EVENTS & FEATURES

INTERVIEWS

SPECIAL INTERVIEW
サッシャ / 小林稔 / 大谷達也

2014年シーズンを振り返り、2015年シーズンを展望する
心が震えるバトルの予感

熱心なレースファンにして、SUPER GTの実況も行うタレントのサッシャさん、SUPER GTのオフィシャルフォトグラファーを務める小林稔さん、SUPER GT全戦を追いかけるモータージャーナリストの大谷達也さん。この3名に、昨シーズンを振り返っていただくとともに、今シーズンの見所をうかがった。

SUPER GTの魅力はどこにありますか?

サッシャ:たとえばレクサスだったらRCですが、普段接している車の超スーパーカー版をF1経験者などトップレベルのレーサーがドライブするカテゴリーがGT500です。つまり身近に感じるマシンを、最高峰のドライバーが操る。ここがほかのレースと違う魅力だと思いますね。

小林:写真を撮る立場から言うと、常にバトルがあるので撮っていて楽しいレースですね。ひとつの画面にマシンが何台も写っている。やはり、バトルがレースの醍醐味じゃないですか。ウェイトハンディなどのルール作りがうまくいっているからだと思います。

大谷:いろいろなレースを取材しますが、確かにSUPER GTはドライバーの真剣味が違いますね。小林さんの言う通り、バトルが激しいからでしょう。

サッシャ:1台のマシンを2人のドライバーが乗るというのもSUPER GTの面白いところですね。ドライバーの個性が違うし、ドライバー交代で流れが変わったりしますから。

大谷:ドライバーが2人いることで、ストーリー性が生まれますね。ひとつ付け加えると、昨シーズンからSUPER GTのレギュレーションが変わって、ドイツのツーリングカーレースと基本的には同じになりました。早ければ2年、3年後には日本とドイツのマシンが一緒に走るレースが、年に1戦ぐらいは開催できるかもしれません。

サッシャ:アメリカのツーリングカーレースも、将来的には日本やドイツと同じになりますよね。

大谷:そうなんです。そうなると、SUPER GTがワールドカップのようなレースになります。

2014年シーズンで印象的だったレースを教えてください

小林:一番面白かったのは第4戦の菅生ですね。ひどい天候だったんです。スタート時点では少しウェットで、どのチームもタイヤをどうしようか悩みに悩んでタイヤを選んだ。そしてその後に雨があがって--、かと思うとまた降ったり。

サッシャ:僕は去年のSUPER GTではじめて実況をやらせていただいたんですが、最初に担当したのが菅生だったんです。人生初のSUPER GTの実況があの大荒れの菅生って、どれだけの試練か(笑)。スタート時点で、各チームがタイヤを交換したり、しなかったり。順位も混乱してしまって。

大谷:あのレースは、取材歴何十年のベテラン記者でも大変でしたからね。

小林:そんな状況で、LEXUS Racingの1号車、LEXUS TEAM ZENT CERUMO RC Fは晴天用のスリックタイヤを交換しなかったんです。路面が濡れていてコントロールが難しいのに、スリックタイヤで走り切った。レースの終盤、立川祐路選手が必死にマシンを操っているのがこの写真です。

第4戦、菅生を走るLEXUS Racingの1号車、LEXUS TEAM ZENT CERUMO RC F。劣悪なコンディションの中、立川祐路選手が懸命のドライビングを見せた。

大谷:ドライバーの表情は見えませんが、立川選手の気持ちが伝わってくるような写真ですね。

サッシャ:すごくいいことをおっしゃいますね(笑)。確かに、スピード感があってレースっぽい、カッコいい写真です。

大谷:僕は、LEXUS Racingの勝ち方が2013年と変わったと思うんです、LEXUS Racingは岡山、菅生、鈴鹿、タイと、いままであまり得意じゃなかったコーナー主体のレースで勝っているんです。それまでは直線で速かったけれど、2014年からの新マシンは、コーナーで勝てる車になりました。ここに、RC Fというマシンの性格、特徴が表れていると思います。ちなみに、4戦で勝ったのはLEXUS Racingが最多ですね。

2015年シーズン、何を期待しますか?

小林:シーズン開幕前に鈴鹿サーキットで行われた公式テストに行ってきたんです。LEXUS Racingがなかなか調子がいいんですよ。ただ、最初に言ったように激しいバトルがSUPER GTの魅力なんで、圧倒的に優位なチームというのはないと思いますね。昨年同様、何が起こるかわからない楽しさがあると思います。いつもシーズン前に予想をするんですが、予想が当たったためしがありませんから(笑)。

サッシャ:SUPER GTのレギュレーションが変わって2年目になるんで、各チームの開発が進んで戦力が拮抗するんじゃないかと思っています。ファンとしては、接戦になることを期待しますね。ハンディやタイヤの選択も絡んでくるし、取りこぼしをするかしないかが、明暗をわけると思います。

大谷:僕は、ドライバーの移籍に注目しています。LEXUS Racingの各チームが、割とドライバーのキャラクターを揃えていると思うんです。

小林:あっ、確かにそうですね。

大谷:まずLEXUS TEAM LeMans ENEOSは、大嶋和也選手と国本雄資選手という、若くて速くて勢いのあるふたりを揃えました。

サッシャ:血の気も多そう(笑)。

大谷:多そうですね。そしてLEXUS TEAM ZENT CERMOは立川祐路選手と石浦宏明選手というベテラン。強くてしたたかなふたりです。

サッシャ:クール系ですね。

大谷:LEXUS TEAM SARDの平手晃平選手とヘイキ・コバライネンというヨーロッパ育ちのコンビも面白い。LEXUS TEAM PETRONAS TOM’Sの伊藤大輔選手とジェームス・ロシター選手は、だれもが認める実力者。

サッシャ:個性的なドライバーの顔ぶれを見ていると、ワクワクしてきますね。実は昨シーズン、僕はもう1戦、第7戦のタイを担当させていただいたんです。

小林:あれもタイヤ無交換作戦を採ったLEXUS Racingの36号車、LEXUS TEAM PETRONAS TOM’S RC Fが勝つという、すごく難しいレースでした。

サッシャ:子どもの頃からモータースポーツが大好きで、でも実況したらとんでもなく難しかった。でも、難しいというのは面白いということだと思うんです。SUPER GTはチーム、ドライバー、天候、タイヤ、サーキット、さまざまな要素が複雑にからみあうところが醍醐味です。2015年シーズンも、どんな展開になるか予想もつきませんが、だからこそ本当に楽しみです。

プロフィール

サッシャ

1976年、ドイツに生まれる。幼少よりレースを観戦してきた、筋金入りのモータースポーツ愛好家。2014年、念願かなってJ-SPORTでSUPER GTの実況を担当。2015年も数戦を実況する予定。

小林稔

1955年生まれの写真家。現在、日本レース写真家協会の会長を務め、SUPER GTのオフィシャルフォトグラファーとして全戦を撮影する。「一番近くでレースを観られるのが役得」とか。

大谷達也

1961年生まれのモータージャーナリスト。『Car Graphic』では副編集長を務め、モータースポーツも担当した。現在は新車インプレッションから一般誌への寄稿まで幅広く活躍する。日本モータースポーツ記者会会員。

PAGE TOP