STORY 03
武者修行の末、
夢の地で迎えた春。
タイトルから見放された3年間。
メジャーで味わった惜敗を松山は等身大で受け止めた。 積み上げてきたものを見直すべく、あらゆるポイントにメスを入れた。 2018年の春以降、まずはクラブを頻繁に変更。トライ&エラーを繰り返した。2019年には長年連れ添ったキャディと袂を分かち、学生時代を共にした後輩と新たにタッグを組んだ。
苦労が成果に表れるまでには長い時間を要した。タイトルから見放されるシーズンが1年、また1年と過ぎ、2020年の未曽有の新型コロナ禍を経験。スイング改造に何度となくチャレンジし、2021年から キャリアで初めて専属コーチを遠征に帯同 させた。
-2021
- HIDEKI MATSUYAMA
- STORY 03

挑み続けて10年。悲願のマスターズ優勝。
数年に及ぶ試行錯誤は最高の舞台で結実する。同年4月のマスターズ。初日を2位で飛び出すと、予選ラウンドを6位で通過。スコアが上下しやすいムービングデーの3日目にオーガスタナショナルGCで自己ベストの65をマークして単独首位に躍り出た。
後続に4打差を付けて迎えた最終日、朝から強大なプレッシャーに包まれた。予定よりも数時間早く目覚め、会場入りしてからも心拍数や身体のスピードがはね上がり、微細な制御が効かない。スタートの1番ホールをボギー。極限の緊張感が重くのしかかった。
日本のゴルファーが長年追い続けてきたメジャー優勝の夢。その高い壁に跳ね返された何人もの先人たちと想いを同じにし、周囲の期待を膨らませてきたからこそ、重圧に押しつぶされそうになった。呼吸さえも難しく感じたラウンド中盤、 頭に浮かんだのは、また自らと同じように、海外挑戦を志す次世代の選手たちの顔 だったという。「この苦しみを彼らに背負わせるわけにはいかない」。歯を食いしばり、後続を振り切る。覚悟は決まった。
2打リードで迎えた最終18番、バンカーからの3打目をグリーンにのせた。パーパットはカップを逸れ、タップインでボギー。誰もが待ち望んだタイトルは、身も心も、ボロボロになって掴んだ。万雷の拍手の中心で、苦難の道を一緒に歩んできたチームメイトと抱き合い、涙を懸命にこらえる。 震災、そして初めてオーガスタの地を踏んだあの日から、ちょうど10年目の春だった。
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今も記憶に残るあの名シーン、記事を読んで心に響いたこと、あなたの声をNEWS MATSUYAMA新聞に載せて松山選手に届けませんか?
新聞は全国のレクサス店舗やゴルフ場で4月上旬配布予定です。


松山日記

身につけるもの

ゴルファーにとってはクラブやボールだけでなく、身に着けるものも大切。
シューズは歩くためだけでなく、スイングを安定させる上でも重要なギアのひとつです。
プロ入りしてからアシックスさんのシューズを長く愛用してきました。
試合中にショット、パットにより集中するため、ブランドマーク(ストライプ)が視界に入らないように、小さく、かかと側にずらして作ってもらっています。
スパイクの位置、ソールが外側に出ている形状もスイングするときの足の動きを考えたもの。
何をするにも、足元が揺らいでいては上手くいきません。
<OFF THE TOURNAMENT #10>より転載

アスリート編
松山選手の
パーソナルな
一面を深掘り!
妥協を許さず、ひたむきに努力を積み重ねる姿勢や鍛え上げられた
松山選手のフィジカルに迫る。
- #01 眼孔
- その眼差しは何を捉えているのか?その時、何を考えているのか?
- #02 手
- 身体とクラブをつなぐ重要な接点について語るこだわりや想い。そして、リクエストされた握力測定の結果は・・・
- #03 太腿
- 鍛え上げたスイングの土台は試合のどこで違いが出てくるのか。そして、苦手なトレーニングとは?
- #04 両腕
- 試合前の練習で見られる片手打ちの真意は?そして松山英樹選手はどちらの腕を多く練習しているのか?