2.12 Thu 19:00 START
マガジンハウスの人気雑誌『BRUTUS』の〈写真特集〉発売記念イベントとして、写真家のホンマタカシさんと川内倫子さんによるトークショーを開催。特集の内容に合わせて「もし二人がInstagramを始めるなら、どんなテーマでやるか」といった話題や、ゲストの方々が用意してきたクルマの写真を題材に写真談義を展開していきました。モデレーターは、BRUTUS副編集長の杉江宣洋さんが務めました。
まずは、Instagramの話題から。「ホンマさんはインスタグラムをダウロードしたっていうところまで聞いてるんですけど」と杉江さんが尋ねると、「アプリをダウンロードして、アカウントは作りました。でも、とりたいアカウント名がとられてて」とホンマさん。川内さんは「私もアカウントはあるんですが、自発的には使ってないですね」と答えました。ホンマさんが「言葉じゃなくてイメージをシェアするのがいいなと思って」と興味を持ったきっかけを話すと、川内さんは「インスタのイメージってぜんぜんわかってないんですよね。でもTumblrはやっています。日記形式で写真もテキストもアップするのに便利なんです」と話してくれました。
そこから話は、フィルムの話題へ。最近のフィルムの値上がりについて触れたホンマさんが「世代の問題で、キャリアの大部分をフィルムでやってきちゃって。できれば、キャリア全部をギリギリ、フィルムで終わらせたら。でも、もし明日急にフィルムがぜんぶなくなっても、それに対して悲観しないですね」と語ると、川内さんは「フィルムがなくなっちゃうのは、さみしいなと思います。毎回撮影時に緊張感があるし、テクスチャーも違うものだから」と続けました。
ここからは、お二人のコメントと共に、ゲストの方々の写真を会場全員で共有。ゲストには、あらかじめ「テーマを設定して、10枚のクルマの写真をInstagramにアップしてきてください」という課題が出されていました。
まず1人目のテーマは、「クルマの中から見た景色。道とクルマ。あと、働く人とクルマって感じで撮ってみました」。これに対して、川内さんが「3枚のうち、どれが一番好きですか?」と聞くと「自分的には仕事と車っていうテーマですね」とゲストが答え、川内さんは「自分で発見があるのはすごいと思います。作品作りでも最終的に、小さいことでも何か見つかると充実感があるっていうか。ひとつ発見できることがあったならいいんじゃないかな」と返しました。
2人目のゲストが、「テーマは、反射とか繰り返すとか、そういうワードをなんとなく頭にいれて」と話すと、「反射っていいですね。話を聞いてていいなと思ったのは、自分で撮ってて、自分がこういうとこが好きなんだなってことに気付くこと。撮る前から好きなものがわかってたら仕方ないですもんね」とホンマさん。川内さんも「私もいつもそうです。撮りながら気付くことがあって。それは自分が無意識に思ってることだから。これが好きなんだという発見があると、おもしろいですよね」と話しました。
このまま、20名ほどのゲストの方々の写真を紹介して、イベントは幕を閉じました。最後に杉江さんが「みんなの写真を通じてインスタについても学んだと思うんですけど、ホンマさん何かありますか?」と聞くと、「どっちかっていうと俺らの方がインスタ初心者というか、部外者ですね。今日は半歩くらい前進できました」とホンマさん。「みんな楽しそうでいいですよね。こんな便利なものが20年前にあったら楽しかったなと」と川内さん。写真家の言葉や意見に直接耳を傾けることができる、貴重な機会となりました。