キックオフ・セッション
イベントレポート

6月28,29日に全国の匠が東京に集結し、
キックオフ・セッションを行いました。

「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017」の幕開けとなるキックオフ・パーティーとキックオフ・セッションが東京で開催され、全国から51名の匠が一堂に会しました。小山薫堂氏をはじめとするサポートメンバーによる「トークセッション」や、サポートメンバーと作品についてディスカッションする「個別セッション」など、プロジェクトのスタートにふさわしい有意義な2日間となりました。

Day1 2017.06.28 「キックオフ・パーティ」

「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017」は、東京・南青山の「INTERSECT BY LEXUS」で開催されたキックオフ・パーティーからスタート。最初は緊張した面持ちの匠たちでしたが、モノづくりのプロ同士、お互いの作品や経歴の紹介などの話に花が咲き、一体感が生まれるパーティとなりました。また、Lexus Internationalの沖野和雄氏によるLEXUS BRAND VISION紹介や「INTERSECT BY LEXUS」の案内など、匠がLEXUSに触れていただくきっかけにもなりました。

Day2 2017.06.29 「キックオフ・セッション」

「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016」匠の講演講演:安藤騎虎氏、百瀨聡文氏

2016年度の匠である、岡山県の作陶家・安藤騎虎さん、静岡県の挽物師・百瀨聡文さんから、ご自身が制作されたプロダクトに込めた想いや体験談などを語って頂きました。講演後には、お二人への質問が活発に飛び、安藤さん、百瀨さんから本年度の匠へ温かいエールが送られました。

レクサスのモノづくり講演:Lexus International 加藤武明氏

プログラムの2つ目は、Lexus NXをはじめとするレクサス車のチーフエンジニア(開発責任者)、Lexus Internationalの加藤氏による講演。「レクサスのモノづくりの歴史」「レクサスが目指すモノづくりとは」「匠―Craftmanship」という3つのテーマで、モノづくりにかける熱い想いを語りました。匠たちは加藤氏の話に熱心に耳を傾けながら、その妥協しない姿勢に共感した様子で、講演後には多くの質問が飛び交い、充実した時間となりました。

個別セッション

個別セッションでは、制作を予定しているプロダクトについて、サポートメンバーが匠一人ひとりとディスカッションを行いました。自身のプロダクトを説明する匠たち、その熱意に応えるサポートメンバー。「制作のイメージが明確になった」と、匠にとってプロダクト開発の良いスタートになりました。

トークセッションスーパーバイザー 小山薫堂氏
サポートメンバー 隈研吾氏、生駒芳子氏、下川一哉氏、グエナエル・ニコラ氏、清川あさみ氏、川又 俊明氏

この日最後のプログラムは、7名のアドバイザーによるトークセッション。
川又氏が司会となり、 個別セッションを終えての感想やモノづくりへの想いなど、意見を交わしました。
「生活者の暮らしを意識したデザインが大切」(ニコラ氏) 
「今の人は良いデザインに目が慣れている。 作品のデザイン力を重視して欲しい」(生駒氏)
「日本工芸は試行錯誤の中にある。しぶとくやる内にレベルは上がる」(隈氏)
「次世代に繋がるユニークなものにチャレンジして欲しい」(清川氏)
「自分だけではなく、仲間を見つけて解決することも重要」(下川氏)
「作った作品が誰と出会うか、が大切。このプロジェクトはまさに『出会いの場』なんです」(小山氏)など、
それぞれの視点からモノづくりに取り組む匠たちへエールが送られました。
最後にスーパーバイザー小山氏からの「私は、モノづくりをする時に3つの事を問います。その仕事は新しいか?自分が楽しめるか?誰かを幸せにできるか?
ぜひ、これらに当てはまるモノづくりにチャレンジしてみてください」
という激励の言葉で締めくくられました。

「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017」を、これからも応援よろしくお願いします。

LEXUS NEW TAKUMI PROJECT サポートメンバー 隈研吾氏 インタビュー

昨年度に引き続き、サポーターとして本プロジェクトにご参加いただく隈研吾氏。
キックオフ・セッション当日、これから全国各地の仲間とともに、革新的なモノづくりに挑戦する匠に向けたメッセージとして、隈氏自身の遍歴やクリエーションへの姿勢について話を伺った。

