Red Bull Air Race Ascot 2016

Red Bull Air Race Ascot 2016

予選3位の好スタートで決勝へ。

シリーズ第6戦、その舞台となったのは、2010年以来2度目の開催となるドイツ・ラウジッツ。久々のエアレース観戦に沸く地元ファンたちが大勢詰めかけ、パイロットたちの闘志に火をつけます。普段はサーキットとして使用される全長3.2kmの三角形のオーバルトラックの中に高くそびえるパイロン。そこでは予選から気を抜くことのできないレースが展開されました。

チャンピオンシップ6位の成績で本大会に乗り込んだ室屋義秀選手を擁するチーム・ファルケン。3日[土]の予選でナイジェル・ラム選手(イギリス)が叩き出した0:53.110のレースレコードを受けての果敢なチャレンジが奏功し、0:54.700の好タイムをマークして予選を4位で通過。幸先のいいスタートに誰もが本大会への期待を高めていきます。ところが好天に恵まれた初日から一転、大会2日目の決勝はあいにくの雨。各チームとも独特の緊張感に包まれ、室屋選手はじめ、パイロットたちはブタペスト大会同様、天候のゆくえを見守りながら、じっと待つことを余儀なくされました。この時点で、予選3位のマルティン・ションカ選手(チェコ)が、エンジン回転数の規定値超えで失格。室屋選手は順位を一つ上げ、予選3位で決勝のステージへ。

勝てるレースを確実に勝つために。

コンディションも上々で挑んだ決勝のラウンド・オブ・14は、予定よりも1時間遅れてのスタート。室屋選手の対戦相手はニコラス・イワノフ選手(フランス)。成績の浮き沈みが激しいタイプですが、その美しいターンが他のパイロットからも一目置かれる存在です。先行したニコラス選手のタイムは0:57.088。室屋選手のこれまでのタイムからすれば、着実なフライトを維持できれば決して勝てない相手ではありませんでした。抜かりなくフライトに臨んだ室屋選手でしたが、ゲート3から4にかけてのコーナーで痛恨のオーバーGによってDNF(DID NOT FINISH)。ここでまさかの敗退となりました。

「イワノフ選手のタイムはわかっていたので、あえて攻め込まず、自分のペースで飛んでいました。ゲート3から4へのコーナーでオーバーGになるとはまったく予期しない展開でした」。レース後、室屋選手は口惜しそうに語りました。「機体の調子は良かったので残念です。解析データとの調整で身体に刷り込んだ自分の感覚はもちろんですが、気温や空気密度といった気象条件など、あらゆる角度からの対応や対策が必要だと感じました。その点パイロットとして準備不足でした」。機体や技術的な面からみれば室屋選手に分がありましたが、今回はそれ以外の点が影響したようです。

「機体の改良よりも、まずはパイロット。千葉のときと同じように、とにかく飛んで飛んで、オーバーGの対策を筋肉が自然に反応するレベルまで体で覚えるしかない。ここ3戦、苦しい戦いが続いていますが、さらにしっかりと研究とトレーニングを重ねて、残り2戦、確実に勝ち上がりたいと思います」。次回インディアナポリス、そして最終決戦のラスベガスに向け、機体とどれだけシンクロして飛べるかが今後のレースの鍵を握ることになりそうです。

RESULT

Rank Name Nationality Point
1 Matt Hall AUS 15
2 Matthias Dolderer GER 12
3 Pete McLeod CAN 9
4 Martin Sonka CZE 7
5 Hannes Arch AUT 6
6 Michael Goulian USA 5
7 Nicolas Ivanoff FRA 4
8 Kirby Chambliss USA 3
9 Juan Velarde ESP 2
10 Nigel Lamb GBR 1
11 Peter Podlunsek SLO 0
12 Francois Le Vot FRA 0
13 Petr Kopfstein CZE 0
14 Yoshihide Muroya JPN 0
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