Los Angeles, USA Audrey Irmas Pavilion

Tokyo, JAPAN Toranomon Hills Station Tower

Fukuoka, JAPAN Tenjin Business Center Project

世界の多様性が次世代のクリエイターを育む
建築家 重松象平

Text by Rie Noguchi / Photographs by Ari Takagi

世界的建築事務所OMAのニューヨーク代表を務める建築家・重松象平氏。2019年から、次世代を担う全世界のクリエイターを対象とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD」のメンターとしての顔をももつ。このアワードのもっとも大きな特徴は、受賞者が経験豊富な建築家・デザイナー陣から多角的なアドバイスを受けられるほか、ミラノデザインウィークに展示する機会が得られる点にある。今年度もメンターを務める重松氏にLEXUS DESIGN AWARDについて話を聞いた。

世界レベルの
メンターからの指導

重松象平氏は、世界的建築設計事務所OMA(Office for Metropolitan Architecture)でニューヨーク事務所の代表を務めるパートナーであり、アメリカを拠点に世界中で活動をしている。

これまで重松氏が手がけた作品は、コーネル大学建築芸術学部新校舎、 コーチ表参道フラッグシップストア、ケベック国立新美術館新館などの建築から、クリスチャン・ディオール70周年記念展の会場デザインなど、その仕事はジャンルを横断し多岐にわたる。

LEXUS DESIGN AWARDは、重松氏のような世界で活躍する建築家・デザイナー陣が、若手クリエイターのメンターシップを担当するのが特徴だ。受賞者は、メンターの指導・アドバイスを受けながら応募作品をブラッシュアップさせ、最終的なアウトプット先として世界最大を誇るデザインの祭典「ミラノデザインウィーク」で自身の作品を出展することとなる。誰もが羨む世界レベルの指導を受け、世界一のデザインの祭典で自分の作品を発表する事ができる。

受賞者同士が
刺激を受け合う

世界最高レベルのメンターシップを受けられるLEXUS DESIGN AWARDだが、1990年代後半から20年以上に渡って海外を舞台に活躍する重松氏にとっての、“メンター的な存在”について聞くと次のような答えが返ってきた。

「伊東豊雄やレム・コールハースなど、一緒に仕事をさせていただいた建築家には直接的に影響を受けている」と前置きしながらも「もっとも影響を受けているのは同世代の建築家」だと明言する。

「時代の変化を注視し、新しいチャレンジを常に続けようとするダイナミックな環境では、世界中から意識の高い人間が世界中から集まってきます。彼らは同僚というより同志であって、15年を経て全く違った環境に身を置いている現在においても常にお互いを刺激し合いながら切磋琢磨を続けているような気がしています」

同様に、LEXUS DESIGN AWARDの受賞者たちもメンターと対峙するだけでなく、ワークショップを通じて同世代のファイナリストたちが、お互いの思考法やデザインプロセスに触れることで新たな境地を開くことになると、重松氏は語る。

「僕が同世代のクリエイターから刺激を受けてきたように、LEXUS DESIGN AWARDの受賞者たちが大きな影響を受けるのは、世界各国から選ばれた同志のファイナリストたちだと思うんです。彼らがそこで新たな刺激を受けることができるのはLEXUS DESIGN AWARDの魅力のひとつですね」
LEXUS DESIGN AWARDとは

世界を舞台に
真の実力で勝負

LEXUS DESIGN AWARDの受賞は、世界へと羽ばたくきっかけとなる。九州大学卒業後オランダ留学を果たし、以後、海外をベースに活躍する重松氏は「僕は日本に残っていたら、ここまで国際的に建築に携わることができていたなかったはずだ」と振り返る。その理由を「海外に出ることで、キャリアの早い段階から多様な環境を読み解いてデザインに関してオープンな感覚を身に着けることができる」と説明する。

さらに、重松氏は世界を舞台にするメリットを、次のように語る。

「海外に出て触れることができる多様性は、デザイン業界でも建築業界でもプラスに働くものだと信じています。たとえ言語やコミュニケーションに問題があったとしても、様々な文化や考え方に触れて問題意識や美意識の違いを認識するだけでもインスピレーションになると思います」

だからこそLEXUS DESIGN AWARDを自分の作品を発表する場というだけでなく、同世代のデザイナーやメンターたちがもつ多様な文化、考え方に触れる貴重な機会としても捉えて欲しい、と重松氏はインタビューの最後を結んだ。