2017 SUPER GT ROUND1

FINAL GT500

2017 SUPER GT500 第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」レポート
8th - 9th Apr, 2017

平川亮選手がコースレコードで予選を制覇

2017 年の SUPER GT が 4 月 8 日(土)、9 日(日)、岡山県の岡山国際サーキットを舞台にした「OKAYAMA GT 300km RACE」で開幕。今年も日本屈指のテクニカルコースで国内最高峰のGTレースがスタートした。

2006 年の SC430 で第一歩を踏み出し、2014 年に RC F へ受け継がれた LEXUS の挑戦も2017年で第3章を迎える。LEXUS はニューモデル、LC500 を投入。

LC500 は文字どおり、LEXUS の新型ラグジュアリークーペ、LC をベースとするレーシングマシンで、その特徴について、LEXUS TEAM au TOM’S のチーフエンジニア、東條力氏は「ライバル車両と比べると空力がいい。2017 年は新レギュレーションでダウンフォースが削られているけれど、LC500 が一番うまく対応している。それにエンジンもいいし、クーリングもいいのでブレーキも安定している」と語る。

さらに、ZENT CERUMO LC500 のステアリングを握る立川祐路選手も「LC のフォルムは空力的な部分でアドバンテージがあると思う。乗りやすいクルマで、すべての面において RC F GT500 より進化している」と LC500 に対する評価は高い。

事実、開幕前の合同テストでは抜群のパフォーマンスを発揮し、8 日(土)、花曇りの午後に行われた開幕戦の予選でも LEXUS 勢の好タイムが期待された。

まず石浦宏明選手の ZENT CERUMO LC500 が Q1 でトップタイムを叩き出したほか、アンドレア・カルダレッリ選手の WAKO’S 4CR LC500 が 2 位、ニック・キャシディ選手の KeePer TOM’S LC500 が 3 位、関口雄飛選手の WedsSport ADVAN LC500 が 4 位を獲得。「クルマは悪くなかったけど、僕のミスでタイムを出せなかった」と語るように昨年覇者ヘイキ・コバライネン選手の DENSO KOBELCO SARD LC500 は 15 台中 9 位と振るわずに Q1 で敗退したものの、ジェームス・ロシター選手のドライビングで8位につけたau TOM’S LC500を含めて6台中5台のLC500がQ2進出を果たす。

しかし、Q2 で予想外のハプニングが発生。チェッカーまで残り3分、各マシンのアタック直前で雨が降り始めたことで中嶋一貴選手のau TOM’S LC500 がコースアウト。赤旗が提示され、セッションが中断されることとなった。

残り 4 台の LC500 もこの赤旗でアタックのチャンスを失った。「予選用のタイヤは 70℃ ぐらいになって初めて粘着するけれど、そこまで温めるのに3ラップが必要になる。でも、赤旗中断でタイムを出すことができなかった」と語るのは 2 年連続でポールポジションを獲得している平川亮選手で、その言葉どおり、KeePer TOM’S LC500 は 3 位に。立川祐路選手の ZENT CERUMO LC500 も 4 位、国本雄資選手の WedsSport ADVAN LC500 も 6 位に終わる。LEXUS 勢の最上位は大嶋和也選手がアタックした WAKO’S 4CR LC500 の 2 位で、LC500 の初のポールポジション獲得は次戦へ持ち越された。

決勝日の 9 日(日)は未明まで不安定だった天候も回復、桜に囲まれた岡山国際サーキットには朝から薄日が差し込んでいた。午後に入ると気温が上昇するものの、LEXUS勢はウォームアップ走行でも6台のLC500が好タイムを連発。そして、300kmの決勝も6台のLC500が歴史に刻む名勝負を演じることになる。

レースは波乱の幕開けとなる。パレードラップ中に予選5番手の17号車(KEIHIN NSX-GT)が電装系のトラブルで早々に戦線離脱すると、今度はポールポジションの8号車(ARTA NSX-GT)がフォーメーションラップで突然ストップ。決勝はセーフティカーの先導で3ラップ目に再スタートを迎えると、ここからLEXUS LC500同士の激しいバトルがはじまる。口火を切ったのは実質的に2番手でスタートを切っていたKeePer TOM’S LC500だった。

