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GOODWOOD FESTIVAL OF SPEED Vol.1 唯一無二のスピードの祭典“FoS”を知っていますか?

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。通称 FoS。 歴代のモーターレースのチャンピオンマシンや世界中のアイコニックなレーシングカーが集結するこのスピードの祭典に、今年パフォーマンスモデルである“F”が 10 周年を 迎えた LEXUS もエントリー。モータースポーツはもちろんのこと自動車全般を一つの文化として捉え、その発明と発展 そして未来をつなぐ盛大な“お祭り”の模様を 3 回に分けて連載する。

COLUMN1

モーターレースに対する敬意と愛情

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(通称 FoS)の名を見聞きしたことはあるだろうか?

英国の首都・ロンドンからクルマを南西へ走らせること 2 時 間半ほどの英国らしい緑豊かな郊外にある、由緒正しい伯爵所有の広大なプライベート・エステートで行われる FoS。世界を見渡せば数多くのモーターレース関連のイベントは存在するが、陽が驚くほど長い英国の夏を彩る FoS が他と一線を画すのは、自動車の発明と発展、取り分けレースカーや スポーツカーの進化をアートや文学と変わらない、社会に根付いた“文化”として位置付けている点だ。その上で関連するヒストリー、マニュファクチャラー、テクノロジー、デザイン、パフォーマンス、歴代レーサー、そしてそれらを目撃 してきた(場合によっては親子 2 代、3 代と続いてこの地を訪れる)観客たちのすべてを盛大にセレブレート=謳歌する場としてのフェスティバルに収斂している。

FoS を主催するのはこの広大なエステートを所有する第 11 代リッチモンド公爵。この侯爵家の美しい庭園に 1930 年代に活躍したメルセデス・ベンツ W125 や 90 年代に英国人レーサー ナイジェル・マンセルのドライブで F1 グランプリを席巻したウィリアムズ・ルノーFW15C など、モータースポーツの歴史に名を刻む新旧のアイコニックなグランプリマシンや GT カーが一堂に会す。その名車たちをジャッキー・スチュワート卿やジェンソン・バトンを代表とする歴代のチャンピオンレーサーと人々の記憶に残る名ドライバーたちがエキゾーストノート轟かせて全長 1.16 マイルを疾走するヒルクライムレースが一番の目玉である(2018 年は LEXUS も RC F GT3、LC500、 RC F、LFA など各モデルをエントリー)。一方で毎年、20 万人近くが訪れる観客のひとりひとりを公爵自身にとっての “VIP”として歓待、世界的有名企業のエグゼクティブクラスから子どもの手を引くファミリー連れまで、すべての層が分け隔てなく楽しめるコンテンツも備えている。その雰囲気は、“エクスクルーシブ”でありながら同時に“オープンで親しみやすい”———。一見すると相対しかねない、この両コンセプトの絶妙なバランスこそが FoS をモーターレースの世界で、唯一無二の存在としている所以だ。「FoS とは何か?」と問われれば、19 世紀よりオートモービルの発展を 先導してきた先進国の一つである英国に脈々と続く自動車 DNA が、もっとも華やかなカタチで具現化した“一大パーティー”と答えるのが適切なのかもしれない。そう思わせるほど、7 月の週末に行われるこのフェスティバルは、クルマ文化への全面的な敬意と愛情に満ち溢れている。

とにかく広い、グッドウッド・エステート!

敷地について先に「広大」と簡潔にひと括りしたが、グッドウッド・エステートが誇る真の“実力”に誤解を与えてしまうかもしれないので詳述すると......。

敷地全体の面積は 1 万 2,000 エーカー、1 エーカーが約 4,047 平方メートルなので総計 48,564,000 平方メートル。月並みながら東京ドームの数に換算すると 1,000 を超える 膨大な広さを誇るこの敷地内には、有名なホースレースも開催される競馬場、第二次世界大戦を戦った戦闘機「スピットファイヤー」などのビンテージエアクラフトを格納する飛行場、18 ホールのゴルフ場が 2 つ、地産地消を旨とする自前の農場にホテル、そしてレース用サーキットを備えている。英国王室から爵位を叙された 17 世紀から続く公爵家とはいえ、これらすべてを所有、切り盛りしていると いう事実は、階級社会が今でも色濃く残る英国といえども規格外のスケールといっていいだろう。

25周年を迎えたFoS

FoS の初回開催は 1993 年。日曜限定の 1 日イベントとして始まり年々その規模を拡大、今年で記念すべき 25 周年を迎えた。自他ともに認める国際的自動車フェスに発展したが、その起源は現リッチモンド公爵の祖父にあたる第 9 代リッチモンド公爵が、自前でサーキットを建設し、開催したレースイベントにあるといえる。「私のモーターレース愛は隔世遺伝されたのさ」と現公爵が自身の言葉で語るとおり、FoS 開催の英断をするうえでレーサーとしても鳴らした祖父の遺志を継承した側面は少なからずあるだろう。

しかし FoS の今日の成功はファウンダーである現伯爵の手腕による。「誰が所有しているかではなく、自動車の歴史を彩ってきたクルマそのものがもっとも重要」として、FoS への出走を招聘する招待状はオーナーではなく“クルマに対し て送る”という徹底ぶりだ。

