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YOUNG GUNS SPEED TO VICTORY

若き王者 平川 亮、ニック・キャシディ

ムービーで凛々しくタキシードを着こなす23歳の2人は、2017 SUPER GTシリーズ GT500クラスを制覇した史上最年少コンビだ。
LEXUSのニューマシン LC500による1位―6位独占というセンセーショナルなデビューウィンにはじまったシーズンは、誰も予想ができなかった最終戦にまでもつれ込む壮絶なタイトル争いへ。そんな激動のシーズンに、平川亮選手、ニック・キャシディ選手の若き2人のスピードスターがピリオドを打った。それは23歳という若さが持つ勢いだけではなく、10代の頃からのレースキャリアで培われた確かな経験と、タイトル獲得へ向けてたてた緻密な戦略、そしてブレない2人の個性が結実した瞬間でもあった。
シーズン閉幕から2週間、リラックスした表情の2人に、改めてシーズンを振り返ってもらう。

Q:まずタイトルを獲得して2週間が経ちましたが、チャンピオンになった実感はありますか?何か生活に変化はありますか?

平川選手:
実感は多少ありますが、大きな変化はありません。変わったことは自宅にいろいろなものが届くこと。お祝いのお花とか食べ物とか(笑)。あとは、祝勝会をやっていただいたりとか、こうやってインタビューや撮影とかあったり、いつもより忙しくしていますね。

キャシディ選手:
まず第一に、目が覚めた時にとても気分がいいです。第二に電話をかけた時に相手が出てくれるようになりました。これはジョークですけどね(笑)。ひとつひとつを挙げるのは難しい。たしかに注目を集めるようになってきたけれど、あれから時間が経ち、早くも日常に戻りつつあります。

Q:キャシディ選手に質問ですが、2016年にデビューした際、SUPER GTに対してどのような印象を持ちましたか?

キャシディ選手:
SUPER GTはレベルが高くてハードだと思いました。マシンを速く走らせるのがとても難しい。僕のストロングポイントはメンタルとアダプタビリティ(適応力)なのですが、SUPER GTではとくに予選でパフォーマンスを出すのに予想以上の時間がかかってしまいました。

Q:2017年にデビューしたニューマシン、LC500のインプレッションをお聞かせください。

平川選手:
今年はクルマのレギュレーションが変わって、ダウンフォースがかなり削られましたが、開幕前のテストからクルマのバランスは良くて、シーズン始まってからも常にLEXUS勢が上位を争う状況が続きました。他メーカーもシーズン途中から追い上げてはきたのですが、LC500は1年を通していいパフォーマンスを発揮してくれました。

キャシディ選手:
テストの段階から手応えが良かったので、最初のレースから自信を持って臨みました。開幕戦で勝利した後、2戦目からセッティングを変更したところ、実は自分のドライビングスタイルとしっくりこなくなってしまいました。適応するのにしばらく苦労しましたが、シーズンが終盤に進むにつれて、問題の解決策が見つかったので最後の2戦はパワフルに走れました。

Q:2017年に合わせて、メンタルやドライビングにおいて何か意識的に変えたことはありますか?

キャシディ選手:
メンタル面はまったく同じですし、昨年からとてもハッピーです。ドライビングスタイルについては、ピンポイントでは答えにくい部分がたくさんありますが、レースにアプローチするすべてを総合的にアップデートしました。

平川選手:
とくにないですね。これまでの2年間はハンディを積まれて、苦しいところでポイントを重ねられてなかったので、今年は“そこ”でしっかり稼ぐぞ、という意気込みはありましたが、ドライビングやメンタルに関してはいつもどおりです。

Q:開幕戦の岡山で優勝、続く第2戦の富士で3位表彰台を獲得した結果、序盤からウエイトハンディがきつくなりました。苦しい時は何を考えながらレースをしていましたか?

平川選手:
初戦で勝ったので第2戦から厳しい状況にはなっていました。でも、僕も参戦3年目ですので、第7戦タイまでは誰よりもコンスタントにポイントを積み重ねていくことが大事だと思っていました。ウェイトがきつい分、もちろん勝てないので、気持ちのうえではモヤモヤしていましたが、クルマが重たいなかでポイントを取っていくことに、とにかく集中していました。

キャシディ選手:
パワーが落ちたし、車重も重くなったけれど、第3戦のオートポリスでの自分たちのパフォーマンスには満足をしています。あのレースでは同じチームのもう一台、au TOM’S LC500が勝ちましたが、車重を考えると僕たちのほうが、競争力はあったと思います。その大きなハンディを考えれば、自分たちのパフォーマンスはハッピーだったと言えます。

“最終ラップ、最終コーナーまで確信できなかった”

Q:2017年のシーズンにおいて、最も厳しかったラウンドは?

平川選手:
全部。ラクなところはひとつもなかったです。強いて挙げるとするならば、(タイトル争いが掛かっていた)最終戦のもてぎですね。

キャシディ選手:
鈴鹿。車重が重たかったし、リストリクターでパワーもなかった。レギュレーションに阻まれなければ勝利を目指してもっとファイトできたでしょう。

Q:最終戦までもつれる激戦のなかでチャンピオンに輝きましたが、タイトルを獲得できると確信できたのはどの段階でしたか?