再スタート直後のバックストレートエンドでニック・キャシディ選手のKeePer TOM’S LC500がトップに浮上。一方、「ポールポジションの8号車(ARTA NSX)が止まったことで先頭からスタートできたのに、タイヤのウォームアップに苦しんでペースが上がらなかった」と大嶋選手が語るように WAKO’S 4CR LC500 が 2 位に後退する。石浦選手の ZENT CERUMO LC500 が 3 位、関口選手の WedsSport ADVAN LC500 が 4 位で続く。12周目にはロシター選手の au TOM’S LC500 が 5 位、コバライネン選手の DENSO KOBELCO SARD LC500 が 6 位に浮上し、6 台の LC500 が上位を独占する。

レースは中盤に入ると各チームはピットインを行い、ドライバー交代と給油およびタイヤ交換を実施。このピット作業でポジションアップを果たしたのが、カルダレッリ選手に代わったWAKO’S 4CR LC500と石浦選手に代わったZENT CERUMO LC500、そして、中嶋選手が引き継いだ au TOM’S LC500 だった。対して平川選手に代わったKeePer TOM’S LC500は4位に後退。とはいえ、先にピット作業を終えていたKeePer TOM’S LC500は、前走するアウトラップの3台を次々にかわして行き、再びトップに浮上。

「タイヤがハード過ぎたこともあって、常に6号車がバッグミラーに映る状況だった」と平川選手が語るように、レース終盤はKeePer TOM’S LC500と元チームメイトでもあるカルダレッリ選手のWAKO’S 4CR LC500がテール・トゥ・ノーズの状態でトップ争いを展開する。そして、ポジションはかわらずに最終ラップへ。

西日に照らされた LEXUS TEAM KeePer TOM’S のピット内は緊張感に満ちていた。KeePer TOM’S LC500 が最終コーナーを立ち上がるとキャシディ選手、そしてメカニックたちは平川選手の健闘を称えるべく、ピットウォールへ駆け出し、フェンスの間からガッツポーズを突き上げる。それに応えるように平川選手もピットウォールに KeePer TOM’S LC500 を寄せてチェッカー。祈るような仕草でピット内のモニターを見つめていたチームスタッフたちに歓喜の瞬間が訪れた。

「オフシーズンにチームが素晴らしい仕事をしれくれたので自信はあったけれど、最初から勝てるとは思っていなかった。本当に嬉しい」と初優勝の喜びをキャシディ選手が語ると、2015年シーズン以来となる勝利を獲得した平川選手は「運も味方してくれたけれど、チームとニックがすごく良い仕事をしれくれた」と冷静にコメント。LC500 の初陣はこの若きコンビを擁する LEXUS TEAM KeePer TOM’S の奮闘によって勝利で飾られることとなった。

なお、WAKO’S 4CR LC500 が 2 位、DENSO KOBELCO SARD LC500 が 3 位で表彰台を獲得したほか、ZENT CERUMO LC500 が 4 位、 au TOM’S LC500 が 5 位、WedsSport ADVAN LC500 が 6 位入賞。6 台の LC500 がトップ6を独占するドラマティックなレースとなった。2017 年の SUPER GT は LEXUS 勢がトップ争いの主導権を握るに違いない。

●LMcorsa が 2 台の新型 RC F GT3 を投入。51 号車が 8 位入賞

大阪トヨペットグループを母体とするレーシングチーム、LMcorsa が 2015 年にRC F GT3 を投入して以来、GT300 クラスにおいても最前線を戦ってきた LEXUS は、同クラスにおいても新たな局面を迎えている。参戦3年目のシーズンに合わせて新開発の RC F GT3 を投入。これに合わせて 60 号車の SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 のほか、それまで他の車種で参戦していた 51 号車も JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 となり、LMcorsa は 2 台の RC F GT3 で 2017 年のシーズンに参戦をする。