その姿勢に賛同し、フェラーリ、メルセデス・ベンツ、マクラーレン、ウィリアムズなどの F1 チームがそれまでグランプリ以外で出走歴のなかった F1 カーを FoS に送り込んだり、各メーカーが FoS に合わせて最新モデルやスペシャルエディションのワールドプレミアを開催するなど、右肩上がりの観客動員とともにフェスティバルとして有機的な進化を遂げてきた。

ビンテージカー、F1、ル・マン、ラリー、GT レースからプロトタイプまで横断的にモーターレースカテゴリーを網羅するだけでなく、空を見上げれば英国空軍所属のアクロバットチーム、レッドアローズが超高速の空中曲芸を披露し、夜には公爵主催の豪華絢爛なガーラパーティとそれを締めくくる花火が夜空を色鮮やかに彩るなど、文字どおり“Action packed”(=見どころ満載)なウィークエンドがここには用意されている。

COLUMN2

LEXUS にとってのフェスティバル・オブ・スピード

LEXUS が FoS に本格的に参加したのは 2016 年のこと。同年 1 月のデトロイトモーターショーで話題となり、以後の LEXUS ブランドのクルマ作りの方向性を示したラグジュアリークーペ、LC500 の英国でのロールアウトを行ったのが きっかけだ。3 年目となる 2018 年の FoS にも、スタイリ ッシュなガラスのファサードが印象的な直方体のシンプルかつ洗練されたデザインのパビリオンが登場。そのメインエントランスには LC500、LC500h、そして LEXUS F ブラ ンド 10 周年記念モデルである RC F 10th Anniversary が鎮座。スピードの祭典にふさわしいラインナップが多くの来場者を迎えた。

「英国最大のカーカルチャー・イベントは私たちにとってとても重要な機会です。スピードのスピリットを持つ 1900 年代の歴史的なクルマから現代の F1 マシンや高性能なスポーツモデル、そして未来のコンセプトカー、その間にあるあらゆるクルマの音やエネルギー、匂いを体感してクルマ文化を堪能、賛美する場なのです。目の前で世界中のさまざまなデザインのクルマが実際に動き、タイヤから煙が立ち上り、燃料の匂いが放たれ、体を震わす音を発する——クルマが本来の使命を全うしている姿はとても視覚的な体験で感情に響くものです。」

レースファンはもちろん、クルマに多少でも興味があるならば必ずグッドウッドを訪れるべきだ、と力説するのは LEXUS UK でマーケティング戦略を統括するジェイソン・スタンリー氏。その理由はモーターレーシングの“息遣い”、つまりレースカーが放つ音、熱量、匂い、そしてなによりもハイパワーで疾走する姿を五感を通して満喫できるからだという。

「2016 年は LEXUS にとって本当に大きなターニングポイントでした。LC のプレローンチにここ FoS を選び、かつてないほど大きな注目を浴びました。また LEXUS が掲げるBRAVE DESIGN(=挑戦するデザイン)、EXHILARATING PERFORMANCE(=すっきり奥深いパフォーマンス)といった核となるブランドメッセージを十二分にアピールすることができました。」

「スタティックな展示と、アドレナリン高まるヒルクライムレースでのダイナミックなパフォーマンスの両側面で、LEXUS が提供する“違い”を体感してもらうことができるのです。また LEXUS のクルマづくりを支える職人=TAKUMI のストーリーを直接アピールできる点も大きい。TAKUMI になるためにどのようなテストを乗り越えなければいけないのか──たとえば 90 秒の制限時間内に片手で折り紙の猫をつくるテストなど──といったエピソードも伝えられます。こういった話は、ヨーロッパの消費者にとっては驚き以外の何ものでもないのです。」

五感を刺激するお金で買えない最高の体験”がここに

LEXUS は 2018 年の FoS における新しい試みとして、英国 BBC の人気自動車番組『Top Gear』とタッグを組んで同 番組のフェイスブックフォロワーを対象に、今シーズン北米の IMSA ウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップで優勝争いを繰り広げる LEXUS RC F GT3 の助手席に座ってヒルクライムコースを疾走できるレーシングタクシーのプレゼントキャンペーンを実施した。RC F GT3 のハンドルを握るのは、NASCAR、IMSA などで輝かしい戦歴を残してきた伝説のレーサー、スコット・プルエット選手で、舞台、役者ともに申し分のないセットアップだ。またグッドウッドの公式レーシングクラブ、Goodwood Road and Racing Club(GRRC)のメンバー向けに LC の乗車体験も用意した。

「どちらもお金では買えない特別な体験です。スコットと一緒にヒルクライムを疾走するなんて望んでも叶うようなことではありません。また、LC に乗った GRRC のメンバーは、V8 エンジンが奏でる官能的な音に驚きを隠せない様子でした。」

 

FoSにおける各ブランドのインベストには目を見張るものがあり、毎年、老若男女のファンを熱狂させるユニークなイベントが目白押しだ。自動車をこよなく愛する人々が、熱狂的なファンに向けて企画するのだから面白くないわけがないのだ。

次回はイベントのハイライトであり、知っているようで、知らない“ヒルクライム”にスポットライトを当て、この魅惑のトラックの真価に迫る。

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