■ 建築家への道を大きく拓いた「移動」と「パートナー」
− 隈さん自身が「匠」と同じ30代の頃、東京を離れて、地方で様々なプロジェクトに参画されていたと聞くが、当時を振り返って感じることは?
ずっと東京にいたら、今の自分はなかったですね。90年代初期にバブルがはじけて、労働環境が厳しかった10年間、地元の職人さん達と地方の小さなプロジェクトに携わっていました。その10年が、自分の建築に対する姿勢を大きく変えたと感じています。
− 新たな仕事を求めて移動するとき、隈さんを後押ししたものは?
人との繋がりです。「美味しいものがあるよ」「飲もうよ」といった、仕事と直接関係ない誘いにも応えて行ったこともあります。自分から積極的に、どこに行こう?と場所を探したわけではなかったですね。職人や「匠」の世界に出て行こうという志は素晴らしいですが、だれかと一緒に出ていくことが重要な気がします。僕の10年間の心の支えも、仲間だったので。
− 隈さんにとって、仲間やパートナーになる上で重要なこととは?
仕事の話でいえば、「こんな未来を作りたい」というビジョンを共有していることが大事だと思います。パートナーになるような人は、会話をしているうちに、「この人とならやっていける」と感覚でわかるものです。パートナーには、僕の価値観も示すようにしているし、相手の価値観も示してもらいたいと思っています。このプロセスさえあれば、その後の打ち合わせやプレゼンテーションは、上手くいくし、むしろ二次的なものになってくるのかもしれません。
■ クリエーションが消費される時代、つくるべきは「語るモノ」と「見せる場所」
− 世界的に、日本のモノづくりにおいて、技術は高く評価される一方、それを発信する力やプレゼンテーションスキルが低いと言われるが、どう考えるか?
「匠」には、必要以上の説明スキルはいらないと感じています。日本には、競争をして無理にモノを売る文化があるし、建設業界でも、頑張って営業して、商品を一生懸命売りすぎる風潮があるので。それよりも、「人の心に響くプロダクト」と、それを「多くの人に見せる場所」をつくることが大事。そこで何を喋るかは、そこまで重要じゃないのでは、と感じます。
− モノが消費されながら、気づかないうちに作り手の「クリエーティビティー」までもが、消耗されてしまっているのかもしれない。
そう思います。プロダクトのありのままの魅力が伝わることがすべてなので。プレゼン資料を用意する時間も必要だけれど、プロダクトをより良くみせるために、どんな格好でプレゼンすべきかや、プロダクトの背景にあるストーリーなどを準備することが大事だと思います。
■ クリエーションを喜び・作品に素直になると、若き匠は飛躍する
− LEXUS NEW TAKUMI PROJECTに参加する「匠」の印象は?
県内での選考を経て、各県を代表する匠が集まっているので、「競争の場」だって意気込みを感じる作品が多いですね。意気込みが空回りしているモノもあるなと思います。競争の場は、みんなに負けないようなモノを作ろうと、自分自身を見失って、「あの人普段こんなじゃないのに。」ってことも、しばしばありえるので。その土俵で勝てるか負けるかは場数で、 勝ち残ったものを見て勉強することで、自分の糧にしていってほしいです。
− 今回プロジェクトに参加しているような、若い「匠」だからこそできることは?
アーティストもそうですが、初期の作品が一番、力みがなくて自分らしさが素直に出ていてよかったと言われる人も多いです。プロジェクトでも、若い匠の「自分らしさ」や「素直さ」を引き出すことで、応援していきたいです。
− 本プロジェクトのサポートを通じて、感じることは?
「匠」の作品は「自分の建築に置きたいかどうか」という視点で見ています。最初から、売れるか売れないといったマーケットのトレンド視点で見るよりも、その方が本質的な気がするんです。作り手自身も、まず自分で作っていて、楽しいことが一番大事。僕自身も、最後まで楽しんで作れる建築しかやらないようにしています。自分が楽しくモノづくりをした上で、まず作品を売ってみて、なにか違うと感じたならば、市場のリアクションを参考に作品の修正をしていけばいいと思います。
− 隈さんにとっての“クリエーション”は?
締め切りがない限り、ずっとやっていたいです。締め切りがあるからこそ、そこまでに最善を尽くすようにしています。クリエーションするプロセスを楽しむことができ、それを磨きたいという気概がある人が長続きするし、その姿勢あれば、いいチャンスも巡ってくると思います。