キャシディ選手:
タイ戦が終えた時ですね。

平川選手:
僕は(最終戦の)最終ラップの最終コーナーを立ち上がって、アクセルを踏んで加速したところで初めて“大丈夫だ”と思いました。もちろん、手応えはあったけれど、慢心になっちゃうので、手応えとしてとらえてはダメだと思っていました。最終コーナーからちゃんと加速した時にやっとほっとできました。

Q:KeePer TOM’S LC500がタイトルを獲得できた要因は何だと思いますか?

平川選手:
一年を通して安定していたことです。大きなミスもなかったし、取れる時にきちんと優勝して、全戦でポイントを積み重ねたことだと思います。鈴鹿が終わったあと、19号車以外のLC500がタイトル獲得の可能性を持っていましたが、ターニングポイントはタイで、ポール・トゥ・ウインをしてポイントリードできたことだと思います。

キャシディ選手:
チーム内のみんなの接し方によって、とてもリラックスしてレースができたことがタイトル獲得の要因だと思います。シーズンを大きなストレスがない状態で戦うことができました。

“信頼という意味は、お互いの好みがわかること”

Q:平川選手、キャシディ選手は2017年に初めてパートナーを組みましたが、お互いどのような印象を持ちましたか?

平川選手:
僕は毎年パートナーが変わっていて、2017年も初タッグからシーズンがスタートしました。最初はニックも苦労している部分があったけれど、中盤戦から後半戦にかけて速さと自信を取り戻してきました。それにクルマを作っていく上で、ニックもいろいろとセットアップの意見を出してくれた。あとは笑わせてくれましたね。

キャシディ選手:
昨年はベテランの伊藤大輔選手と組んで、サーキットでの立ち居振舞いやプロドライバーとしてどうあるべきかという姿勢について教えてもらいました。
もちろん、昨年から平川選手のスピードと才能は知っていたので、今シーズン、彼と組むことにワクワクしていました。戦っていくうちに、マシンセッティングに関するお互いの好みを感じ合えるようになり、第5戦・第6戦あたりからコミュニケーションについて大きな信頼関係が築けました。

Q: マシンセッティングなどで平川選手と共通点はあるのでしょうか?

キャシディ選手: それは実のところ重要なポイントではないと思います。ボクたちに限らず、だれでも共通点はあるでしょう。同じ1台のマシンに乗るのですから。信頼という意味は、ボクは彼の好みをわかり、彼はボクの好みをわかる、だからその二つを一緒にまとめられることを指しています。

Q:2017年は23歳のコンビでSUPER GTに参戦し、チャンピオンを獲得しましたが、若手だから挑戦できたことは?または印象に残ったことはありますか?

平川選手:
僕は外国人ドライバーとしか組んだことがないので、あまり年齢の差は感じなかったけれど、彼はレースに対して真剣で、いろいろとセットアップや戦略について話をしていました。その結果、遅くなったりと、ポジティブではない方向にも進んだりしたけれど、逆に言えば、日本人の選手がパートナーだったら、そこまで話し合いをしなかったと思う。それに、もし日本人の先輩がパートナーだったら、そういうことはやりづらかったかもしれないけれど、彼は同じ年齢で、経験の数もほとんど同じなのでお互い切磋琢磨していこうという雰囲気でできた。例えば先輩が決めるとか、そういうのではなくて、二人三脚でやっていけたと思います。

Q:意見がぶつかることはありませんでしたか?

平川選手:
大きなものはとくに無かったし、ぶつかっても、それを解決するまで話し合っていました。

キャシディ選手:
意見の食い違いなんて思い出せない。大丈夫だったと思います。僕は風変わりなので、彼には随分と我慢させたと思います(笑)。

Q:2018年の目標は?

平川選手:
自分はまだまだ速くなれる可能性があると思うので、2018年はそこを磨いていきたいと思います。

キャシディ選手:
僕の重要なターゲットはスピードとドライビングです。これは今に限らず、つねに頭の中の大半を占めています。2018年の具体的なターゲットというなら、タイトルの防衛です。

シーズン最後のシャンパンファイト!

LEXUSはクオリティライフスタイル誌 GQ JAPANと、モータースポーツをジェントルマンのスポーツと位置づけ、フォーマルに着飾ったLEXUSのレーシングドライバーたちのシーズンビジュアルやジェントルマンのためのモータースポーツ観戦をプロデュースしてきた。
今回、ふたりがダンヒルのフォーマルウェアに袖を通すのも、シーズン開幕前の撮影に続いて2度目。アスリートらしいスタイルのよさもあって、実によく似合っていた。
早くも、どことなく王者の風格を感じさせるようになったふたりに、2017年シーズンを振り返ってもらったが、「平常心」をモットーに余計なことは語らない平川選手と、ジョーク連発の陽気な性格のニック選手の発言が好対照でおもしろい。
ともに23歳の若いふたりでありながら、シャンパンファイトが堂に入っている理由は言うまでもないだろう。今シーズン、全8戦中、表彰台の頂点で2度のシャンパンファイト(※SUPER GTではスパークリング日本酒を使用)を経験しているからだ。

紳士の正装にふさわしいディープブルーマイカのLC500のロードモデル。「ロードモデルで好きなのはドライバーとパッセンジャーの居住空間が広いことです。とても広々していて、リラックスしてドライブできる。このボクでさえ、あのクルマならパッセンジャーシートでも楽しい」とニック選手が語れば、「ハイブリッドに乗ったのですが、どんな道でも安定しているし、都会の細い道でもスイスイと快適に走れました。何よりエクステリアのプロポーションが人目を惹きますね」と平川選手。

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