手の機体の機首には、プロペラのスピナーのすぐ後ろに小さな3つの穴が開いている。これで空気を取り入れ、空冷エンジン本体と潤滑油の冷却器を冷やしている。そして、このエンジン部分のやや後ろの機体下面には、ごく小さな熱気の排出口もあけられている。

エンジンを冷やすためには、空気取り入れ口と排熱口を大きくしてより多くの空気を取り込んで、エンジンと潤滑油の冷却器に当てたい。だが、機首の部分に大きな空気の取り入れ口を設けて、エンジンルーム内に大量の空気を取り込むと大きな空気抵抗となって、速度を落としてしまう。これは、エンジンルームが大きなパラシュートのようになって、スピードを落とそうとするようなものである。

室屋選手のEdge 540 V3は、飛行速度が高いことを活かし、空気取り入れ口と排熱口を小さくすることで、より高速な空気をエンジンルーム取り入れ、エンジンが冷えるようにしている。そうすることで空気抵抗を最小限とし、速い速度を保てるようにしている。

LEXUSのレース車両と市販車にも、室屋選手のEdge 540 V3と同様の手法が用いられている。LEXUSの特徴であるスピンドルグリルの内側には大きめのラジエーターを備えている。だが、良く見ると、実際に開口している部分はやや小さいのである。これは、ラジエーターとエンジンを冷やす空気は必要以上に取り込まず、より効率良く空気を取りいれて、上手く熱気を抜かそうとする考えが活かされている。

特にSUPER GTでのLEXUSのレーシングカーは、さらにこの開口部の小型化を進めており、熱気を抜くためのダクトは巧妙に設計され、空気抵抗を最小限にとどめている。LEXUSのレーシングカーも、室屋選手のEdge 540 V3も、空気抵抗の削減による速度向上と、必要な冷却にともなう空気抵抗の増加とのバランスの極限を突き、最速のスピードを目指している。

速さは、エンジンが発生した動力をいかに効率良く利用するかということに直結しており、このことは飛行機も自動車にも共通する。速く飛ぶ、走るためには、いかに空気抵抗を抑えながら、エンジンパワーを落とさないように空気を巧みに使った効率の良い冷却作業を実現するかということが肝要となる。

RESULT

Rank Name Nationality Point
1 Yoshihide Muroya JPN 15
2 Peter Podlunsek SLO 12
3 Matthias Dolderer GER 9
4 Kirby Chambliss USA 7
5 Martin Sonka CZE 6
6 Petr Kopfstein CZE 5
7 Nicolas Ivanoff FRA 4
8 Michael Goulian USA 3
9 Matt Hall AUS 2
10 Pete McLeod CAN 1
11 Juan Velarde ESP 0
12 Francois Le Vot FRA 0
13 Mikael Brageot FRA 0
14 Cristian Bolton CHI 0

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