この新型の RC F GT3 に対して、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 のエンジニアを勤めてきた小藤純一監督は「2016 年まで戦ってきた旧型モデルと今年の新型モデルはまったく違うクルマ。旧型モデルもコーナリングは速かったけれど、この新型はさらにコーナリング性能が向上したし、エンジンも良くなった。信頼性も向上している」と力強く語る。

さらに JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 のドライバーとして 2017 年より RC F のステアリングを握る中山雄一選手も「ステアリングやブレーキのフィーリングがとてもいい。トータルのバランスがいいので、どのコースでも速く走れると思う」とインプレッションを語った。

8 日(土)に行われた予選では坪井翔選手のアタックにより 6 位で Q1 進出を果たし、引き継いだ中山選手が Q2 で 4 位を獲得した JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 に対して、 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 は 22 位にとどまり Q1 で敗退する。この 2 台の明暗を分けたのは装着タイヤの違いだった。ブリジストンを使用する JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 に対して SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 はヨコハマを採用。「ブリジストンは温まりが早いのでうまくタイムを出すことができた」と JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 の影山正彦総監督が語れば、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 の小藤監督も「予選のコンディションにタイヤが合っていなかった」と語る。

そして 9 日(日)の決勝、2 列目からスタートした JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 はレース序盤こそ 4 位をキープするものの、各チームがピット作業を終えた後半は 8 位に後退。対して22位からスタートした SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 はコンスタントな走りを披露し、レース後半には14位まで浮上する。

53周目に他の車両がクラッシュしたことでレースは赤旗で中断。その再スタート時にエンジントラブルで出遅れたことから、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 は 22 位にとどまったものの、小藤監督は「トラブルはあったけれど、決勝のペースは悪くなかった。予選でもう少し上に行ければ上位争いができる」とその手応えを語る。

さらに8位入賞を果たした JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 も「ドライバーもメカニックも完璧だった。セットアップとタイヤの開発でクルマは進化すると思うので、トップ争いを展開したい」と影山総監督が語っているだけに、GT300 クラスでは2台の RC F の躍進に期待したい。

Po No. MACHINE DRIVER LAPS BEST LAP Diff.(km/h) TIRE WH
137KeePer TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
平川 亮
ニック・キャシディ
811'20.2912:12'39.626BS
26WAKO'S 4CR LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
大嶋 和也
A.カルダレッリ
811'19.7841.503BS
31DENSO KOBELCO SARD LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
ヘイキ・コバライネン
平手 晃平
811'20.6082.761BS
438ZENT CERUMO LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
立川 祐路
石浦 宏明
811'20.2222.939BS
536au TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
中嶋 一貴
ジェームス・ロシター
811'20.4557.607BS
619WedsSport ADVAN LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
関口 雄飛
国本 雄資
811'20.6019.219YH
723MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
811'21.06620.096MI
812カルソニック IMPUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
安田 裕信
ヤン・マーデンボロー
811'20.93932.360BS
916MOTUL MUGEN NSX-GT
Honda NSX / HR-417E
武藤 英紀
中嶋 大祐
811'21.01140.195YH
1024フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
佐々木 大樹
J.P.デ・オリベイラ
811'21.29451.691YH
1117KEIHIN NSX-GT
Honda NSX / HR-417E
塚越 広大
小暮 卓史
731'20.8688LapsBS
1264Epson Modulo NSX-GT
Honda NSX / HR-417E
ベルトラン・バゲット
松浦 孝亮
571'21.55024LapsDL
46S Road CRAFTSPORTS GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
本山 哲
千代 勝正
331'21.52848LapsMI
100RAYBRIG NSX-GT
Honda NSX / HR-417E
山本 尚貴
伊沢 拓也
51'21.26076LapsBS
8ARTA NSX-GT
Honda NSX / HR-417E
野尻 智紀
小林 崇志
DNSBS

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